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透析とは

 前回、腎代替療法の種類を説明しました。
 そのうち、二つが血液透析と腹膜透析ですけど、
「じゃあ、透析ってなんだ?」
 について、説明します。

 まず、原理から
 半透膜という、目に見えない小さい穴がいっぱい空いていて、その穴を通る物(分子)だけを通したり、それ以外を通さなかったりする膜を準備します。
 次に、その両側に、種類の違う液体を入れて、その中に溶けている物質や、水分(水分子)そのものを膜を通して行き来させて、思い通りの濃度の液体に調整する、事が透析。
 なので、その穴の大きさを調節すると、通したい物質を通す事が出来て、作りたい液体に調節できます。かなり難しいけど。

 次に、
 その膜を細い糸みたいなストロー状にして、たくさん並べたのが人工透析の透析器(ダイアライザー)です。
 なので、化学会社の旭化成や、繊維会社の東レなんかはダイアライザーを作っております。

 そんなダイアライザーを使う人工透析は、体から血液を取り出してその透析膜でできたストローの中に流して、一方で、その膜の外側に透析液という、人工的に作った液体を流して、膜を通して水分やその他の物質を調整して、体の中に返します。

 もう一つの透析方法の腹膜透析は、腹膜を透析膜として使うわけです。
 腹腔と言う空洞の中に、人工的に作った透析液を入れます。腹腔は腹膜という膜で覆われてます。腹膜は生体なので、その周りには血管があって血液が流れています。腹膜を透析膜として、血液と透析液の間で物質や水分の交換をします。
 腹膜は、人工透析の膜と違い交換できないので、ある程度使ってくると傷んできます。
 なので、腹膜透析は一生では無く、8〜10年の期限があり、その後は人工透析に移行するか、その間に腎移植をする、と言う流れになります。

 これが、大体の事。
 次回、血液透析の細かい事を説明していきます。

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