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インフォームドコンセントの進化版

 現在、ほとんどの医療機関では、治療を始める前にインフォームドコンセントとして、患者さんに現在の状況、治療の利益・不利益を説明して、何個か選択肢があれば選んでもらったりします。

 今回は、それより少し進んだ、共同意思決定支援・シェアードデシジョンメイキング(Sheard Decision Making : SDM)について説明します。

 前回も少し書きましたが、SDMは医学的な事実だけの話にとどまらず、その人の価値観までも考慮して、関係者みんなで治療方針を決めて行きましょう。と、いう事です。

 この「みんなで価値観までも共有して決定していきましょう」という点が、昔の医療側に言われるがままの治療決定方法。医療側が情報を提供して患者側に決めてもらうインフォームドコンセント。と大きく異なります。

 SDMで方針決定をするためには、医療側としては患者側の身体状況だけでなく、価値観も収集する必要があるし、患者側としても、現在の状況、治療内容、治療による利益・不利益を理解した上で、さらに、自分たちの考えを伝える必要があります。
 なので、時間がかかったり、お互いに積極的に関わっていかないと、中々上手くいきません。

 そんな訳で、
 月単位、年単位で進行していく慢性疾患では適応しやすいですが、急に悪くなった急性疾患では、ちょっと難しいものが有ります。
 ただ、急性疾患でも、元々持病があったりして、普段から急に悪くなった時の事を考えていたり、話し合ったりしている場合には、SDMが実践できる時も有ります。

 次回、SDMが結構浸透してきた、腎臓病について説明したいと思います。

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