見出し画像

モノを作る理由

大学は芸大の彫刻学科に通っていた。
卒業してから制作をしたかったが、やる気やらお金やら設備やら覚悟やらが足りず、結局、制作はせずに一年後くらいに誘われて友達の会社に入った。

小さなモノづくりの会社でとてもクリエイティブを重視している会社ではあったけど、職種はそれ以外の職種を色々と長くしていた。

たぶん大学生の頃だったと思うけど、その時読んだ岡本太郎の「今日の芸術」って本の中に「センスの有無は問わず、人間はモノづくりをしないと心からの満足はない」的な一文(大体こんな感じのことが書いてあった)が妙に納得し心に残っていた。

会社で働きながら心のどこかにこの言葉がずっとひっかかったまま過ごしていた。モノづくりを一度知ってしまったからこそ、いつまでもその感覚に囚われて様に思う。
立場や稼ぎや名誉を得ていたとしても変えの効かない満足感がある様に思っている。
(モノづくりといいますかクリエイティブな作業と言った方が感覚的には近い)


例えば、仕事ではクリエイティブなことをしていないが面白いモノをつくっている素人のクラフターと言われる人たち。
作っているものが売れる売れないは関係なく、作ること自体に満足感がある。
同じく、たぶんクリエイティブな表現を日頃していないだろう人がカメラにハマってめちゃええ写真を撮っているのも、この感じなんだろうと勝手に理解している。
みんな自分の内なるクリエイティブ欲を満たそうとお金や時間を注ぎ込んでいる。(ステキです)

ただ困ったことにこれは誰かのコピーをしたとしても満たされたりするので商売関係なくコピーする人がいるんだと思う。
もうね、作ること自体が楽しいんですよ。で、出来上がったらインスタなんかでみんなに見てもらいたくなって、公表しちゃって。
スゴイですねーとか褒められて、その気になっちゃうパターン。 
あると思います。

話はそれたけど
モノづくりのをしていて、商品化するとある程度量産になるわけで、ほんと単純作業の繰り返し。嫌になる時もあるけど、やっぱり工程の中や完成のタイミングでモノづくりに満たされている感覚がある。

今はキャンプ道具を作ってはいるけど、結局僕自身は作るものはなんでも良いんだろうなぁと思う。キャンプ道具というジャンルがちょっと得意だろうけど、他に得意なジャンルが見つかればきっとそれもやるし、家具やら器やらカトラリー何かも作りたいと思っている。
素材だって別に木ではなくても良い。

できることなら家だって自分で作ってみたい。
満たされるだろうなぁ。
(これは商売でなく趣味で)

ということで、モノを作る理由。

性欲やら食欲やらと同じ
クリエイティブ欲に流されて作っているというのが理由なんだと思うし、一応これでメシが食えているので、とてもありがたいことです。

この考えだと、クリエイティブをする全てのみなさんに当てはまる理由なのかもしれません。

大ジジイになっても、モノを作って誰かを喜ばせたり驚かせたり、ひっそりとでも役に立ってたりしてたなら、とても幸せなんだろうと思う。

孫の勉強机作ったりとかね。

いいなと思ったら応援しよう!