オルゾフモンキー覚え書き

0.前提

6弾環境が終わりに近づいたのでしばらく触っていたオルゾフモンキー(黄黒ルフィ)についてのメモ。構築、有利不利、プレイ指針、小テクなど。
以下、使用する用語集。
オルゾフモンキー:黄黒ルフィのこと。黄色は白ではないので不適当な表現だが語感が面白いので採用。黒人、白人、黄色人種がコンプリートできるクールなネーミング。
三兄弟:ルフィ、エース、サボのこと。
(三兄弟の)上:いわゆる5エース、5ルフィ、5サボ(黒)のこと。
(三兄弟の)下:いわゆる2エース、2ルフィ、2サボのこと。別名に子供、ガキなど。
変身:三兄弟の下の起動効果で上を出すこと。ジェルマの変身ギミックから引用。カード背景を考えると「成長」の方が適していると思うが、「変身」で慣れてしまったのでこちらを使用。

1.強み

1)リーダー効果を起動した際のテンポ得。
リーダー効果起動時の挙動は「リーダーに6ドン付けて手札を一枚捨てると5コストキャラ二体をタダで場に出して(10ドン得)羽撃糸を二枚手札に加えて(2アド)タダで使う(4ドン得)」と単純化して考えることができる。これは都合1アド+14ドン得となり、この圧倒的なテンポの取り方でゲームの主導権を強引に手に入れることができる。

2)対策の難しさ
リーダー効果の条件はライフが0であることだけ。これまでは長期戦を得意とするデッキ(主に黄単エネル)はライフを全く〜ほとんど殴らない戦略を採ることで容易に機能不全に持ち込むことができた。
しかし、エクストラブースターにて《シャーロット・フランペ(EB01-056 )》が登場したことで状況は一変。相手リーダーが一度もライフを攻撃しなくとも無理なくライフを減らすことが可能になった。
攻撃してもしなくても勝手にライフを減らして勝手にリーダー効果をブン回してくるわけで、対戦相手目線で能動的な対策を講じづらい。

2.弱み

1)サボ依存
手札を交換して三兄弟の上下を集める、リーダー効果用の三兄弟の上をトラッシュに送る、8モリアを見越してあらかじめ三兄弟の下をトラッシュに送る、リーダー効果起動後にパワー9000となったもののライフ0となるリーダーをドン付与パンチから守るブロッカーの役割、これらすべてを《サボ(OP04-083)》が担っている。
とにかくサボが引けないと話にならない。リーダー効果で頑張ってもブロッカーが立っていないなら、リーダーに全ドン乗せて15000で殴られて御陀仏。ほぼすべての対面で、まず1枚引かないとどうしようもない。マリガンとサーチ8枚でまあまあ集まるのだが(サーチがチェインしないので少々状況は異なるが、リーダーニューゲート時代に4マルコを1枚も引けないことがどれだけあったか? と考えるとそこそこ近い体感確率が得られる)、引けない時は引けないし、その場合は何も良いところがないまま負ける。つまんね〜。

2)サカズキがキツい(ウタもキツい)
上述の通り「リーダー効果からサボを含めた2体を出して、KO不可のブロッカーとリーダー9000で確実に1ターン耐える」というのがオルゾフモンキーの基本プランなのだが、これを否定するのがKO以外の対処。パワーまで加算する《犬噛紅蓮(OP05-057)》との相性は最悪。結果として環境トップシェアの青黒サカズキに不利となっており、デッキ選択の段階で難あり。
また、日本一決定戦後シェアを伸ばすであろう緑単ウタも《逆光(ST11-003)》というKO以外の対処法を持っているため厳しいマッチアップとなる。ついでに言うなら8キッドもキツい。直接除去する手段もパワーを下げるカードも無いので8キッドのカードパワーに正面から立ち向かうしかないため。

3)戦い方が一つしかない
「ライフを減らしてリーダー効果を使う」以外のプランを持っておらず、引きや状況に応じて戦略を柔軟的に変更することができない。サボがないと負けるしかないという弱みも元を正せばここにある。下振れが負けに直結するため、一敗が致命傷となる大型大会に持ち込むことを勧められない。

3.構築

基本的に以下48枚が固定枠。
シャーロット・フランぺ(EB01-056)4
モンキー・D・ガープ(ST13-013)4
光月日和(OP06-106)4
サボ(ST13-007)4
ポートガス・D・エース(ST13-010)4
モンキー・D・ルフィ(ST13-014)モンキー・D・ルフィ4
サボ(OP04-083)4
ポートガス・D・エース(ST13-011)4
モンキー・D・ルフィ(ST13-015)4
エドワード・ニューゲート(ST13-004)4
ゲッコー・モリア(OP06-086)4
兄弟の絆(ST13-0193)4
ただし、ニューゲートは対青黒サカズキの対策カードのため、マッチ率の下がるチーム戦では減らす選択が可能。
また、先述した8キッドの不利を覆すため《雷迎(EB01-059)》する構築も見られる。
自由枠の2枚には、
・追加の2000カウンター
・追加の5コストカード
が採用されることが多い。《マキノ(ST13-012)》《ヤマト(ST13-016)》《サトリ(OP05-105)》など。三兄弟が揃っていない等の理由でリーダー効果からライフを埋めるだけでターンを終了することはしばしばあるため、追加の5コストカードは割と重宝する。個人的には《排撃(OP06-116)》がお気に入り。負けを勝ちに変えられる数少ないカード。

4.有利不利

サボのKO不可効果とリーダー9000の堅牢さが売りのため、真っ当な地上戦しか仕掛けられないリーダーやキャラのパワーラインが低めのデッキに強い。また、ライフを減らしたい特性上、黄単カタクリの強みのほとんどを否定できるため(毎ターンのリーダー7000パンチ、7マム10マムのライフトラッシュはうまく機能しない。トリガーから出てくるキャラはパワーが低いので後半の戦闘で仕事ができない。ライフ0なのでリジェクトは刺さらず、サボは5コストなのでアマルも怖くない)カタクリには大きく有利が付く。
有利:黄単カタクリ、青紫レイジュ、黒単モリア

サボに干渉可能なデッキはことごとく不利。赤紫ローの《Mr.2・ボン・クレー(ベンサム)(EB01-061)》は特に悩ましく、これが場にあると8モリアを出せなくなってしまう。また、リーダー効果を使って高パワーのパンチを押し付けるという攻め方をする構造上、毎ターンライフを追加できる赤黄サボも苦しい。
不利:青黒サカズキ、緑単ウタ、赤黄サボ
微不利:赤紫ロー(構造としては不利だが、ロー側にサーチ等の手札操作がないためどうにかなることも多い)

5.プレイ指針

後手を取ることが多い。メリットは
・後1でフランペを出して後2に5000パンチできる
・先2の相手がリーダーでライフを殴るかどうか見てから後2以降の指針を決められる
・後3で三兄弟+サーチと動きやすい
・後4で最速モリアを狙える(リーダー効果を起動するにはドンが足りないので、ライフを残すように動きつつガープを1枚以上トラッシュに落としておきたい)
など。対青黒サカズキはニューゲートを出したいので必ず後手。
相手がどのくらいライフを殴ってくるのか見ながら、適度にフランペを出してこちらからもライフを減らしていく。相手のパンチ数を見誤ると、ライフを一気に攻められて手札を2枚以上減らされてしまう。リーダー効果のコストとライフからのキャラ展開で手札を三枚消費してしまうため、リーダー効果を使い始めるとどんどん手札が減っていく。終盤粘り強く戦うため、中盤に手札を損失しないように立ちまわる。
先3、後3、先4あたりで一度サボを出して手札を整え、次ターンからリーダー効果を使っていくことが多い。
フランペや5ルフィを使って超高速でライフを減らす動きを狙うのではなく、「リーダーやキャラで殴るとライフ0になりますよ、リーダー効果で暴れますよ、それでも攻撃しますか?」の選択を相手に突きつけ続けるイメージ。殴ってこないなら戦闘面で得できるし、殴ってくるならこちらの土俵で戦えば良い。不条理な二択を押し付ける。

6.小テク

何度も書いた通り、オルゾフモンキーは「ライフを減らしてリーダー効果を使うだけ」のリーダーだが、その道中には結構な量の小テク・アドリブが潜んでいる。ライフを殴るのが正解にしろ不正解にしろ、それを選択するのは対戦相手なので1ターン後の盤面を正確に予想するのは難しく、ターンが帰ってきてから最善手をじっくり検討することになる。そこで未知のルートが見つかるのが非常に楽しい。
以下、これまで遭遇した常識的な技術も含めたテクニック集。

・リーダー効果で手札からライフに埋める
テキストを読みあげているだけなのだが、使って丸一日は気づかなかった。三兄弟の上を無理にトラッシュに置く必要がないと分かり、初日に感じていた息苦しさが一気に解消されたのは今でも覚えている。

・後1フランペ
上述のとおり、後2に5000パンチができるようになる。対青単ナミ戦では八面六臂の大活躍を見せた。
フランペは手札が増える特性上、早めに出せばその後の選択肢を増やすことができる。ライフ1以外の盤面でも出す価値が大いにあることに留意。

・後2エース
日和からエースの上を埋めて変身。先2で相手にライフを殴ってもらうか、後1でフランペを出しておかないと速攻が付かないので注意。対黄緑ヤマト戦で発生し、ダブルアタックが奇跡的な噛み合いをした結果、後3からリーダー効果からめちゃくちゃをやって後4で勝利。6000以下の攻撃を一度もやっていないという凄まじいゲームだった。

・三回変身
「残ライフ1から日和で埋めて変身、リーダー効果使って変身二回」「サボの上がないのでライフ埋めるだけでターン終了。残ったライフとリーダー効果で再度埋めたライフで三回」などのパターン。理論上は四回変身まで可能。超強いかと思いきや、リーダー11000はもはや過剰なので「リーダー9000とライフ1」にした方が強いことが多い。

・サボ無し変身
「サボがないと死ぬ」とはすでに書いた通りなのだが、無いときは無いし、だからと言って黙って負けるのもシャクなので気合のサボ無し変身。ライフ0、ブロッカー0、リーダー9000。リーダーに全ドン乗せて殴られると負ける時でも、キリッとした顔をしていると案外日和ってくれる。実戦時は無事1ターンのお目溢しをもらい、返しにリジェクト絡めて強引にリーサルを作って勝利した。

・ルフィか、エースか。
サボが必要なのは分かったけど、もう一枚の変身はどっちにすればいいの?という疑問。このターンに7000で殴れるエースと、次のターンに8000で殴れるルフィの比較と言えるのでパワー8000のルフィが1ターン生き残りそうならルフィを、すぐに除去されそうならエースを出せば良い。

7.今後のオルゾフモンキー

7弾の発売と禁止改訂が近づいているが、今後のオルゾフモンキーの立ち位置はどうなるのだろうか。ウタは引き続きキツいけど新リーダーはどうにか立ち回れそうだし禁止改訂でサカズキが激減するならかなり有力なのでは……? と思っていたところ、

新カードが無理すぎて爆笑。よく考えたらボニーのリーダー効果も相当キツいし、7弾では息してないと思います、このデッキ。

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