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間違い探しで楽しむ構造式

やっほー♪ 植物たんこと三島彩子です!

YUKIYAさんの企画、「学術教育サイエンスコミュニケーション Advent Calendar 2020」の12/16日分を担当します!(YUKIYAさん、素敵な企画に混ぜていただきありがとうございます~!!)
普段はTwitterYouTubeで活動するVtuberにして学術たんと言われるアカウント群の片隅におります!
とりあえず植物が好きな人で、特に植物成分が好きです(ง ˙˘˙ )ว
あとクイズと美味しいラーメンが好きです。

これは代表作(?)
生物学も語学も分からなくたって学名が読めたらかっこいいなって気持ちを満たしたい動画。基本的にあたしの勉強へのモチベーションは「できたらかっこいいな」みたいなところあります。分かりやすく言うと見栄ですね。

(ここから本題! 5000文字弱くらいなので1分500文字で10分弱くらい?)

さてさて本題に入っていきましょう。皆さんは、間違い探し好きですか?
あたしは超好き。もうずーっとやってられますよね。
サイゼリヤとか行くとあたし延々と間違い探しやってますもんね。サイゼリヤのこと間違い探し屋さんだと思ってるといっても過言。

間違い探し1

そんなわけで、早速1枚作ってきました!
いざ自分で作るとけっこう大変ですね……。この真ん中に座ってるのがあたしです(*˙˘˙)♡

間違い探し2

上の2つの絵で間違いが3つあります!
答えはこの記事の最後の方で公開しようかな(*ˊ˘ˋ*)♡
このように達成されていない、中断された物事のほうがよく覚えているという現象をツァイガルニク効果と呼びます。へー。


そんでもって皆さん、構造式は好きですか?
この記事を見に来てくれるような(物好きな)人の中には少なからず構造式が好きって人もいる気はしますが、これまで理系学問にあんまり触れてこなかった方は「いやそもそも構造式ってなんすか……?」って思っているんじゃないかと思います。わかる。分かりすぎて若乃花になったわね。

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構造式ってこういうのですね~(ง ˙˘˙ )ว
「あ~なんか見たことあるわ。あれやろ。頭良さそうな先生が出てきたときに背景に浮いてるやつ
まあそう。わかるわかる。大体合ってる。

皆さんの中にはこの構造式に対して
「なんか難しそうだな」とか
「高校でもう化学とはおさらばしちゃったから分かんないや」とか
オレ……難しいことは分かんねぇけどよ……」とか
思ってる人もいるんじゃないかと思うわけです。

でもちょっと待ってほしい。あと不労所得がほしい。
構造式ってのはそんなに難しいもんじゃないんよ。ほんとに。だって簡単に構造が知りたいからあの絵を描くんだもん。嘘じゃないもん。
そりゃ難しいことやり始めたらどこまでも難しいけど、眺めて遊ぶだけなら超簡単なわけ

今日はそんな構造式の面白さを中学理科くらいまでしか覚えてないよって人にも分かりやすく、間違い探しで楽しんでいこうじゃないのって記事になります。
手作りなのでちょっと絵が傾いてしまうこともありますが、傾きは気にしない方針で見てもらえると嬉しいです。
まずは、レベル1から行きましょう! れっつごー!

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はい、これと

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これ。

「いや、待て」といいたくなる気持ちは分かります。でもほら、レベル1だからさ。このへんから始めようよ。ね、とりあえず座ってさ。
とりあえずもう答え合わせにしちゃうね。

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何とこの部分が増えました!!!!!!
すごい!!!!!!

はい(スンッ)

一応上の2つもちゃんと構造式でございます。構造式ってのは、ある成分がどんな形してる成分なのかな~ってのを絵にしたものです。上のがプロパン、下のはブタンって成分です。
引っ越しの物件選びとかでプロパンガスって聞いたことない? アレですな。

構造式を見るときに気をつけるといいところは、線と点です。例えばプロパンは「へ」みたいな形をしていますが、この始点、曲がってるところ、終点の3箇所に炭素(C)がいます。で、その炭素同士が結合してる様子を線で表しているんです。星座みたいだね。

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ブタンはこの四箇所に炭素がいます。有機物の構造って、基本的に炭素がメインの骨格になってるんですよね。だから大きい構造とかになってくると、炭素をいちいち書くのは、とっても面倒なんです。そんなわけでもう省略してこんな風に描いてるんですね。楽ちんでいいね。

さ、次はレベル2!

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はいこれと、

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これ。

もうそれ間違っていない部分のほうが少ないんじゃないってとこありますよね。わかる。もうちょい待って。

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ここね。もうなんか答え合わせする側もちょっと恥ずかしいっていうね。
この成分はエタノールです!(ง ˙˘˙ )ว

なんか「oh...」って書いてありますね。先ほど構造式の点は炭素が省略されているって話をしましたが、炭素以外を書きたい時は必ずこんな風に書くわけです。つまりこのOは酸素、Hは水素なんですね~。
この「oh...」ってのがついてると、アルコールと呼ばれる成分の仲間になります。
普段飲むお酒にも「アルコール」が入っているとよく言われますが、あれは暗にこのエタノールのことを指してます。本来のアルコールってのは、もっといろんな成分を含むグループのことなんですね。これは炭素が2つのエタンという成分に「oh...」がくっついたので、エタノール。わかりやすいなあ。あ、お酒飲みたくなってきた。

さあ次はこれ。

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これと~

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はいこれ。なんかまだまだ間違い探しとしては面白くないね。

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こうだね! 上の構造はベンゼン、下の構造はフェノールといいます。
お、「oh...」ですね、アルコールの仲間っぽいです! 逆に書いてあるから「Ho!」って感じになってますが、さっきのと同じだと思ってくれてOKです。

ん? エタンに「oh...」がくっついてエタノールなら、ベンゼンに「oh...」がついたらベンゼノールじゃないの? って思ったそこのあなた。鋭い。100さいこポイント。実際、ベンゼノールって呼び方も一応あります。そんでもってフェノールって名前は、ベンゼンの古い名前であるphene(フェン)から来てます。

ところでこのベンゼンなんですけど、なんか二本線になってる部分ありますよね。

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ここね。これ初出よね。
さっき「構造式の点は実は省略された炭素で、それを星座みたいに線で繋いでいるんだ」って話はしましたが、実は炭素1つから出していい線の数は基本的に4本までとなっています。基本的にってことは例外もあるんだけど、それはムズいから今回はスルーです。
で、この二重線になってるところは、その4本出せる線のうち2本を同じところで使ってるよってことです。

じゃあ4本出せる線のうち使ってない線はどこにやっちゃったのかというと、実は水素と繋がっています。これが省略されてるんですね。
ここで勘の良い方は気づいたかもしれませんね。先ほど「有機物の構造って、基本的に炭素がメインの骨格になってる」って話をしましたが、これに水素がいっぱいくっついてることが多いんです。例えば最初の方で出したエタノールですが、水素をちゃんと描くとこうなります。

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うん、水素がうるさいですね。さっきのほうがスッキリしてました。
さっきは「oh...」と描かれていたところも、こんな風にバラバラに書くとちょっとわかりにくい気がしませんか? あたしはしますけど。
ところでこの構造をよく見ると、赤く描かれている酸素からは2本しか線が出ていません。
炭素からは4本まで線を出していいとさっき話しましたが、酸素からは2本まで、そして水素からは1本までというように、元素の種類ごとに何本まで線を出していいのかが決まっています。まあ、とりあえず今日の記事ではこの3種類の元素しかださないつもりなので、そういうルールのパズルだと思って眺めてください。

さあ、間違い探しに戻りましょう。次が今回の最終問題になりますが、最後はグッと難しくなりますよ~!
なんと間違いが3箇所もあります!

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さあこれと、

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これ。
あれ、これなんか見たことあるような……?
そう、実はこれ片方は最初に出した構造式の例と全く同じものを持ってきています。
ここまで読んでくれた方なら、元々化学とかさっぱりって人でも、なんとなく抵抗なく眺められるようになっているんじゃないかと思いますが、どうでしょう? そうでもない? そっか……。
まあでも間違い探しとして楽しんでくれれば今回はそれで十分なので、難しいと思ったことは一旦忘れてもらってもOKですのでね(ง ˙˘˙ )ว

そんじゃ、答え合わせ行きましょっか!

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ここが変わりましたね!
お~なんかやっと間違い探しっぽくなってきた。最後にして。やっと

こちら上の成分はナリンゲニン、下の成分はケルセチンと呼ばれるものです。柑橘類やタマネギみたいな植物によく入ってる成分ですね(ง ˙˘˙ )ว
ところでまたちょっとだけ難しい話をするんですが、この2つの成分、さっき出てきたベンゼンが中に組み込まれていますね?

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こことここね。
で、しかもベンゼンに「oh...」が合計4つもくっついていますね?
先ほどベンゼンに「oh...」がくっつくとフェノールと呼ぶんだとお話しました。こんな風に構造中にいっぱいフェノールっぽいところが含まれている成分は、ギリシャ語で「いっぱい」って意味の言葉から来てる「ポリ」って言葉をくっつけて「ポリフェノール」とそう呼ぶわけです。

こ、これがポリフェノール!! っていうか、ポリフェノールってなんか特定の成分のことじゃなくて、色んな種類がある成分たちの総称だったんですね~。ナリンゲニンもケルセチンも、言ってみればポリフェノールの一種なのです。

さて、間違い探しに話を戻します。なぜならもうちょっと面白いことがあるからです。
今回のはちょっと間違い探しとしてホネがあったんじゃないかと思います……っていうかそれまでのがあまりにショボすぎたって話ですがね_(:3 」∠)_
で、間違い探しとして解き甲斐があるってのは、つまり2つの絵が似てたってことですよね? つまりナリンゲニンとケルセチンは構造が似ているってことですね?
じゃあこの子は?

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似てる……! 似てるぞ……!!
ちなみにこの子はカテキンですね。お茶とかによく入ってるっていわれるやつね。めっちゃ似てない? 間違い探しエクストラステージって感じよな。

具体的には、

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このメインの部分が似てる。ちょっと真ん中あたりが二重線になってたりなってなかったりってのはあるけど、このメインの部分は共通して持ってるよねって雰囲気伝わります? ヤバい楽しくなってきた
この上に示した「メインの部分」は、フラボンと呼ばれる成分です。

さて、皆さん「フラボノイド」って言葉聞いたことありますか?
なんか植物成分とか健康食品とかの話になってくるとたまーに聞きますよね。
ナリンゲニンやケルセチンやカテキンのように、フラボンっぽいメインのパーツを持っている成分のことを、「フラボノイド」と呼びます。
ここまでついてきてくれている皆さんは、カテキンを見たときに、さっき見たケルセチンとかに似てるなって思った(と願いたい)わけですが、それはつまり構造式を見て「フラボノイド」の仲間であることを見抜いたってことになります。

すごい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
なんかしらんけどかっこいい!!!!!!!!!!
今皆さんの背景に浮いてますよ構造式が!!!!!

ね~。どうでしょう。
めっちゃ分かった感じしません? いや当然もっと本格的に学べばいろいろ難しい話は出てくるんですけどね、入り口はこんなもんなんだとあたしは思うんですよ。

こうなってくると色々気になってきません?
例えば
「じゃあつまりフラボノイドってのは大体がポリフェノールの一種ってことなのだろうか?」
「フラボノイドじゃないポリフェノールもあるのかな?」
「イソフラボンって言葉も聞いたことあるけど、やっぱり構造似ているのだろうか?」
「フラボノイドには他にどんな種類があるんだろう?」
「フラボノイドでない成分の構造はどうなっているんだろう?」
とかとか、こうなればあなたはもう(植物)成分の沼に片足を踏み入れているわけです。

「Welcome to Underground」(コピペ)

どうでしょう、この記事を読んで、ちょっとでも納得できるところがあったり、構造式への抵抗がなくなったり、「ふ~ん、おもしれー女」って思っていただけたならうれしいなーって思う次第です(*˙˘˙)♡

間違い探し_kotae

あ、これ最初の間違い探しの答えです(「・ω・)「
①瓶の中のビー玉の色がちょっと変わった
②あたしの靴が色違いになった
③右奥のビー玉が一個消えた
いや今更!

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