EJU 総合科目 経済1 経済体制
勉強のポイント
過去の歴史とその時代に活躍した経済学者を絡めた問題が出題されることが多いです。16世紀から20世紀までの経済体制や経済学者を歴史の流れとともに整理しましょう。(以下のまとめは、留学生に教える時にわかりやすい言葉を意識して書いているので、詳しい解説を知りたい方には適していません。ご了承ください。)
➀16世紀~18世紀
この時期のヨーロッパの政治体制は絶対王政でした。「王様が一番」の政治が行われていました。このころは産業があまり発達していないので、お金を得るために2つの考え方がありました。1つ目は貿易(重商主義)をしようという考え方。有名な学者はトマス・マン(イギリス人)。2つ目は農業生産をがんばろうという考え方です。(重農主義)有名な学者はケネー(フランス人)。イギリスは貿易に力を入れたことで産業革命につながったことや、フランスは今も農業がさかんであることも伝えると、今とのつながりや次の時代とつなげて考えられると思います。
②18世紀後半~産業革命期
産業革命はイギリスから始まります。国で綿製品の需要が高まり、大量生産のために機械が発明されました。作った製品を国内だけでなく外国へも売るためには移動手段が必要なので、蒸気船や蒸気機関車も開発しました。商品を売ることに関して、国のいろいろなルールがあると、貿易が難しくなります。ですから、自由に貿易をさせたほうがいい、という考えが広がります。
有名な学者はアダム・スミス(イギリス人)。著書は『国富論』。キーワードは「レッセフェール(自由放任主義)」「神の見えざる手」。
自由貿易について、リカード(イギリス人)は「比較生産費説」を主張しました。著書は『経済学及び課税の原理』。簡単に言うと、自分の国の得意なものを売って、苦手なものを外国の得意な国から買うことで、お互いの国に利益があるという考え方です。
イギリスでは自由貿易の考え方が広がり、経済が発達しました。
しかし、産業革命が行われていない国では、イギリスから入ってくる安価な商品がたくさん入ってくると、自分の国の商品が売れません。そうすると、国の経済は悪くなってしまいます。それでは大変なので、保護貿易をした方がいいという考えが出てきました。有名な学者はリスト(ドイツ人)。著書は『政治経済学の国民的体系』。
産業革命によって、資本主義経済が成立し、資本家と労働者の関係が生まれます。労働者は長時間・低賃金という条件の下で働き、また都市人口が急に増えて、スラム街ができ、不衛生な生活環境ができました。
③19世紀後半~帝国主義
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EJU 日本留学試験 総合科目経済分野
EJU(日本留学試験)総合科目経済分野でよく出題されるテーマの内容を作成しました。4年間総合科目の授業を担当し、学生からわかりやすい!と言…
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