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noteは情報商材市場となっていく

はじめに

近年、個人が自由に文章を発表し、収益を得ることができるプラットフォームとしてこの「note」が広く活用されている。しかし、noteは今後、情報商材市場へと変化していく可能性が高い。ここでは、情報商材市場の歴史を振り返りながら、noteがどのように変化し、今後どのような課題が生じるのかを考察する。

情報商材市場の歴史と変遷

情報商材とは、電子書籍、PDFファイル、動画教材などの形式で販売される知識・ノウハウ系コンテンツの総称である。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、インターネットの発展とともに情報商材市場が形成され始めた。

初期の情報商材ビジネスでは、メールマガジンを利用した販売が主流だった。例えば、「1カ月で100万円稼ぐ方法」といった内容の電子書籍や、FX・アフィリエイトの成功法則をまとめたPDFが高額で販売されていた。しかし、こうした商材の多くは再現性が低く、購入者が期待するような結果を得られないことが多かった。このため、「情報商材=詐欺まがい」といった悪いイメージが定着していった。

しかし、近年では「情報商材」という言葉が「コンテンツ販売」と言い換えられ、一般化しつつある。YouTubeやUdemyなど、専門知識を持つ個人が動画講座を提供するプラットフォームが登場し、情報商材のイメージは徐々に改善されている。

noteが情報商材市場になる理由

noteはもともと、クリエイターが自由に記事を書き、収益化できる場として設立された。しかし、近年のnoteのビジネスモデルを見ると、情報商材市場に近づいていることが分かる。

note社の収益の大部分は、有料記事の販売手数料とプレミアム会員向けのサブスクリプションサービスである。広告に依存せず、直接コンテンツ販売で利益を上げるモデルを採用している点は、まさに情報商材市場と共通する。

また、YouTubeやX(旧Twitter)など他のプラットフォームと比較すると、noteは「文章に特化した情報商材販売の場」としてのポジションを強化しやすい。特に、専門知識やノウハウを持つ人々がnoteを活用し、高額なコンテンツを販売する動きが加速している。

AIの発展がもたらすコンテンツの激増

Google GeminiやChatGPTなどのAI技術の発展により、文章の生成が容易になってきた。これにより、コンテンツの量が爆発的に増加することが予想される。

かつては、文章を執筆するには時間と労力がかかったが、現在ではAIを活用すれば短時間で大量のコンテンツを生成できる。例えば、簡単なブログ記事やハウツー記事であれば、AIが自動で書くことも可能になりつつある。

この結果、note上の有料コンテンツも急増するだろう。しかし、AIによるコンテンツが増えることで、質の低い情報や誤情報が混在するリスクも高まる。これにより、購入者が「どの情報が本当に価値のあるものなのか」を見極めることがより困難になっていく。

素人のコンテンツは淘汰されるのか?

YouTubeの歴史を振り返ると、かつては個人が気軽に投稿した動画が人気を集めることがあった。しかし、現在ではプロのクリエイターや企業が制作する質の高いコンテンツが主流となり、素人が参入する余地は狭まっている。

noteでも同様の流れが起こる可能性が高い。最初は誰でも気軽に記事を書いて収益化できる場として機能していたが(少なくとも多くの人々に読まれる場として)、今後は専門性やブランド力を持つ発信者が有利になるだろう。

特に、情報商材化が進むことで、読者は無料の個人記事よりも「確実に役立つ」「専門性の高い」コンテンツを求める傾向が強まる。これにより、単なる日記や雑記といった個人的な発信は、note社の収益化の面で不利になり、淘汰されていく可能性が高い。また、情報の正確性や専門知識の深さが求められることで、個人が気軽に投稿していたコンテンツは徐々に競争の激しい市場へと変化していくだろう。実は本当に大切だったのは個人の素直で気軽な投稿だったかもしれないとしても。

結論:noteの未来と情報商材市場の行方

noteは、今後ますます「情報商材市場」としての性格を強めていくだろう。情報商材の歴史を振り返ると、その市場には常に「役立つ情報」と「誇大広告」が共存していた。noteがどちらの方向へ進むのかは、プラットフォームの運営方針や規制次第で大きく変わる

最終的に、読者や購入者がどのように情報を選択するのかが、noteの未来を左右する重要な要素となるだろう。

少なくとも、私のこのような記事よりも、ロト6や競馬予想の有料記事の方がnote社にとって有益であるし、門外漢による国際情勢解説だの、ダイエット経験の無いものによる「2ヶ月で14キロ痩せた方法」だのの有料記事の方がnoteにとってはプラスなのである。

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