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同人サークル活動での本当にあった怖い話(実体験)36.差別

さて、年末年始の仕事やら文学フリマの原稿やら顔面麻痺の再発やらで、すっかり更新が滞って申し訳ありません。


お待ち頂いた分、思い出すのも胸糞な怖い話を書きました(何)

今回に比べたら全然怖くない迄ある前回の話「同人サークル活動での本当にあった怖い話(実体験)35.お付き合い」はこちら。





差別されてきた話

この話は私が過去何度もあちこちで話してきた事があるので「あの話か……」と聞いた事ある人もいるかもですが、私はその昔、親子ほど歳が離れた歳上男性オタクから何ヶ月にも渡り粘着的な嫌がらせをされた事があります。



本当に今思い出しても嫌で嫌でと言うか、それを通り越して呆れてうんざりさせられて、冷めきってしまった思い出なのですが、この話も一度ちゃんと書かないとなあとなっていたので、今回同人サークル活動での本当にあった怖い話にて書く事にしました。
書きながら恨み節が出てきてしてしまったので、できる限りサクサクと読めるように省略したのですが、私の恨み節が随所にでてきているのはご容赦下さい(何)




インターネット全盛期

あれは私がまだ学生だった頃。
当時インターネット全盛期で、PCの通信がダイアルアップなテレホタイムから徐々に固定回線、そこから更に出たばかりの光回線に切り替わった頃の話です。



その頃は同人活動をするとなると、個人ホームページを開設している人が殆という程の主流で、自分でHTMLを叩き、タグをあれこれいじり、イラストや小説を書いては載せ、BBS(交流掲示板)やチャットに日記サービスなどをレンタルしてはHPに設置して、仲良しの自ジャンルの人たちとHPのLink(URL)をかわいいバナーと紹介文付きで載せ合い、色んな人と交流していました。



かくいう私も今はなきge〇citiesやら、魔法の□らんどなどを駆使して、それはそれは手を変え品を変えインターネット全盛期におけるオタク活動をあれこれと嗜みました。

後そう行った同人サークル活動用のHPが盛んな時期と並行して、FLASH動画が流行りだし、そこから今に至たる迄存在するニコニコ動画のサービスが始まり、光回線の流行りを受けて、本当にあれがインターネット大全盛期だったわけです。

みんなあの当時のオタクは全員ニコニコ動画を見ていた(多少に誇張はある)




それはとあるオールジャンルイベントのオフ会

まあそのような時代でも、みんなアナログに本を作り、イベントに参加するのは今も変わらず、私は当時色々ありまして、イベントでの自サークルでの参加は控えていましたが、手伝いで売り子をしたり、買い子をしたり、コスプレしたりでの参加は続けていました。

サークルがなくても推しジャンルはありますので、身内はいるので付き合いもあり、イベント参加は普通に続けていました。



そんな感じで身内や身内経由で知り合った人との交流は盛んでしたから、イベント後のオフ会(いわゆるアフター)にも参加していました。

今回話すのは、そこで一緒になった知り合いの知り合いみたいな男性、Aさんについてです。


そのオフ会(アフター)は主催がコスプレされている方だったので顔も広く、サークル参加者、コスプレイヤー、一般参加が入り乱れて、場所も今はなき大阪の難〇にある〇〇ザに入ってたこじゃれたラウンジ的な居酒屋貸切で、それは盛大なオフ会でした。

居抜きで広い店内なので、百は行きませんが、何十人かいたんじゃないでしょうか。

正直身内以外誰が誰だかでしたが、2ちゃんねる(現5ちゃんねる)のオフ会にも参加する方だったので、知り合いの知り合い程度のオフ会は慣れていたので気にしませんでした。



そんな感じの参加者の中で、創作されている人なのか、コスプレイヤーなのか、カメラさんなのかは定かでないのですが、まあオフ会にきた大勢の中の一人として、お互いに流れで名乗って挨拶をしただけの人でした。

年の頃はかなり歳上の、今の私よりも歳上の人でした。

学生の私と比べても親子程年が離れた、オタク男性でした。


それくらいの距離感で会ったAさんですが、揉めたと言うか粘着されたきっかけか、当時めちゃくちゃ流行っていたアニメがあったのですが、そのアニメ作品に対してAさんが「物申す」って感じで、めちゃくちゃ批判をしだしたんですよね。



流行りのアニメで、そのオフ会参加者は大半がそのアニメ作品を見ていて、何なら覇権だったので好きな訳です。

それなのに、周りの目を気にせず批判をしまくるわけです。


見ていて「よくある面倒臭いオタク仕草」となったのですが、如何せん参加者の中でも年齢が高く、何よりいかつめの、面倒臭いオタクムーブを現在進行形でされている男性だったので、周りの参加者(ほぼ二十代、十代の女性)は何も言えず、遠巻きで苦笑いするばかりでした。


そして誰も何も口を挟まないを良い事に、段々とエスカレートしていくAさんのアニメ作品への批判。

しかしアニメ作品への批判だけなら個人の好き嫌いを語ってるだけとして、まあウザいながらもギリ許容できなくはないのですが、自分の嫌いなアニメ作品に対して、いかに嫌いかと言う感じではなく、いかに駄目かと言う感じでひたすら批判を述べた後に、興が乗ったのか、今度は批判するアニメ作品のファンを指して「こんな作品をもてはやすやつはバカだ!」と批判しだしました。

流石にここ迄だと、聞いてて気持ちがよくない。

と言うか不愉快です。
何なら今日のイベントでも、そのアニメ作品で参加された人(主に女性)がこの場に多数いる訳です。

そして当時私は若かった。
何ていうかこう、よせばいいのに義憤にかられました。

そしてAさんに対して行き過ぎだと感じたので、本当に今考えてもよせばよかったのですが、私はAさんに声をかけました。




私「まあAさんがどう思われるかはともかく、そのアニメを好きな人もいますから……」




そう私が言ったが最後、そこからAさんは私の方をギロリと睨みまして、席から立ち上がると私の隣にやってきて「お前何言ってるんだ?!」と説教を始めました。

いや、説教なんて言い方よくないですね、勝手な持論での暴言を開始した訳です。

いや本当に意味がわかりませんが、ロックオンして怒鳴り散らす勢いで暴言を喚きだしたんですよね。



もう何ていうか、初対面の歳下(親子程離れている)の私に対して「お前は何も分かっていない!」とか言うんですよ。

いやまず、初対面の相手に対して、初手「お前」は意味不明ですし「大声で怒鳴る」のなんて以ての外です。

私の発言が気に障ったにしろ、そう言う「怒鳴る」「威嚇する」は暴力です。



もう今の私なら、長年修羅の国渡り歩いてきた経験があるので、携帯電話で110番へのダイヤルをセットしつつ「逆にあなたは何をおわかりなのでしょうか?」と時間を稼ぐべく返すんですが、当時学生な私はもうびっくりして( °д°)ポカーンとしてしまいました。


人間理解できなさすぎると、恐怖が麻痺して呆気にとられてるのかなあと今なら思います(自己防衛本能らしいですよ?)




さておき、標的を定めたAさんの暴言は止まりません。

かなり胸糞なので詳細は割愛しますが、取りまとめると「女の癖に!(男尊女卑)」とか「子どもが生意気だ!(一応学生でしたが成人は迎えていたのですが)」とか「そもそも腐女子如きに作品の何がわかる(特定の属性への偏見と差別)」とか、「人に意見するとは頭がおかしい!(人格批判)」とか、男尊女卑と人格批判と偏見と差別オンパレードをかまされました。




ちょっとここで小咄。

私が同人活動し初めてた時代は、まさに時代として過渡期でした。

何が過渡期かといいますと、その当時は女性で、若くて、オタクで、腐女子でと言った属性を持って同人活動していると、その属性だけで大なり小なり批判や差別を受けた時代でした。


差別って言うと大事に聞こえるかもですが、本当にオタク、そして腐女子って、今でこそ確固たる社会的認知や地位を得ていますが、当時はオタクは落後者や犯罪者予備軍のように扱われていました。
更にはオタクの中でも何故か「腐女子」はカースト最下層として扱われる属性でしてた。
つまり「腐女子」は一般人どころか、同じオタクからも、男女問わず批判や差別をされる対象でした。
私自身、公然と「腐女子キモ」とか「腐女子嫌い」とか言われてました。
そして何か「まあそうだよね」とその発言が周囲から受け入れられていました。

いやまあ、好き嫌いは良いんですが、口に出しても許される空気感だったんですよね、当時は。


まあ最初期の頃と違って、このAさんとの事があった時期は、流石にもう面と向かってどうこうされる言われるは少なくなってきていましたが、「腐女子」って知られると、決定的な事は言わないにしろ「ああ(嘲笑)」って見下されるか、嘲笑われる事が普通でした。

何ていうか、オタクの地位が低いせいもあり、更にそのオタクの中でも蔑んだり見下したりできるターゲットとして、「腐女子」は男女オタクともにちょうど良かったのかなあって、今なら思います。
私が「腐女子」だったから当事者として体験したのもありましたが、これ以外にも分かりやすい話だと、自ジャンルの新規さんを「ニワカがwww」と言って知識マウント取って馬鹿にしたりするような、もしくは「女に〇〇が理解できるか」って男尊女卑とか、そう言う流れをくむ差別文化の延長としてあったんですよね。

例えば、私みたいに親公認で同人サークル活動しているって基本稀で、「そんなバカみたいな事(オタク活動)早く卒業しなさい!(辞めなさい)」と親から反対されているってオタクや腐女子が大半でした。
身近な話だと私の親父様がこれ(親からオタク活動を否定されて抑圧されて育った)でした。

学校でも「〇〇ってアニメが好きで見ている」等とオタクじゃない人に話したりすると「まだアニメとか見てるの?www」と悪気なく笑われます。

だから私や私の周りでは、腐女子である事や、何ならオタクである事すら、親兄弟、友だちにもひた隠しする人がいたくらいの時代でした。

そんな差別されてきた時代から何年もかけて、徐々に、本当に徐々に年月をかけて表立った差別や批判、蔑まれる事がなくなり、過ごしやすくなってきたのが今の時代なのですが、当時はまだ根強い腐女子やオタクに対する差別が残っていた訳です。

だから前述のAさんのように「腐女子如きが意見しやがって」って人は大なり小なり公然といました。

そしてそれが「笑い話」「武勇伝」として許される風潮がありました。
まあ差別される側はたまったもんじゃないですけどね。





話をAさんの暴言に戻します。

小咄の通り、腐女子に対して批判的な人がいる時代だったのですが、だからといってここ迄面と向かって上から目線で男尊女卑や暴言や人格批判や始める人がいるのは、その当時にしても稀だったんですけどね。


お陰でただただ呆気にとられたわけですが、楽しいオフ会で延々と親子程の年の離れた男性に粘着説教されるのも面倒なので、早々に「はいはいわかりましたすみません」とお話を遮って、私が席を立って移動しました(逃げました)。


ところだどっこい、粘着Aさんは「話は終わってない!」と席を立った私を追ってくるんですよね。


流石にその辺りで、呆気にとられたのが「怖っ」と恐怖に変わりました。

しかしこちらも歳の割に慣れたもので、一緒にオフ会にきていた友だち(男性と女性何人か)に声をかけて、適宜間に入って貰って「まあまあまあ」とAさんを抑えて貰いつつ、距離を取りました。



今はもう大阪から東京の荒川区に移住して十年以上、あの時の現場にいた大阪の友だちは殆ど没交渉になってしまったが、本当にあの時はありがとうございました。



さておき、流石に複数人の男女から宥められたAさんも「そこまで言うならもういいわ!」と吐き捨てるように言って、ブツブツと文句を言いつつ違う席について落ち着いたかに見えた。

しかしどうでしょう、ちらりと様子を伺うと、ずっと私の方に睨んでいるんですよね。



「うわー面倒くさー、そんなに批判演説を止めたのが癪に障ったのか」と、大人げないというかヤバすぎだわとなりつつ、でもまあ睨まれるくらいなら無視すればいいとなり、怒鳴られた事を忘れて私はその後のオフ会を半ば無理やり楽しみ、そして解散しました。



そんな感じで「何か変な人に絡まれたけれど、まあ無事でよかったね」と私の中で、Aさんとの事はオフ会とともに終わりました。

そう、終わりだと思ったんですよ。


はい、もちろん続きがあります。





その後の長い話

そのオフ会から何日後か、私のHPのBBSやチャットが荒らされるようになりました。

荒らされるとは、本当に文字通り荒らされると言うやつでして、BBSは「悪口」や「暴言」や「気分が悪くなる画像」を投稿されたり、チャットは「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」とかの簡単な文字で表示できる履歴を埋め尽くされたり、会話してる人がいるタイミングだと会話に割り込んで邪魔してきたり、まあやりたい放題されました。




まあ誰にって、お察しの通りAさんからなんですけどね。




この状態になってから、私もあれこれ確認したのですが、オフ会の後にあちこちに私の事(名前とか、サークルしてるのかとか)を聞き回って、私のHPを突き止めたんですね。

まあ、相互リンク貼ってますから、名前がわかった段階で、主催の方から辿れば辿り着きますよね。




本当に無駄な執着を発揮しないで欲しいものです。



細かい事に、わからないように投稿毎にIPアドレスかえてたので、職場だったり、ネカフェだったりで使い分けてるのか知りませんが、面倒な事この上なかったです。

私の方も使っていたBBSやチャットサービスを変えて拒否できないかとあれこれ試したりしましたが、当時そこまで無料レンタルサービスに技術がなかったのもあり、荒らしと対策とでいたちごっこがそれこそ数ヶ月の間続きました。
何と言う無駄な執着。


最初こそHP利用して交流していた人達と、どうにかならないかと一丸となって対策頑張っていたのですが、本当にAさんの私に嫌がらせをしてやろうという湿度と粘度と無駄な労力に裂ける比率が半端なくて、早々に面倒くさくなりました。

有り体にいいますと、そこ迄してHPを存続される意味が見出せなくなりました。


これ本当は荒らしに屈した感じになるのでよくないんですけど、ちょうど私は同人サークル活動をしていなかったですし、当時はHP上で主に同じ学校の先輩たちとしかやりとりしてなかったのと、それ以外の交流ある人ともオフ会などをしている間柄で連落先(メアドや電話番号)がわかるので、HPがなくなってもオフでやりとりできる人達しかいないし、ログは全部ローカル環境に残っているから困らないなってなり、割り切りました。



まあ心底疲れたってのがあるんですけどね。


その後の話としては落ちもなく、AさんとはHPを消し、そのジャンルではHPを二度と作りませんでしたから、嫌がらせを受ける事はなくなりました。

そのジャンルへの熱意もなくなって、暫くイベントにも一般ですら行かなくなったので、会う事はなくなりました。


その後何年かたって、別のジャンルにハマった際にやっぱり作品を公開したいって欲求があったのでHPを作った事はありましたが、何年たったとしても万が一があると思い、用心して名前を変えたりして対策しました。



なのでこのAさんの件はこれでおしまいです。

胸糞の極み!




最後に

これ、前述した小咄の通りなんですが、この粘度嫌がらせ体験は私だけの特別な体験ではなく、ヤバさの大なり小なりはありますが、当時はありふれた、本当によくある出来事でした。


当時、私達(主語デカ)はたやすく嫌がらせを受けていました。

本当にそんな時代だったのです。


今も当時もこういう嫌がらせ行為は許されない事だと思いますが、本当に親子程の歳が離れた男性から「こいつには嫌がらせしてもいい」って感じでささいなきっかけで嫌がらせをされて、たやすく自分の楽しみを邪魔されるんですよ。


楽しかった事が楽しめなくなります。

本当に、一定の嫌がらせを受けると、心が疲れて冷めきるんですよね。



今ならブロック機能やミュート機能を多用したり、運営に通報したり、開示請求したり、たくさんやれる対策があるんですが、当時のインターネット全盛期は本当に無法地帯でした。

対策できる所ももちろんあったでしょうが、無料サービスでできる対策なんて殆どなくて、大概が被害者側が泣き寝入りでした。


何で今、こんなにブロックやミュート機能がたくさんあるのか。

それはそれが必要な時代があったから、実装されるに至った訳なんですよね。





話変わりますが、たまにこの嫌がらせを受けていた話をするとですね、同世代や私より歳上の女性からは「あーあったよね!」って同意を頂けて、何ならお互いに当時受けた嫌がらせエピソード披露になり「大変だったねぇ」とお互いに語り合う迄いきます。


しかしこれ、年齢層問わず男性に話すとですね。
本当に世代問わず「そんな事あった???」と大概の男性がおっしゃるんですよ。

何なら「聖龍さんだけじゃない?」って確認もされるんですよね。
そして具体的なジャンルの話を上げても「え?あのアニメ作品(前述のAさんがめちゃくちゃ批判してた作品)はみんな昔から大好きだったじゃん!」とおっしゃるんですよね。


いやあ、ニコニコ動画であのアニメの動画流れる度にめちゃくちゃコメントが荒れたのを、記憶にないのですか?と言うね。



もちろん、私も十把一絡げで統計を取っている訳ではないですし、最近ではたまにSNS上で「昔こう厄介オタクがいて女性に対して嫌がらせをしていた」って投稿される男性を見かけたりもしたので、全員が全員認知していないとは思っていません。

しかし本当にみなさん、私達(クソデカ主語)が嫌がらせや差別を受けていた事を知らない(わからない)んですよね。

もしくは現場をみていても、関係ないありふれた日常だったから、記憶に残らなかったのかなってなりました。



本当に立場の差、そして語られない歴史なんですよね。

まあ、差別の歴史って大体がそんなもんなんですよね。

でも確かにそこにあった事実なんですよ。
という、何とも胸糞悪い怖い話でした。


次も続けて初対面で怒鳴ってくる人の怖い話を書きました。 
次の話は「同人サークル活動での本当にあった怖い話(実体験)37.舐められてはいけない」こちらです。

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聖龍@どや乳 次回5/11文学フリマ東京40参加
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