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【寄稿】休業中の店に店長が女性を連れ込んで女性から密告電話があった話【親友①のこぼれ話3】

この話は「【寄稿】4年勤めた会社が乗っ取られて解雇された私の話【親友①の話】」のこぼれ話の第三弾です。
親友①がいいねやコメントを貰ったのを受けて、感謝と使命感にかられて書いてくれました。

こちらは前回の直接の続きになります。
前回のこぼれ話が未読の方は先にこちらをご覧ください。


なお、大元となっている本編はこちら。



~ 調査・処分編 ~

天井を見ていても解決しない。
私は外出から戻った社長に経緯を話し、今後どう調査するのかを相談した。しぶしぶである。


とりあえず事実確認だ。


こちらが連絡すると女性はすぐにやり取りのスクショをくれた。
ページ数が多い。
軽く100ページを超える。
2人が利用していたアプリは独身証明書が必要な婚活アプリほど厳しくないが、遊び相手を探す物ほど軽い物でもなく、最終目標は結婚だがとりあえず沢山の人に会ってみましょう的な物だった。
なので独身前提である。

生々しい2人のやり取りをゲッソリしながら確認し、店長が付き合っている人はいないと言っていること、
(確かに付き合っている人はいない。結婚しているけど)

店に行こうと誘っていることは確認できた。
(休業中とは言っていない)

しかも割と結婚には前向きな感じのことも言っていて、こいつクズだなぁとしみじみ思ったりもした。


まぁそんな感じで心の中で突っ込みを入れつつ全て目を通した。
いい歳した赤の他人のイチャイチャ話ツライ。

店長は10歳ほどサバを読んでいた。
件の名刺も写真を貰ったが肩書が「一級建築士」だった。



な  ん  で  だ  よ  !!!!!!



一級建築士は受験するためには建築に関する学歴又は資格が必要だ。
大学中退で飲食店での勤務経験しかない彼には取得できない資格である。

そもそも飲食店店長の何が悪いのだ。
評価されて店長をやっているのだからそのままでいいじゃないか。

だいたい何で建築士だったのか。
響きがカッコイイからか?
世の中の一級建築士に謝って欲しい。



私が興味のない男女の駆け引きを読んでいるのと並行して、社長が現地に行って話をするために本人に連絡した。




その電話があったのは金曜日だったのだが、翌日の土曜日に店に行くので来るように伝えると、その日は用事があるから日曜日にして欲しいと言う。

確かに店は休業中だがシフトで言えば本来は出勤日だが……?というか、社長が行くと言っているのに……?と私は思ったが社長は優しいので日曜日で良いと言っていた。

人事として頭が固いのよくない。
私は反省した。



次は監視カメラのチェックだ。

ビルとの契約の関係で店内はレジ横にしかカメラがないが、店の入口にはビルが管理している監視カメラがついていた。
〇〇店にいった社長がビルの管理会社から貰ってきた映像を確認すると、まさかの事態が発覚する。


その土曜日夕方に別の女性を連れ込んでいる。


土曜日の用事ってこれかよ!!!社長より女と遊ぶことを優先したのか?!?!
と胸ぐらをつかんで揺さぶってやりたかった。

そんな気持ちで2カ月分チェックするとトータルで8人連れ込んでいる。
いや。多くないか??

そりゃ密告してきた女性も手馴れていたって言うわ。


とりあえず社長に報告すると、社長も呆れ顔だ。

日曜日の話し合いでは、密告電話のことは言わず、営業していないのに棚卸しの食材や酒の数量が減っている。
何か理由があるのか。
店長は普段店に来て何をやっているのかなどを問うたらしい。


①食材や酒は営業していない間に劣化したものを廃棄したり、店の片付けを手伝ってくれたバイトに賄いで出した。

②営業している時にはなかなかできなかった部分の掃除や新しいメニューの開発をしている。


とのことだったが、私がまず思ったのは、バイトにタダ働きさせたんか?!である。

慌てて本人に連絡を取ったところ、店が営業していた時の話だった。
ちゃんと給料は払われていた。
安心した。



監視カメラの映像からその回答が嘘であることが分かったので、本人を本社に呼び出して弁明の機会を与えることにした。

これは最終的な処分に懲戒解雇の可能性があることを考えると必要だった。現在の法律は基本的に労働者の権利が厳重に守られているので、何かやらかしたからと言ってすぐに解雇することはできない。
本人にかならず弁明の機会を与えなくてはならないのだ。

その上で改善が見込めないだとか、会社に大きな損害を与えたという事があって初めて解雇できる。
念のため顧問社労士が同席できる日を選んで呼び出した。



私がスクショを貰っていること伏せて話をした。

女性から電話があったこと、店長に不誠実なことをされたと言っていることを伝えて事実かどうか確認した。

店長曰く事実でないらしい。


①女性は店のお客さんで何回か来店したことがある。
②その時にナンパされしつこいので何度か食事にいった。
③結婚を迫られたので返事をしなかった。
④女性の友達から連絡があり慰謝料を払えと言われたので、それで縁が切れるならと思って振り込んだ。
⑤それからはブロックしているので知らない


①~③までは事前調査と一致しないのですぐ嘘だと分かるが、息するように嘘つくやん??
④は女性から聞いていないから判断がつかないね??

連絡手段はLINEだったというので見せてくれるよう頼むが、ブロックしているからもう見れない。
過去の履歴も消してしまって見せられないという。

しかし当時は消したLINEののトーク画面を復元する術があったので、それを提案しても拒否。
結局、店長からは何一つ自身の証言を裏付ける証拠は出てこなかった。

どうしたもんかと思っていると同席していた社労士が口を開いた。


「とりあえず警察に行きましょう。恐喝です。それ。
本社に電話がかかってきてこうして調査に時間を取っている以上、それが事実なら逆にこちらから訴えることができますよ」


確かに!!

証拠は出てこないがそれが事実なら恐喝だ。
詳細が分からなくても振り込んだのであれば銀行の履歴から調べることもできる。

店長はもう負ったことだからそこまでは必要ないと主張していたが、社長の「会社が巻き込まれている以上、お前だけの問題ではない」の一言で黙った。
慰謝料として10万程度払ったのが返って来るかもしれないのに拒否する時点で怪しい。

〇〇店の管轄の警察に行かなくては行けないが、それは社長が店舗担当の部長に連絡して同席させるということで二日後に警察に行くことになり、弁明の機会という名の事情聴取は終わった。



念のため女性に連絡して慰謝料請求の事実を確認する。

請求してた。
教えておいて欲しい(切実)

厳密に言うと女性ではなく、店長が既婚者だと知っていた友人が女性に連絡させようと、このまま返事がないなら慰謝料を請求する。とLINEしたそうだ。

ただ具体的な金額や口座情報などは連絡していないので払われていない。
当然そのスクショも貰った。



さて件の警察に行く日だが、なんやかんやあって結局いかなかったらしい。なんやかんやは共有されていない。

店長は一向に認めなかったが、会社としては証拠がある女性の方を信用することになった。
最終的に物をいうのは証拠である。



会社の方針がきまったところで【弁明の機会再び】である。
社長は私が女性と連絡を取ることができることを伝えず店長に確認した。

「これが最後の機会だけど、今回の件に関して何かいうことはないか?」

嘘をついていたことを白状する最後のタイミングだ。

「何もありません。むしろ僕がお金を取られた被害者です」

そう言い切った店長を見て社長は残念そうに告げた。

「分かった。前回の不正と今回のこのトラブルでは店長を続けさせられない。
とりあえず、本社の目が届く大阪の▼▼店に異動。
もしそれが嫌なら会社には置いておけない。
よく考えて〇月×日までに返事するように」

前回の不正で会社にそれなりに大きな金額の損害を与えていること
今回の店の食品を横領したこと

この2点で懲戒解雇できたのだが自己都合退職の余地を残したのは、大阪で店長をしていた頃の業績を考慮したらしい。



そして〇月×日。
店長は連絡してこなかった。
時間を区切らなかったからと社長は1日待った。

次の日も午前中は待った。
電話もメールもなかった。

午後になり悲しそうな顔をした社長が電話をすると、店長はあっさりと退職すると言った。

しかも有給休暇を使うという。
私はその図太い神経にドン引きしたが、社長は労働者の権利だから……と。
そうして有給休暇を40日きっちり使って退職していった。


女性には私から連絡をした。
細かいことは言わない。

私「結論としましては、□□は退職となりました。
この度は弊社従業員が不快な思いをさせてしまい大変申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます」

女「正直に言えば、ここまできちんと調査して進捗も連絡してくれるとは思っていませんでした。
今回の件は、会社は悪くないのに巻き込んでしまいこちらこそすみません。お店が再開したら、友達と伺います」

女性はそう優しい言葉をかけてくれた。
残念ながらお店は再開することなく閉店となったが、彼女には幸せになって貰いたい。

皆もマッチングアプリの独身詐欺には気を付けて欲しい。
あと、遊ぶなら綺麗に遊んで欲しい。

私との約束だぞ。

頼んだからな!!!


次のこぼれ話はこちら!


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