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『雪山の絆』
今年に入って手に取る小説や映像が「生きる」というテーマ性をもって
私の手の中に流れ込んでくるようだ
1972年、45人の客が乗った飛行機が機長のミスによりアンデス山脈に墜落
乗客45名のうち生存者は29名そして生還者が16名 ラグビーチームたちの実話である
極寒の雪山で72日間、生還者16人は、一体どのようにして生きたのか
学生たちは、全員がカトリック信者であり教養のある若者で
ラグビーを愛す健全な体力のある若者だった
72日間生きた根源はここにあったのではとわたしは推測する
聖書にワインが「キリストの血」パンが「キリストの体」信者達はそれを生命維持の糧とする
もし自分が殺されたら、ほかの人々が生きのびるために自分の身体が使われることを誇りに思うだろう
彼らの生存意志は肉体によって我々に受け継がれた。
『人はパンだけで生きるわけではない』
「友のために命をささげるほど偉大な愛はない」このメモが生存者たちが手にしたときは涙があふれ出た
「私たちは互いに遺体を捧げたのです。死んでしまったとしても、他の人の命を助けることができる。私たちの行いは素晴らしいことでした」と言う
彼らカトリック信者は、人肉はキリストの体だと
キリストは生きるためにそれは必要な権利だと言わせたのだろうか
食べないと生きられない 食べる恐怖
生きるために食べることを強いられる
泣きながら生きるために食べる
人間としての悪
生きる者たちの善
誰がその定義を決めるのか
過酷な状況の中で精神に狂乱することなく「生きる」を全うできたのは
熱心なカトリック信者だったからであろうか
遭難事故など孤島や交通が遮断された集落で救助が来ないと絶望するとき
取り残されてしまった人々が辿っていく人間の中の悪魔を呼び起こさせる
人間関係の悪化や衝突、疑心暗鬼が当たり前だと思っていた
仲間を支えあい共に生きることだけを考えた彼らは素晴らしい
遭難して20日目太陽の光を体全体で受け止め
「おれたちは生きている」「まだ生きている」澄み切ったアンデスの山に
希望の叫びを叫んだ描写はとても胸を熱くした
早く72日目にならないかと祈るように映画を見た