
夢は島根の子供たちと海外の懸け橋になる学校の先生になること
「やりたいことがあるけど人と違う道を歩むことになるし・・」「挑戦したいけど怖い・・」新しいことに挑戦するときに感じる不安。一歩を踏み出すことに足踏みをしてしまう経験は誰しもあるのではないでしょうか。
そんな一歩を軽やかに踏み出し、夢に向かって自分の道を歩む一人の女性を取材をさせていただきました。
大学を休学しドイツ・オーストラリアへの2年間のワーキングホリデー経て先日帰国をした奥村友香子さん。
”ワーホリの経験を地元島根に持ち帰り、
子供と海外の懸け橋になるような
学校の先生になりたい”
いわゆる「みんなと同じ道」ではない2年間の休学をし、海外生活をするという選択をした経緯や背景、そしてこれからの夢についてお話を聴いてみました!
奥村友香子さん
1995年生まれ 島根県出身。京都の大学に進学後、3年生で休学。その間ドイツ・オーストラリアへワーキングホリデーに出る。海外の学校でボランティア・世界各地を旅した後に帰国。2019年復学予定。卒業後は地元島根県で英語教師になるため、勉強に励んでいる。
|『休学』という選択をしてなぜ2年間もワーキングホリデーに?|
-今日はよろしくお願いします!そしてオーストラリアからお帰りなさい!ドイツ・オーストラリアと休学をして2年間行っていたんですもんね...!
奥村:そうですね。ドイツでのワーキングホリデー(以下略ワーホリ)ではドイツの学校に見学に行ったり、せっかくなら周辺の国にも行ってみたいと色んな国を旅しました。
一年間後にいったん帰国して、二度目のワーホリはオーストラリアへ。
大学を卒業したら地元島根に戻って学校の先生になりたいと思っているので、オーストラリアでは小学校で日本語教えるボランティアをしたり、中・高校に見学に行ったり、そんな一年間を過ごしました。
-すごい充実してそうですね...!でも、長期休みで短期留学に行く学生は多くてもなかなか休学をしてワーホリというのは踏み出せないという人も多い気がします。そもそもなぜワーホリに行こうと思ったんですか?
奥村:高校生の時にドイツへ留学をした経験が大きいです。異文化交流といった感じの留学でした。そのとき一番感じたことは、「いかに自分が狭い世界で生きているのか」ということ。「学校」という枠に守られた環境で生きていることに海外生活をして初めて気づきました。
それから大学生になって、また海外に行こうという気持ちはずっとありました。でも、毎日大学に通う生活がなんとなく嫌で(笑)、自分の好きなことをして過ごしたいという気持ちが大きかったです。そこでワーキングホリデーというものがあるのを知りました。当時は自分で図書館とかでも調べてましたね。
-なるほど・・!毎日学校に通うのが嫌でワーホリを探してきたところが面白いですね(笑)でも、2年休学することへの抵抗や悩みや葛藤はなかったですか?
奥村:あ~。今でも友達にはゆかこみたいには行動できない(笑)って言われたり、この選択をしなかったら他の道もあったのかなと思うこともあります。
でも、例えば社会人になってからや定年後に初めて海外に出ていたら何も人生変わらなかっただろうなと思うから、あんまり気にしてないですね(笑)。なんか、他の人が部活動とか学校生活で学ぶことをわたしはたまたまワーホリや旅を通して学んだっていう感覚で、だからそんなに特別な感じはしていないです。
海外ではよくギャップイヤーって言って高校から大学へ進学するときに一・二年好きに世界を旅したりボランティアをしたりいろんな経験をしてから大学生になるんです。それってすごくいいことだなと思っていて、私もそんな感じかなと思ってます(笑)。
|オーストラリアでの日本語教師ボランティアで得たもの|
-確かに、進学も就職もこんなにストレートにする日本の方が世界から見たら珍しいですもんね...じゃあワーホリに行く前と行った後では色々とご自身に変化があったんですね!
奥村:そうですね!変わりました!
卒業後は地元島根で学校の先生になろうと思っているので日本の学校教育とは違う海外の教育文化やシステムを吸収できたことは大きいですね。自分の手持ちのカードが増えたイメージ?(笑)かな、そこでの経験は教師になってから自分ならではのものになってくれそうです。
-具体的に日本の学校とどう違うんですか?
奥村:一言で言うと、オーストラリアの学校は「自分で選択して生きる練習ができる場」だなと思いました。あっちの学校では日本の大学のような授業選択を中学生の時点でするんです。まさに自分で選んで自分で勉強をするという教育スタイル。みんなと同じというわけにはいかない。
だからこそ、子供たちはその授業を受ける理由をきちんと持っている印象を受けました。日本語の授業を取るにでも、「日本が好きだから」とか「日本の漫画に興味を持ったから」などの理由が言えて、ただ授業を受けるというより授業を受けてどうしたいのかという部分を一人一人持っていました。ここは日本の学生と違うところだなと感じましたね。
-なるほど...!学びの目的を持ちやすくなるのは良い教育環境ですね!
奥村:そうなんです。それに、オーストラリアの先生達の教育に対する姿勢も勉強になりました。日本だと、「そのクラスのことはそのクラスの担任の先生が見る」というクラス単位での括りが根強いと思いますが、オーストラリアでは違います。よい指導方法はみんなでシェアしよう。教師全員、学校全体でいい教育を目指そうという印象を強く受けてそこに一番感動しましたね。
だからこそ誰か一人の先生が抱え込んでしまうといったことがない。それに、私が見学に行くと先生達がものすごく手厚くもてなしてくれて。日本だと教育実習生でも煙たがられることもあるくらいなのに(笑)。そういった雰囲気からも学校がすごくオープンだなという印象を受けました!
-目をキラキラさせて話してくれる奥村さんを見ているだけでも良い教育現場なんだなと伝わってきます(笑)日本ではなくそういった海外の学校で働こうとは思わなかったんですか?
奥村:本当に楽しかったです(笑)。もちろんそれは思いました。海外の学校教育をもっと勉強したいなと。でも、今の私は学生で社会に出ていません。だからこそ日本と海外の学校現場を比べて自分の進路を決めるのはまだ早いなと。まずは日本で学校の先生になって、現場を知って、それから海外の学校現場に行くのでも遅くはないかなと思うんです。
周りからは、地元島根で教員をやるのはもったいないと言われたりもしました。でも、島根の子が地元以外の世界を知らずに育つことの方がよっぽどもったいないなって思うんですよね。
|夢は島根の子供たちと海外の懸け橋になる学校の先生になること|
-「私は、英語を教えたいから学校の先生になるわけじゃないんです。」そう語る奥村さんの教師になってからの夢を聴きました。
奥村:島根はすっごく田舎で、私が留学に行くときは「島根から留学生が誕生!」って新聞に載ったくらいなんです!(笑)。東京とかではありえないと思うのですが、島根県民はそれくらい県外に出ることが滅諦にないという証拠ですよね。でも、それって島根の子供たちにとってはすごくもったいないことだなと思うんです。
狭い世界しか知らないまま自分の可能性を閉ざしてほしくない。海外に出れば色んな人がいて色んな生き方がある。その多様な価値観に触れた経験に救われることはこれから先生きていく上でたくさんあると思うんです。
だから私は、英語教師として英語を使って島根の子供たちに広い世界を教えたいと思っています。英語を使ってどんなことができるのか、英語を学ぶとどんな世界が見えるのか、いかに学校が狭い世界なのか、ということを伝えたい。
子供達がただ英語の授業を受けるのではなく、オーストラリアで見てきたように「学んでどうしたいのか」という子供たちにとっての英語を学ぶ目的も育てられたらいいなと思います。
島根の子達は海外なんて遠くてとんでもないと思っているけれど、実はそんなことはなくて。意外と近くにあるんだよと伝えられるのは、2年間のワーホリ経験や海外の学校現場を見てきた私だからできること。
そんな海外との懸け橋になることが自分の使命だと勝手に思ってます(笑)。なので教師は島根でするからこそ意味があると思いますね。大好きな地元ですし!
-すごいなぁ...!そんなビジョンがあるんですね!
奥村:でも、現実はそう甘くはないとも思っているので、夢を持ちつつまずは教員採用試験の合格に向けて頑張ろうと思っています(笑)
|迷うからこそ挑戦し続けられる|
-奥村さんは芯があってブレないタイプのように見えるのですが、何か大切にしていることや軸みたいなものがあったりするんですか?海外生活中に気持ちに迷いが出たりはしなかったんですか?
奥村:もちろんありました!「なんで私これやってるんだろう」って(笑)。だからこそ、その都度立ち止まりましたね。私はノートにマインドマップのような形式で気持ちを書き出していました。そうすることで気持ちが整理されてやりたいことが明確になるんです。
なので、芯があってブレないというより自分の気持ちに迷いがでたらその都度立ち止まって、自分の変化に合わせて軌道修正をしながら進んでいると言ったほうが正しいかもしれません。
何も疑問を持たずにやり過ごしてしまうことが一番怖いことだと思うので、悩んだり迷ったりすることは大事です。
だからこそ挑戦し続けられるし、やりたいことをやり続けるためには必要なことだと思ってます。
*編集後記*
奥村さん(ニックネーム:おかゆ)と出会ったのは、おかゆがドイツにワーホリに行っている最中。旅人育成企画(タビイク)でモロッコに一緒に行ったり、ドイツの家に泊めてもらって観光案内をしてもらったのが最初の出会いでした。
改めて彼女の夢を聴いて思ったことは、他人の声ではなく自分の気持ちに正直に生きることで得られるものは"自分だけ"の大きな財産になるということ。その経験を活かして今度は"誰かのため"に頑張りたいとする姿がとても素敵でした・・!
#取材 #夢 #ワーホリ #旅 #休学 #ドイツ #オーストラリア #教師 #将来 #DreamBridge #夢取材ノート #01