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“ときめき”だけを拾い集めて

自分を知る方法のひとつは、「ときめき」に敏感になることだった。

好みを問われると「まぁまぁ好き」「嫌いじゃない」みたいな、ぼやっとした便利な日本語が口をつくから。それでは自分のことを知ったことにはならない。

心地よく生きていくためには、自分にとっての“心地いい状態”を知っておく必要があって。それはまるで、ちょっとした理科の実験。顕微鏡を覗くように、ズームにしたり明かりを調整してピントを合わせたり......自分をじっくり観察する。

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未来という名の死に向かって歩く最中は、拾ったり捨てたりの連続だ。落ちているモノや見える景色すべてを手にすることはできないし、いつまでもポケットにしまっておくことも名前を書いて飾っておくことも、できない。

人はいつか死んで、死んだら灰になる。

どんなに波乱万丈な人生を送って、多くのことを成し遂げても。恥ずかしい失敗をしてもう死んでしまいたいと泣き明かした夜や、それを乗り越え、きらきらとした眩しい朝を迎えた日のみずみずしさまでも。


驚くことに、待っている人間の最期の形は「灰だけ」だ。


すっと自分の指を眺める。これ、なくなっちゃうんだ。いつか、わたしが感じる感情や言葉や足音は、跡形もなくなくなってしまうんだ。

そう思うと悲しくなって、死になくないなぁと呑気に思った。


時間に限りがあるわたしのこの指。髪の毛、腕、足、心臓。


好きなことに、使いたい。

決めてしまえば、あとは望みに沿った選択をしていくだけ。自分が好きなことを知るには、頭ではなく心で感じることが一番だから。今日もわたしは「ときめき」に耳をそばだて、目を凝らして生きていく。

今回の人生、ときめきだけを拾い集めて。

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