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夕暮れ、宛名のない手紙

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「同じ」テーマで「ちがう」風景を、綴る。共通のお題を決め、それに沿った文章を自由に展開していく形式で更新する共同マガジンです。運営者はライター・編集アシスタント貝津美里と、ライフ…
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#とは

夜更かしは悪いもんじゃない

夜更かしは悪いもんじゃない

もうこんな時間だ…

時計の針を少し睨みながらも、針の音が聞こえる静けさに、心の中で少し小躍りしている自分がいる。

日中は太陽の光が眩しい。「活動的でないといけない」という罪悪感に襲われて、強がってしまう。スピード感だって、周りに合わせなきゃいけない気がしてくる。

そんな心を慰めてくれるのが、夜の時間。

メッセージ通知でチカチカしていたスマートフォンが大人しくなる。
静けさと暗がりが、「自分

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見つからないとわかっているのに。--眠れない深夜--

見つからないとわかっているのに。--眠れない深夜--

「今日はあまりいい日ではなかった」

朝、目が覚めた時から気分は冴えなかった。昨晩から降りしきる雨は止むことを知らず、曇天と湿気が世界を包む。「気圧が低いから、頭が痛い...」を言い訳にして、仕事を休むことができたらどれだけ楽だろう。

ただでさえ気分が晴れないのに、こんな時に限って「あ、やり忘れてた仕事があった....」「今日めちゃ忙しい日やん.....辛い...」と起こってほしくないことが続く

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浮かれ、憎しみ、惜しむ。--夏の終わり--

浮かれ、憎しみ、惜しむ。--夏の終わり--

夏の終わりに、想う。

夏は、私たちが浮かれることを許してくれる。

「せっかくの機会だし」と 友達と水着をもって、遠くの海にまで出かけた。水平線に浮かぶ夕日の残像は、今でも忘れられない。

長い休みを使って、海外旅行に出かけた。忙しない日常から逃れて、楽しく 心地よい、終わってほしくない非日常に溺れていく。

浴衣に着替えて、いつもより2割増しの容姿の人が集い、夏の風物詩が打ち上がるのを見届ける

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