舞い上がるしかない社会を
今,とても落ち込んでいる。
こんなことを言うと事情を知っている人をもっと心配にさせて,事情を知らない人を不安にさせると思うのだけれども,大丈夫。落ち込んでいるけど,たくさんの人やことに励まされてもいるから。・・・中でも先日ムスメ氏と観に行った「メリーポピンズリターンズ」は,最高だったのでみんな観て!ファンタジーの力,偉大!!てか,メリーポピンズ私のとこにも来て欲しい。・・・と思うぐらいには弱っている。
メリーポピンズは大人も子どもも解放していくんだけど,一番ぐっときたのはやっぱりラスト。風船売りのおばあさんに「自分に合った風船を選びなさい」って促されて風船を手にすると,みんな空に舞い上がっていく。「舞い上がるしかない」という曲にのって。ふわふわ,のびのび,空でみんなとっても気持ちよさそう。それを観ながら思うわけだ,みんなそれぞれ自分に合った風船があるよねって。自分に合った風船さえ選べば,気持ちよく舞い上がれるんだよなぁって思ったら,ぶわっと涙がにじんだ。
今の社会をみていると,風船を選ばせてくれないとか当たり前だし,なんなら「自分に合った風船?何言ってるの?みんな一緒だよ。」くらいの大嘘をつかれることだってある。自分に合わない風船を持たされて,「何で舞い上がらないの?」って言われたり。理想の風船をめぐって奪い合い,地上で足を引っ張り合って舞い上がれなかったりとか。誰にとっても理想の風船,なんてないんだよ。そこにあるのは,自分の風船か,人の風船なんだ。人の風船なんか,何の役にも立たない。舞い上がるためにはね。でも今の世の中,そもそも舞い上がりたくない人たちだらけなのか?
なんなん?この状況?
って思うけど,結局そんなのは自分を含んでこそ成り立っているわけで。
他人事じゃない。ごめんなさい,と思う。
でも一方で,やっぱり自分に合った風船はあるし,それを手に取ることもできると信じたい。舞い上がるしかない。Nowhere to go but up!(訳が秀逸だなぁ)
どこの地獄だ?と思うことの多い中で,本当に,本当に心から救われる思いがするのは,未来を担う子どもたちの現状を憂いて,「何かできることをしたい」と思っている人たちが,すごくたくさんいるのだということ。身近にも想像以上にたくさんいるということを最近知ったし,きっと潜在的に同じ思いを共有している人たちも大勢いるのだと思う。
自分の風船を手に取って,ふわふわと舞い上がれる社会を。
メリーポピンズがいる社会を。
オルタナティブな場所を。
お花畑脳が夢想しているけど,
それはきっと私だけじゃない,と思っている。