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答えはいつも「私」が知っている。カナダのヒッピータウン、Nelsonまでの道のり

バンクーバーにて

バンクーバーに到着したものの、この広いカナダでこれからどこに住むかまったく決めていなかった私たちアラサー夫婦。

しかも日本から予約してあったホステルは到着から3泊分だけだったので(THE.無計画)、最初の一週間は毎日インターネットで宿泊場所を探しまわって、大きな荷物を引きずりながらバンクーバー周辺の安いホテルをただ点々とする日々でした。

時折見かけるガラの悪そうなストリートピープルや、街に鳴り響くパトカーの音におびえながら…。

この時はバンクーバーアイランドやソルトスプリング島に渡ることも視野に入れていましたが、ある日泊まった「アメリカンバックパッカーズホステル」という知ってる人は知っている超安宿で出会ったお兄さんが、「オカナガンに行くのはどうだい?フルーツピッキングの仕事があるよ」とアドバイスしてくれました。

ちなみにこのアメリカンバックパッカーズホステルは、泊まっている人たちはフレンドリーではありましたが、廊下には呑んだくれた人たちが倒れていて、キッチンの排水溝はつまり放題、二段ベッドの布団は髪の毛地獄、南京虫注意のサインが貼ってある、かなりのカオス宿。

かろうじて自炊をやり遂げだ日本人の私たちが、氣合いを入れ直してシンクに山積みになったお皿の皿洗いをしていると、さっきまで騒いでいた人たちの数人が声をかけてくれて手伝ってくれました。

ここは確かに海外。日本とは違います。

けれど、ちゃんと心は伝わるのです。

オカナガンバレーのKelownaへ

お兄さんのアドバイスを受けて、バンクーバーからの長距離バスを予約し、早速オカナガンへと行ってみることにしました。

到着したのは、カナダ国内でも温暖な氣候で、フルーツピッキングバイトで有名なオカナガンバレーにあるKelowna(ケローナ)という街。

街には交通量の多い幹線道路があって、車も多く、バンクーバーほどではありませんが田舎好きの私たちからしたらそれなりに都会に感じました。

ここでもホステルに数泊したのですが、お金に余裕もなかったので、フルーツピッキングでなくてもとりあえず早く働きたい!という氣持ちが募り、バンクーバーでお会いした日本の友人の友人から紹介してもらったジャパニーズレストランに二人で面接に行ってみることに。結果、有り難くすんなりと採用となりました。

働く場所が決まった。あとは住む場所を決めるだけ。

けれどその夜、若者たちが騒ぐホステルを出て、自炊のためスーパーマーケットへ行くと、そこで夫婦喧嘩勃発。

理由がしょうもなすぎてもうはっきりと覚えてないのですが、晩ごはんに何を食べるか?何を買うか?で揉めた氣がします笑。周りの人たちが日本語わからなくて本当によかった!と思うくらい、大人げない内容でした。

なんで私たち、こんな些細なことで喧嘩してるんだろう?

外に出ると、夜の街にはたくさんの車が走る騒音。

バンクーバーに着いてから2週間弱。私も夫も、精神的に余裕がなくなり限界だったのです。


「私たちは、本当にこの街に住みたくて、ジャパニーズレストランで働くために、カナダまで来たのだろうか?」


もう一度心に尋ねたら

答えは  No  でした。


嫌だ。この街には住みたくない。

ジャパニーズレストランでは働きたくない。


お金への焦りや慣れない環境で、今まで蓋をしていた本音がいっきにあふれ出すと同時に、涙もあふれてきました。

「じゃあやめよう。申し訳ないけど、ジャパニーズレストランは断りに行って、この街も出よう。」

夫が言いました。

それを聞いたらいっきに心が楽になりました。


そうか。この街も出ていいのか。


お金がない、交通費がない、という理由でいつのまにか自分の選択肢に自分で制限をかけてしまっていた私がいました。


嫌なことにはNoと言っていい。

何度だって失敗してもいい。

素直な心の声だけを頼りに進めばいい。

私にとっての答えは、いつも私が知っているのだから。


「Nelsonに行ってみよう。」

Nelsonは、私たちがまだ日本にいた頃に、夫の友人から勧められていた街でした。


どこを探しているのかはわからない。

けれど、きっと私たちを待っていてくれる人がいて、必ずその場所に辿り着く。


再び長距離バスを予約し、二人でNelsonへと向かいました。

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Misato  Uzume
だれもがより自由に、自然界の多様な生命と一緒に本当に豊かにすこやかに暮らしていけるあたらしい文明の渦を、今いる場所からみんなで創造していくための生き方のヒントをお伝えしています。『宇豆米VILLAGE』が創っていく今と未来にご共感いただけましたらぜひ応援サポートをお願いします✨