This is how I love the world
こんにちは、みさとです。
今晩はよく晴れた、明るい満月のニューヨークの夜です。
2023年明けましておめでとうございます、
今年もよろしくお願い申し上げます。(^^)
あっという間にもう1月6日です・・・
ニューヨークにいると紅白も見ないし、初詣も三が日もないので、なんだかお正月感が出ないんですよね〜日本でチョロギ食べたい。
さて今回は、前回の記事「停滞とその出口」という題で書いた中で触れた、人生初めてのイラスト展示について書きたいと思います。
Brooklynで行ったイラスト展示
2022年12月10日〜18日の9日間、個展を行いました。
持って行ったのはプリント1点と14点の原画の合計15点。既に描きためていたものがあったので、冬の作品、お気に入りの作品、またカフェの雰囲気に合いそうな作品をセレクトして持って行きました。
場所はブルックリン、イーストウィリアムズバーグにある日系のカフェ、Brooklyn Ball Factory。実は私はそのカフェで一年ほどバイトをしていて、そのスペースで絵を飾らせてもらうことになりました。オーナーが既に私のイラストを知ってくれていて、しかも気に入ってくれていたのもあり、「いいよ!どんどんやりなよ!」とめちゃくちゃ協力的。トントン拍子で話が進み、開催となりました。本当にラッキー、ありがたい!カフェで働いていて良かった!笑
This is how I love the world.
個展とかしたことないので、本当に手探り。
ポスター的なものを作った方がいいのかと気づいて、そこで初めてタイトルをつけたほうがいいのかな、という思いに至り。笑
タイトル、初めは違うのをつけていたのですが、しっくりこなくて、それで色々考えて、「This is how I love the world」というタイトルにしました。
多分ちょっと変な英語かも? でも私ネイティブじゃないし、そういうのも含め「私」かなとか、開き直ってそのままそのタイトルでいきました。
タイトルの意味は、「これが私の世界の愛し方」的な感じですかね。This is the way I love the world にした方がいいかなと思ったけど、なんか響きがこっちの方が好きだった。そんな風に英語使っていいのか。笑
私が絵を描く理由っていうのは、すごくシンプル。
好きなものを描く。
それは私がこの世界を捉えて、そして愛するためなんです。
例えば私、アメリカ版のキッコーマンのボトルの絵を描いたんですが、
なんでキッコーマンのボトル描いたの、しかも空だし。っていう声が聞こえてきそうです(笑)
私、このラベルのデザインがすごい好きなんです。好きすぎて描きたくなっちゃった。もちろんキッコーマンの醤油も好きです。
それで描こうとするとよく観察しますよね。あ、ここ、こうなっているんだ、こんな模様があるのか、こんな色使いなのね、etc。
そうすると描くというプロセスで、もっともっとその好きな対象のことを知るんです。捉えるんです。で、その大好きな対象を絵に描いて完成したら、その大好きなものの絵は私の手の中に得られるんです。嬉しいじゃないですか。で、描いたから、残るんです、もっと強く私の中に、実際「もの」としても長く。
だから例え私の手に入らないものでも、流れ行く景色や思い出も、
愛するもの、愛しいもの、素敵なもの、面白いもの、可愛いもの、
もっと知りたい、捉えたい、手に入れたい、留めたい。そして絵でそれを叶えていくのです。
これってまさに愛に非常に近い行為なんじゃないかなって。
アーティストが創造するものって様々で、制作する理由も様々。
自己表現、メッセージ、生き様のような。そういったアーティストの一方で私の場合は「手に入れたいから」なんて、あんまりかっこよくない理由ですよね。笑
でも私はそうやって絵を通して、世界を捉えて、愛しているのだと思うのです。
いつからアーティストになっちゃったの?
去年日本に一時帰国していた際、久しぶりにあった叔父に、「みーちゃんはいつからアーティストになっちゃったの?」って言われました。
「いやー、ほんとですよね、よく分からない。笑」というのが私の返答でした。
ニューヨークに来てから絵を描き始めました。私はニューヨークの生活を、絵に救われているのかもしれない、と思います。
私は2018年に東京から単身、ニューヨークに引っ越してきました。
元々はパーソンズのオープンスクール(New School)で、インテリアデザインのコースを修了するというとりあえずの目標を持ってNYに来て、最短で5ヶ月で帰る予定だったんですよね。それが気がついたらもう5年目!
色々ありました。うん。
日々色々今も起こるんですけど、今まで二回非常につらい時期があって、お金とか色々ないから医者にはかかってないんで分からないですけど、ちょっと鬱っぽく、とても落ち込んだ時期がありました。
そんな時期に、インテリアのクラスでパースとかを描く絵の授業があって、(前に「私がここにいる理由」というブログでも触れていますね)そこでやたら私の絵の課題作品が褒められたんです。先生からもクラスメイトからも。
私自身も面白い発見でした。元々絵は下手ではない方だったけど、ちゃんと描いたことってそんなになかったんです。人に見せたことも。
落ち込んでいる時期にすごく気持ちを上げてくれた体験だったと思います。そして自信喪失の私はみんなに褒められて、自分を信じようとまた思うことができた。
それと、絵を描いていると、メディテーションみたいな効果があるのかな。気持ちが平静になってくるというか。そして完成したら嬉しい。
そんなこんなで絵を描くことが新しい私の趣味となって、色々と描いてきました。でもその絵たちは、誰かのためではなく、私が私のために描いている非常に個人的なものでした。
でも友人とか、私の絵を好きと言ってくれる人がいて、じゃあ私の愛するものの絵たちをシェアしていこう、もしかして欲しいとなった時の道筋は作っとこうとか、そういうことはしてきていました。
とても嬉しいことに、描いてとご依頼をいただくことがありました。基本は友達とか知り合いとか友達の友達とか。でもまさか自分が絵でお金をいただけるとは、びっくり。そして知り合いや友人の会社さんからもちらほらご依頼をいただけて。そうなると「イラストのお仕事」感がすごい。笑
そしてひょんな事から12月の個展に行き着き、興味を持って見てくれているお客さんに近づき、"Hi, I'm the artist."と言って話しかける日々。
余談ですが、先日個展の作品を見て気に入ってくれたお客さんからコミッションの依頼を受けまして、それ用の紙を買いに画材屋さんに行ったんです。
そしたら会計の時にスタッフさんに、”Are you a teacher, a student or an artist?”「あなたは(アート系の)先生?生徒?それともアーティスト?」と聞かれました。
すかさず 「アーティスト」と答えていた自分にちょっとびっくりして面白かった。冒頭で書いた、叔父に言われた言葉が私の頭の中で聞こえてきましたよ。笑
ほぇー、私いつからアーティストになったんだろうなぁ。笑
個展で得たもの
駆け出しすぎて、まだアーティストの自覚が薄い私ですが、
個展をやらせていただいて、めちゃくちゃ、本当にめちゃくちゃ嬉しいことがたくさんあって、私にとって大きすぎる第一歩になりました。
そもそもカフェでの個展ということで、宣伝もほとんどしていないし、無名だし、お客さんはほぼ100%コーヒーを買いにカフェを訪れるわけですよ。そんな人がコーヒー買いに店入って、そしたらなんだか知らん奴の絵がかかってるわけで。
そこでまず「お。」って興味を引くことってもう奇跡ですよ。だけど少なくない人たちが「お。」ってなってくれた訳です。
私はめちゃくちゃシャイなんで、普通はそこでさっと行って色々説明したり語ったりするべきなんでしょうけど、あんまり邪魔もしたくないしとかぐじゃぐじゃ言って、しばらく様子見てるんですよね。(そんなアーティスト嫌ですね 爆笑) で、だいぶ興味持ってるな的な人には声かけに行って、「実は私このアーティストです、見てくれてありがとう」とおずおずと声をかけに行くと、みんな”You are!?” 「あなたが!?」とパッと顔を輝かせて、「素晴らしい」「すごく見入ってしまった」「これが好きだ」などなど、色々言ってくれるんです。もー、わたくし天に昇る気持ちですよ。ランダムなコーヒー買いに来た赤の他人が、私の絵を偶然見て気に入ってくれる。嬉しすぎる。
しかもしかも、作品が売れました!
期間中9点も!すごくないですか!?(ごめんなさい、ちょっと書いてて思い出して興奮 笑)
そうだ、私はじめは、絵を売る気なかったんです。
私の個人的なものだから、それを値段をつけて商品のように扱うのが変な感じがしたし、手放したくない気も。そもそも売れると思わなかった。
でも相談を受けてくれたアーティストの友人が、「絵を好きになってくれた人に絵を持ってもらうっていうのは、とても良いこと、意味のあること」と言ってくれて、気持ちを変えて全てに値段をつけることにしました。
買ってくれた方で印象的だった人は、レモンの木の絵(ポスターに使っている絵です)を気に入って購入してくださった男性。ちょうどホリデー前ということで、次の日カリフォルニアに帰るとのことで、その絵はレモンの木が好きなお母様へのギフトとして購入してくださいました。で、すぐ近くに住んでるから、後で取りに来ていい?と言って会計を済ませて一度去り、一時間後くらいにまた戻ってきました。で、包装した絵の額を渡そうとしたら、「やっぱりこの絵も買っていい?」とコーヒーの絵も買いたいとのこと。びっくりしすぎて "Seriously!?"「まじか!?」と言ってしまった。コーヒーの絵はご自宅にご自分用に飾るんだとか。私の2点の絵たちが、お母様と彼のおうちにかかるんだなーと思うとなんか不思議さと嬉しさにムズムズする。
友達に言われたように、好きになってくれた人に持ってもらって飾ってもらったら、好きな絵を飾れて買った人は嬉しい。私も嬉しい。きっと絵も嬉しい。すごく良いことだなと実感しました。まさにお嫁に出した気持ち。
色々な出会いもありました。
どこからか聞きつけて、私の絵だけ見にカフェに訪れてくれた方(しかもその後勝手に彼のインスタで紹介、宣伝までしてくれた)
マンハッタンのカフェに勤めているバリスタの男性、うちのカフェでも展示したら良いよと情報をくれました。
顔なじみの常連客のカップル、私が元照明デザイナーということを知って、そっちにも興味を持ってくれ、ランプデザインについて色々と人を紹介してくれるとのことで、向こうから助けようとしてくれている。
偶然絵を見た元ギャラリスト、彼女が今度始めるアーティストのプラットフォームの参加アーティストとして誘ってくれました。(現在彼女と準備中、またアップデートします)
わざわざ遠いところまで足を運んでくれた友人たち、サポートしてくれたカフェの仲間たち。もう有り難くて、嬉しくて。
色々な人との出会いがあって、そして個展で自信がついて、今後どんどん広がっていきそうな予感がしています。
2023年、アーティストとして自覚を持って胸をはって、前に進んでいきたいと思います。いろんな人と出会って、面白いことをしていきたい。楽しんでいきたい。
2023年で、一つ新たなやりたいこととして、大好きな旅行をもっとしていきたい。旅と、各地で行われているアーティストのフェアみたいなものへの参加とをくっつけていけたら最高だなーなんて企んでいます。へへ。
熱がこもって長くなってしまいました。あ、満月だからかな。笑
今回はここら辺で失礼します。
みなさま、良い夜を、1日を、週末を。
おやすみなさい。
みさと
以下私のインスタグラムのアカウントとウェブサイトのリンク貼り付けておきます。イラストなどご覧いただけます。
https://www.instagram.com/uga_illustration/?hl=en