見出し画像

単語で短歌評11/24~11/30

こんにちわ、単語で短歌管理人の野口み里です。
(※単語で短歌とは野口み里の運営する短歌のお題アカウントです)
いつも単語で短歌にご参加いただいた方の短歌はすべて読まさせていただいているのですが読むだけだと勿体ないのでわたしの気になった短歌の評を書いていこうと思いこのコーナーをはじめさせていただきました。
一つのお題に対して一つの歌を選歌させていただき簡単な評を書かさせていただきます。先に言っておくと野口は感想や評を書くのがとても下手なのでうまく伝わらなかったらすいません。


11/24お題「晴れ」



「晴れなのに家で読書をしてるのか?」「わかってないなあ晴れだからだよ」/なまこ

評:読書家ならばこの気持ちはすごくストレートに伝わるのではないでしょうか。雨の日は陰鬱として読書は進まない、それを読書中に気だるげに伝える主体に共感を覚えました。また対話の相手が親子、友人、恋人どれでも成り立ってまたどれでもこの気持ちを理解して欲しいという気持ちが伝わりました。今まで各方位から何度も言われてるんでしょうね。



11/25お題「地下」



いつかわたしが発掘されたその時は遅かったねとメモがあるはず/永月未璃

評:悠久の時を待つ女の執念的なものを感じました。相手が探し出してくれることを信じてメモを残す。しかも「発掘」と言う単語で主体の生死があやふやになっていてもしミイラや化石になっていても待つ、という執念。メモも塵になってしまっているかもしれないまでも待つ。この心を相手は掘り返してくれるのでしょうか。そう考えると儚げな歌にも見えていいなあと思いました。





11/26お題「蝶」



羽化したら僕のことなど忘れてる「立入禁止」と書かれたサナギ/森瀬貴彦

評:籠ってしまった心にはもう立ち入る事はできない。そして蝶になっても相手は主体の事を覚えていない。今の主体の気持ちを伝えるすべはもうない。なんと儚い歌なのでしょう。学生時代に芋かった人が同窓会でキラキラになってて自分のこと忘れてる、あの感覚なんでしょうねえ(俗っぽい例えですいません)






11/27お題「ラジオ」



ハロー、アース。こちらマーズ。聞こえてる? 火星はいま夏。きみはブルー?/山際 潜

評:すごくいい歌だと思いました。句読点が多いのにスッと入って来て字足らずもあるのに韻律が素晴らしい。内容も火星から地球への通信できみが発信者がいない事によりブルーになっている事を心配している感じがポップに詠まれていてシンプルに良かったです。今回の野口賞です!(別に景品とかはないです)





11/28お題「混ぜる」



同棲で混ざり合った本棚はどこに置いても風水が良い/海

評:同棲をしたことによってお互いの本が混ざりあってカラフルになっているんでしょうね。もういろなんて関係ないという風にも読みとれるし同棲の幸せな感じはもう本棚をどこに置いても幸せだという風にも読みとれて平和な短歌でいいなぁと思いました。




11/29お題「7」



七つ葉のクローバー見つける時まで
一緒にいよう きっと永遠だよ/みぬぬな

評:絶対に見つからないものを永遠に探そうという提案がロマンチックで素敵でした。クローバーと言う所も幸福を呼んでくれそうなチョイスで良かったです。愛というのは形の無い物を探していく行為なのでこれこそ「寄り添う」と言う事なんでしょうね。プロポーズの言葉かもしれません。




11/30お題「小学生」



「幸せになれ」と最後の宿題を出された日からずっと放課後/星見奏多

評:切ないですね…先生は良かれと思って出した宿題を永遠にこなせないでいる寂しさがひしひしと伝わってきます。小学校の先生の言葉ってすごく心に残っていることが多くて中高の先生より残ります。なんであんなに棘のように心に刺さりぱなしなんでしょうね。放課後がいつかあけて幸せになれる事を願っています。




というわけで今回はこの七首を選ばさせていただきました。
これから毎週、気になった短歌を一日一首ずつチョイスして評を書いていければと思います。
今後とも単語で短歌をよろしくお願いいたします!



管理人への応援はこちらから

いいなと思ったら応援しよう!

野口み里
よろしければサポートお願いします! あなたの応援が励みになります! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます! 還元する企画なども企画していきます!