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単語で短歌評12/1~12/7


12月になって寒くなってきましたね。、単語で短歌管理人の野口み里です。
(※単語で短歌とは野口み里の運営する短歌のお題アカウントです)

いつも単語で短歌にご参加いただいた方の短歌はすべて読まさせていただいているのですが読むだけだと勿体ないのでわたしの気になった短歌の評を書かせていただくコーナーの第2回です。野口は感想や評を書くのがとても下手なのでうまく伝わらなかったらすいません。前回の評も沢山の方に見ていただいて上手く伝わっているのか不安ですがお付き合いいただければ幸いです。


一つのお題に対して一つの歌を選歌させていただき簡単な評を書かさせていただきます。いつもいい歌が多くて一つに絞るのが大変です。選ばれなかった皆さんの歌もいい歌なので…!

それでは評にいかさせていただきます。






12月1日お題「葉」

片隅の観葉植物そっと触れ
あの人の息吸ってるんでしょ/ぬるま湯


評:主体の思いのほどよく歪んでいる感じがいいなあと思いました。変態性があるのにいやらしさを感じず切ない短歌に出来ていて良きです。彼の部屋でしょうか、それとも会社の観葉植物でしょうか、はたまたホテルの観葉植物でしょうか。どの場面でも伝わるシチュエーションでいいですね…




12月2日お題「ふくろう」

玄関にジッと座する梟の置物をそっと壁に向けとく/箭田儀一


評:この気持ちよくわかります。子供の頃とかおばあちゃんが飾ってた謎のお面とか怖かったですよね。その対象がふくろうの置物という一般的には可愛いものとされつつもよくよく考えれば怖そうなものという程よい距離感で主体の可愛さがあふれていい歌です。




12月3日お題「ドア」

いつもより長いお散歩した君がドアを開けたら笑顔になろう/かたやまひとし


評:優しさが溢れてていい歌ですね。そこはかとなく感じられる生活感の優しさを感じます。慰めるわけでも優しい言葉をかけるわけでもなく笑顔で迎え入れる感じいいですね…また「いつもより長いお散歩」という言葉チョイスが絶妙です。この語句から想像される君の思いがひしひしと伝わって来て好きでした。




12月4日お題「テスト」

君というテストは難問ばっかりで答案用紙に降り積もる雪/星見奏多


評:相手をテストに例える短歌は多かったのですが中でもこの短歌は特に好きでした。「答案用紙に降り積もる雪」という結句で答えが何一つ出ていない白紙を雪と例えて、その雪という言葉の冷たさに切なさが溢れていていいですね…悲しい短歌です。でも冬の次は春が来るはずなのでぜひ頑張ってほしいです。




12月5日お題「無職」

無職ではないとアピールするように道行く人に吠えるトイプー/石井しい


評:犬は吠える事がお仕事…可愛い短歌です。最後がトイプーと愛称で〆られてるところにまた可愛さを感じます。道行く人に伝えようとする健気さも出ているし、おバカさもまさにトイプーという犬の様で無職でもいいじゃん!犬なんだし!と思えていい犬短歌でした。(犬短歌?)




12月6日お題「金曜日」

「なんかさあ、私金曜苦手なの」「なんで?」「…多分、週が死ぬから?」/等匙 すくい


評:金曜日が苦手というような短歌では「飲み会がある」「土曜日も結局仕事」といったのが多かったのですが「週が死ぬ」という表現が好きでした。主体はなんとなく苦手なだけで理由を探して出てきた答えなんだろうなあと思いました。ネガティブな短歌なのに平日に生きているという実感を感じるというのもポジティブな感じがします。主体のカレンダーは土曜はじまりなんだろうなあ…土日ではじまる週というのも乙です。




12月7日お題「ペガサス」

ペガサスの糞だと思ふ 星の夜に踏んでしまった大きなそれは/さいとうきいろ


評:星空を眺めていたら踏んでしまったのでしょうね。その中でペガサスのものだと言い訳をするような主体がいいです。星空の余韻でそう感じてしまったのかもしれません。俗っぽくもあるし、ロマンチックでもあるようないい短歌です。今回の野口賞です!(別に景品とかはないです)




ここまで読んでいただきありがとうございました。来週も気になった短歌を七首紹介させていただきます。それと来週中にTwitterでお知らせがあります。いいお知らせなので楽しみにお待ちください。では今後とも単語で短歌をよろしくお願いいたします!



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野口み里
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