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単語で短歌評１２／２２～１２／２８

野口み里


Appleミュージックによると野口が今年一番聞いた曲はジャージ/サバシスターらしいです。もう今年も終わってしまいますね…

そんなわけで単語で短歌管理人の野口み里です。
（※単語で短歌とは野口み里の運営する短歌のお題アカウントです）

ご参加いただいている方の短歌をすべて読まさせていただき、その中の気になった短歌に評を書かせていただく、そんなコーナーの第5回です。
こちらのコーナーでは一つのお題に対して一つの歌を選歌させていただき簡単な評を書かさせていただきます。

それでは評にいかさせていただきます。



12月22日お題「中華料理」

あの店の餃子が奇数であったなら君と話せる理由が増える / はやぶさ

評：中華料理屋さんデートでしょうか。確かに二人でご飯屋さんに行ったとき奇数の料理が出てきた時は譲り合いの会話が生まれます。そういった些細な日常を切り取ってる素敵な短歌だと思いました。些細な事でも二人の会話を広げたい。そんな主体の気持ちがひしひしと伝わってきます。気づきと気持ち、両方こめられた歌はすごいなーと思います。今回の野口賞です！（別に景品とかはないです）






12月23日お題「ビー玉」

ビー玉を通貨としてたあの頃の稼いだ額は今より清く / 阿加佐タナ

評：たしかに子供の頃のおままごとの通貨といえばビー玉やおはじきでした。懐かしさと共に現状に恵まれていない事が合わさっていてなんとも切ない短歌だと思いました。大人になると若干汚いお金の稼ぎ方、してしまいますもんね。諭吉よりビー玉のほうが清くて尊いものです。







12月24日お題「体温」

良心も、モラルも、全部体温で溶けて「すき」しか残らなかった。/ ほざか

評：性愛短歌ですね。「良心とモラル」というところで禁断の恋愛を想像させて艶っぽい短歌だと思いました。不倫か何かでしょうか。何も考えれなくなるほどの熱い夜の歌をクリスマスイブの詠んでいただいてエロティシズムが重なって時期的にもいい歌ですね…






12月25日お題「爆発」

爆弾のつもりで書いたツイートの導火線に誰も気づかないまま / えいり

評：ツイートする時に「ちょっと尖った事を言って炎上気味になってもいいな」と思う時がのぐちはあります。炎上してもいいから言いたい事は言う。ただそれに気づかれないとただただ尖った事を言ってるイタい人になっていしまう。とても個人的に刺さった歌でした。






12月26日お題「少女」

マスキングテープをはがすと机にはあたしが彫ったであろうクマさん/愛坂肋

評：少女の成長の歌だと「少女だったころを忘れた」と直接的に歌った歌が多かったのですがさりげなく歌い込むのは素晴らしい。いつ彫ったのか自分でもわからない彫り物。いつ貼ったのかわからないシール。そう言ったものを見て知らず知らずのうちに成長している少女が浮かんできて良かったです。






12月27日お題「地獄」

「地域」が「地獄」に見えて地獄子ども交流センターが求人をする/桶森あわ

評：地獄子ども交流センターの響きに笑ってしまいました。確かにそういった空目は日常的にあって歌に昇華する事は中々難しいと思うのですかピシっとハマっていていいですね。地域も地獄の様な地域と読めるし地獄という地域にも見えるしそういった深読みも出来ていい短歌だなあと思いました。






12月28日お題「罠」

「プーさんのハニートラップに乗ろうよ」 そうだね一緒にハマるとしよう / 反逆あひる

評：プーさんのハニーハントと言い変えて甘い罠にお互いハマっていくような恋愛短歌として読みましたが、実はプーさんって習近平国家主席の蔑称なんですよね…そう考えると恋愛短歌のようで実はすごい怖い社会詠みだなあと思ってしまいました。日中関係は平和になってほしいですね。





ここまで読んでいただきありがとうございました。来週も気になった短歌を七首紹介させていただきます。

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それでは来年も単語で短歌をよろしくお願いいたします。皆さま、よいお年をお迎えください😊


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