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SDGsと生活について
昨日、わたしたち夫婦の大好きな Blue Bird apartment. にて、これまた大好きなソーシャル&エコマガジン『ソトコト』の編集長の指出一正さんがトークをされる、というスペシャルなイベントに参加してきました。
お話のテーマは "SDGs" について。「SDGsローカルツアー」として、日本各地の"独自のストーリー"を持つ都市7か所をめぐって、みんなで一緒にSDGsについてカジュアルに考えるという会です。
福島県の、しかも海側の生まれである私にとって「暮らしたくなる地方」というのは大切なテーマで、震災以降、ソトコトをはじめたくさんのいわゆる "ソーシャルグッド"と呼ばれる活動や情報に積極的に触れてきました。
実はライターをはじめたのも「エシカル」の文脈から。現在は閉鎖されてしまいましたが、"100年残る文章を"という思いでつくられていたWEBマガジン『エシカル&スマート』や、エシカルについてお洒落にかつ知的に発信しつづけている『Fragments』など、当時まだ一部の人の中のモノであった「エシカル」という概念について、自分たちなりに考え、編集し、言葉として届けようとする素敵な方々のそばで、たくさん学ばせてもらいました。
東日本大震災から9年が経ったいま、福島県でソトコトの編集長を迎え、SDGsについて語り、それに共感する人たちの姿を見て、なんだかじんわり感慨深いというか、とても温かな気持ちになりました。
震災後の福島を強調するつもりはないけれど、でもやっぱり地方がポジティブに変われる可能性ってまだまだあって、それがここ、福島県から起こったらなんて素敵なことだろうって。貧しくて教養がなくて嫌で嫌でしかたなかった地元・福島が、世界を前向きに舵取りできる場所になれたら。そしたら私たちはようやく「ここに生まれてよかった」という故郷を、これからの人たちに残せるかもしれない。自分たちにできる最大の仕事って、それ以外にない気もしています。
"ソーシャルグッド"と言うと、横文字のなんだか意識高めの言葉に聞こえますが、要するに「無駄なく、無理なく」ということだと思っています。
日本の文化にはその素地がたくさん含まれていて、しかも「文化」といっても博物館にいって見るような高尚なものでなく、私たちの生活の中に息づいている "カルチャー" 、日々の生活にこそ、その核があると思うのです。
私たちのゲストハウスを説明する時、しばしば「生活の実践の場」という言葉を使う理由も、ここにあります。
"世の中にいいこと"をはじめる、最小で最強のアクションは「日々の生活を見つめること」。食べもの、着るもの、買うもの、読むもの、触れるもの、話す言葉…。私たちの生活を取り巻くあらゆる要素が、実は「エシカル」に変換され得るものだということを、忘れずにいるための場です。しかも、それを福島で実現したい。
指出さんのソーシャルグッドなお話が郡山で聞けて、つくった粕汁がほぼmade in 福島のingredientでできた昨日。
「福島は変わっている、少しずつ、良い方に」と思えた日でした。