2020年、ありがとうございました。
2020年を振り返る時が来ました。この一年がどんな年であったのか、ひと言で表現することは難しいものがございますが、大きな意識転換をはからずにはいられなかった、という意味におきましては、大変ドラマティックな一年であったと思っています。まだ継続中とは存じておりますが、日本だけではなく世界中の医療、行政、研究者、日常が止まってしまわないようにするために多くの方々が恐怖をお感じになりながら果敢にお仕事をしてくださいましたことを改めてお礼を申し上げます。
わたくしは、毎年、自分自身にテーマを掲げながらフルートの演奏活動を行っており、幼少からの疑問であったこと「人間は死を迎えたらどうなるのか、どこにいくのか」の問いかけに答えるべく「天国はどこに」というアルバムを2月のリサイタルにて発表いたしました。
3月に入ってすぐ伊勢神宮へお礼参りにお伺いし、そこでの帰り、わたくしのこの一年は「これまでの人生を見直す時間にしよう、ご縁のあった人たちを思い返してみよう、やり残していることに心を向けてみよう」と思わせて頂きました。
ご存知のとおり「春は🌸いったいどこへ行ってしまったのだろう」と寂しく思いながら、世の中は新しい世界、まるでドラマや映画のように 体験したことのない状況にどんどん変化していきました。
不安が渦巻く中ではありましたが、とにかく、自分に出来ることを と思いわたくしはお部屋でフルートコンサートと題し発表をしてみようと考えました。
しかし、いったい何を演奏すれば良いのだろう~と思い、これまで開催して来た24年間のリサイタルでお配りしてきた沢山のアンケートのリクエスト欄を開いてみたのです。
すると、まるで宝物箱のように、わたくしが演奏したことのない曲がいっぱい書かれてありました。こんなにも沢山のお客様にメッセージを頂いていたこと、こんなにも皆様からリクエストをお寄せいただいていたことに心が震えました。
わたくしには、迷いや不安がっている時間は一秒たりとも無いのだと思いました。
そしてとにかく「演奏して行こう」と4月4日に「春よ、こい」からスタート。20曲まではソロでYouTubeに発表し、現在60作品までデュオ、トリオへと発展し製作して参りました。
皆様からのお力添えのお陰で、秋には、その中から選曲した曲を山梨県花かげホールにてアルバム製作を行い、今、お蔭様で、その製作途中の年末を迎えております。
お部屋でフルートコンサートのソロの時に演奏した作品、 6月だったでしょうか~薬師丸ひろ子さんが歌う曲・ Wの悲劇~Womenの歌詞の中に「ああ時の河をわたる舟にオールはない、ながされてく」というのがございます。
「人間は生きているのではない、生かされているにすぎない」というのは常日頃、わたくしが口にしていることですが、今、まさに、ありとあらゆる生きとし生けるもののすべてが、~無抵抗でなすがまま~。まるで時の河、時代の波に流されているかのようです。
しかし、だからこそ、わたくしは思うのです。
そうであるのなら、なおさら目線を上げ笑顔をたずさえ「生ききるのだ」と。
どんなことも、わたくし自身が変化すれば良い方向に行くことを、わたし自身の考え方や視点を変化させることで好転させられる可能性を、少したりとも放棄したくはない。
心の内側にはあたたかく、しなやかで優しい気持ちを、もっともっとふくらませながら
2021年を新しい気持ちで、目の前に繰り広げられた「どんな体験をも楽しむ」という姿勢を忘れることなく生きて参りたいと思っています。
今年も一年間、波戸崎操を応援下さいました皆様、誠にありがとうございました。ブログ、YouTube、ツイッターにてメッセージやいいねをお贈りくださいました皆様、本当にありがとうございました。心を込めて。
どうぞよいお年をお迎えください。
2020年12月30日
波戸崎操