彼の見ていた景色
私には少し年上のいとこがいました。
彼は明るく社交的なタイプで、お正月に集まっては最近出会った面白い人の話をしてくれたり 親戚の集まりの中では彼を中心に話が進むタイプでした。
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それに比べて当時小学校低学年のわたしは恥ずかしがり屋で叔父とも上手く話せない始末。
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私はいとこの彼を尊敬していました。
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子どもながらに私は彼のように生きてみたいと思うようになりました。
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そんな彼は大人になり、郵便配達員になりました。
叔父(つまり彼の父親)がバイク好きだったのも影響してバイクに乗りながら小さな町で手紙を通じて人と関わる仕事。彼いわく「天職」らしい。
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社交的で好きな仕事も出来るなんて、
いつまでも憧れ。尊敬する存在だと思った
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でも彼はいなくなった。
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どうして、あんなにニコニコ笑っている彼がいなくなってしまったのだろうか。神様は残酷だと思った。
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彼は見ていた世界はどんなに優しく見ていたのか。
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私もいつか見れる日が来るだろうか。
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