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宇宙戦艦ヤマト2205で号泣したオタクの話


「宇宙戦艦ヤマト」それは母が子どもの頃に熱中したアニメだった。
島大介というキャラクターが好きで、アニメの絵が描かれた鉛筆を愛用していたという話を何度か聞いていた。
肌が青い人たちが敵で、デスラー総統というのがラスボスらしい。
10年前までの知識はその程度だった。

そして10年後、わたしは映画館で涙を流すことになる。
ラスボスの青い人」であるデスラー総統のことを想って。

・「宇宙戦艦ヤマト2199」にハマる

何がきっかけだったかは忘れてしまった。
豪華な声優陣に釣られたのか、アニメ雑誌で見かけたキャラクターデザインに惹かれたのか。
とにかく宇宙戦艦ヤマトのリメイク作品が作られたらしい、と知ったわたしは軽い気持ちで劇場へ足を運んだ。

それが10年にわたる沼の入り口だった。

「宇宙戦艦ヤマト2199」は1974年に放送された1作目のアニメを元に作られたリメイク作品だ。
1年後に迫る地球滅亡を阻止するために、宇宙に旅立つヤマト。
あらすじやキャラクターは原作をベースにしつつ、現代風にアレンジされている。


その中で特にわたしの心を掴んだのが、敵役である「ガミラス」と呼ばれる青い肌を持つ人々だった。

星間国家「ガミラス」のトップに立つアベルト・デスラー総統。
暴君よろしく独裁政治を行う彼に反発する者も多く、ガミラス内での内部分裂も大きな見所だった。

旧作でどこまで掘り下げられていたかは不明だが、今作では敵であるガミラス側の人間模様も丁寧に描いているように思えた。

気付けばわたしはガミラス側の目線でこの作品を楽しむようになっていた。
デスラー総統万歳。

この作品における推しは数人いるが、ほとんどがガミラス側の人間だ。
(ほぼ全員死んでしまったので悲しい)
推しキャラについては話すと長いので割愛する。

・「2202」は惰性で観たしんどい思い出


続編の「ヤマト2202」は諸事情により見返すことがためらわれる作品となった。

途中で再登場したとある人物(2199での推し)の扱いに劇場で唖然として、ひとしきりキレた末に悲しくなって該当の章の記憶は抹消されている。
見返したらまた情緒が乱れる自信があるので……どうしようかな……。

最新作を観た今、改めてデスラー総統閣下の過去について考え直したいのでどうにかこうにか自分を説得して観てみようとは思っている。
またお気持ち表明するオタクになったらごめんなさい。

・よすぎた最新作「2205」後章


前述の「2202」で完全にヤマト不信となったわたしは、それでも劇場に足を運んでいた。
ここまで来たら最後まで観るしかない。
もはや義務感のような心はいい意味で裏切られる。

前章・後章に分かれた今作は、デスラー総統が主役なのではないかと思うほど彼らにフォーカスされていた。
2202で蒔かれた種が回収されていくような展開に、あの時のモヤモヤがほんの少しだけ晴れるような気持ちになった。

デスラー総統の何がしんどいかというと、彼はガミラスと対をなす「イスカンダル」という星に住む女王「スターシャ」を愛していた。
でも色々あってスターシャは後から現れた別の男に惚れてしまう。
これが2199で起きた第一の失恋。

今作では、スターシャを想う気持ち自体が幻だと言っても過言ではないような事実が明かされる。
第二の失恋だ、と思った。
それでもスターシャを愛していると言い切るデスラー総統にちょっと泣いた。
健気すぎかよ。


後章のデスラー総統は一度も膝を付かない。
前章では国民を守るために膝を付くことも厭わなかった彼が、愛する人を目の前で失ってなお自分の足で立っている。

気高い……気高すぎる……。

なのにどうしてこんなに報われないのか考えたら辛い。
王とは孤独でなければならないのか。
なんとか幸せになってほしい。


さらなる続編の「3199」の製作が発表され、デスラー総統も出ると明言されたようで。
これからの展開で彼がどうなるのかは全く予想もつかないけれど、きっとまた劇場に足を運ぶことになる。

アベルト・デスラーの生き様を見届けるために。

デスラー総統万歳!!


※ネタバレにふんわり配慮しようとしたら微妙に伝わりにくい感じになって、感想って難しいなとおもいました

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