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成り行きに任せる前にやることがあるのでは?|M&Aアドバイザーのつぶやき
こんにちは。かきもとみさです。
今年に入って、相談を受けた案件があったのですが、どうしても救いようがない状況だったのでM&Aアドバイザーとしては、お断りをせざるを得ないケースでした。
ご紹介者の方経由で聞いていた話なので、温度感はわかりませんでしたが、「もう間もなく会社が倒産しそうだ」という状況のようでした。M&Aという選択肢については「え?そんなことできる可能性あるの?」と検討したことも無い様子。
でも、「もう1カ月以内に倒産しそうだ」という状況では、M&Aにチャレンジする時間の猶予もありませんでした。
もしかしたら考え抜いていた可能性もありますが、経営者であれば、会社を(≒社長を)どう終わるのかということは自分で決めたほうが良いのではないかと思います。
成り行きに任せてしまうのは、一番避けたほうが良いのではないかと考えています。
その教えは、私はビジネスパートナーとして協業させていただいている奥村聡さんから学んでいます。
この著書は、ぜひ多くの経営者に読んでもらいたい。そして、多くのM&Aアドバイザーにも読んでもらいたい内容です。
「廃業する」と選択したのであればそれはアリです。例えば「あと3ヶ月で受注をストップします」と顧客にお知らせすることができるし、「あと3ヶ月で発注をストップします」と仕入先にもお知らせすることができる。
きちんと事前に準備期間を与えて上げれば、「いままでお世話になりました。ありがとう。」と、売価を高めにしてくれるケースだってあるそうです。
これに対して、「突然ですが、本日倒産しました」という突然のアナウンスでは、「え!そんないきなり困るよ!仕入先の代替業者もそんなすぐには見つからないのに!」となってしまい、本当に大迷惑がかかります。
だから、会社をたたむにしても、自分の意思で、スケジュールを引いて、取引業者や従業員にもきちんと話をして取り組んだ方が良いのです。
金融機関など、最終的に完済が難しいケースだってあるでしょうから、心苦しいのはわかります。ですが、それもいきなり倒産するのと、事前に説明をして理解してもらうのとは大違いですよね。
嫌なことは考えたくないという気持ちはわかりますが、社長というのは「指針を示す」のが仕事です。これを避けてはいけないと思うんですよね。
だから、本気で会社の未来について考えてほしい。手遅れになる前に。
安楽死を選ぶのか、延命措置を選ぶのか、決して簡単な決断ではないけれど、それらの選択肢の中に「健康になって、また大好きなスポーツで汗を流す」みたいな選択肢≒経営で言えば「債務超過の赤字体質から、黒字の好収益体質へ回復する」みたいな未来がもう見えない状況なのであれば、せめて関わる人に迷惑がかからない方法を選ぶことが最善の選択肢のはず。
いま目の前にある選択肢が何なのかをきちんと見極めるところから、考えなくてはいけないなと思います。
社長というのは、目の前の問題から目を背けてはいけないなと、改めて思った出来事でした。
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