笑顔のいれもの
「わたしたちのこころは穴のあいたいれもの」
父が亡くなる前の大仕事は
井上ひさしさんのお別れ会でした。
その会で流す曲に
父は戯曲『頭痛肩こり樋口一葉」の挿入歌を選びました。
「わたしたちのこころは穴だらけのいれもの。
生きていたころの思い出がその穴からこぼれてゆく。」
今でも
この曲を聴くと時空を超えて悲しみに包まれる。
さて、
昨日は44回目の生まれた日でした。
難産の挙句の帝王切開。
母は花畑をみたそうです。
わたしも、たぶん、死ぬところだったんだろう、な。
真っ暗で窮屈で、行き詰まった。押しつぶされそうになっていたところ、急遽、開かれて、きらきらする光に向かって急上昇する感覚が残っています。
バーストラウマでしょうか。
昨日、降りてきたメッセージがありました。
それは、「いれもの」と「あずかりもの」でした。
この体は天から預かっているものをいれる
「いれもの」
この「いれもの」所有してるって思ってたけど、
ざーんねん!
宇宙の時間からみたら
得意も不得意も
個性も性質も
「わたし」だと思っているものは、
ときがきたら、手放すことになるのでしょう。
天にお返しするのでしょう。
あっという間にこぼれてゆくのでしょう。
刹那でしょう。
なんと、尊いものでありましょう。
そんなことを思いながら夜眠りに着く前に
たどり着いたのは「この世界の片隅に」の言葉でした。
「このさきずっと
うちは笑顔のいれもんなんです。」
わたしも。
笑顔をどんどん入れていこうと思います。
こぼれても
こぼれても
泣き笑いになっても
泪と一緒に笑顔をこのいれものから溢れさせていこうと思いました。
44の秋。