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結婚する、運転

書いてる私は30歳になったばかりの女です。結婚してません。
※画像noteから掲載させていただきました

20歳のとき、付き合って1ヶ月で同棲した人がいた。
バイト先で知り合った2歳上の人。私は大学生で、彼はフリーターだった。

彼は一緒に住んでいた1年半くらいの間に
5回くらい結婚しようと言ってきた。
プロポーズなんてものではなく日常でだったけど
一度だけ、「ほら、婚姻届もらってきたで」って言われた。

嫌いじゃなかった、好きだった、一緒に暮らす毎日はとても楽しかった。
でも結婚はしたくなかった。
それがどうしてか、その時は全然言葉にできなくて
彼にそのまま伝えていた。
好きだけど少なくとも今は結婚はしたくない、
結婚したいなら別れてもいい。
〇〇が想ってくれてるほど私は好きじゃない。
喧嘩になるたびそんなことを言う私を本当に変わらず
好きでいてくれる人だった。
結局、就活が始まる前に私から別れを告げた。
「喧嘩はいくらでもするけど、別れようって言われたら止めへんわ」
言葉通り彼は受け入れた。

その当時もなぜ別れたのか分からなかった。
別れなくてももやもやして、別れても辛かった。
当時は、彼が私を好きでいるのと同じ熱量で彼を好きになれないことに
申し訳なさを感じていて
きっと彼にはもっと合う人がいると思うことで
そういう決断に至ったと思う。その後6年後くらい空いて
また連絡を取って二言目には結婚しようやって言う人だった。

もう別の人と結婚して子供がいるのでないと思うけれど
連絡が来るたび、この人を選べない自分が理由が分からなかった。
何人かと恋愛を重ねても、選べるならこの彼だって思うのに。
なぜか今、ぴったりな表現が思いついたので書き残す。



彼との毎日は、例えるなら
一台の車で、運転手は私だった。
助手席の彼はいつも私の方を見ている。
行きたいところがたくさんある私にどこ行く?って聞くけど
絶対についてきてくれる人だった。
たまに疲れて休んだり不安定で荒れ狂ってても
いつも変わらずそこにいて、笑わせたり癒してくれた。
彼に行きたいところはなかった、
彼の行きたいところは私がいる場所。
助手席にいることが最高の幸せで、それ以外なかった。
常に私の方を見ていた。
対して私は、前しか見えていなかった。未来に夢中だった。
横に人がいるのは安心感があって支えになったけれど
ずっと人を連れて行ける自信も、気にする余裕もなかった。
だから違和感に耐えられなくて下ろしてしまったのかなって。

運転を変わってもらえばよかった?
彼に運転されるのは嫌だったんだよね。まあこれが全てか。


男女が逆ならこれはうまくいく構図だったのかなとも考えた。
でもそれも違うんじゃないかと思う。

それぞれが一台ずつ運転しなきゃいけない、バイクのツーリングのように。


私の理想は男が前を走り、私が後ろで走る。

男は基本的に自由に私を気にせず走る、行きたいところにいく。
私は後ろを自由に追いかける、ついていく。

男がどうしても急に大きく曲がりたい時は、
後ろを振り返って教えてほしい。
曲がってもいいかは聞いてもいいけど聞かなくてもいい。
私がついていくと決めた人なら全て肯定する覚悟だから。

でももし男が振り返っても私がいないなら、それは察してほしい。
たぶん、事故に遭ってついていけなかったんだと。
消える時は綺麗に消えるから。


もしこの先結婚できたとして
バイクじゃなくて子供を乗せる必要があるとまた変わるんだろうけどね。
あくまで30歳でたどり着いた価値観と希望です。
彼と離れて進んだこの10年間に
後悔は一つもないくらいたくさんのことに挑戦したよ。
年収600万までサラリーマンやったし、19カ国行った。
ちなみにこの間2年付き合った彼と別れたショックで
大型二輪の免許を取りました。バイクいいよ。

男と女とか主語大きいかもだけどあくまで全て私の価値観です。
また素敵な人に会えるよう、がんばって生きます。

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