怯えと幸福は両立しない
私がこれまでの人生で、恐怖で行動をためらったことが何度かあります。
一つは、会社員を辞める時。
その頃はもう結婚もしていて、中小企業の経理の仕事をしていました。想像すると笑っちゃうんですけど、制服を着ていましたよ。仕事中はサンダルを履いていました(笑)
安定した仕事でしたけど、収入は少なく、私は副業を一生懸命やっていました。化粧品の仕事です。ネットワークビジネスではありません。ちまちまと売っては月数万円のお小遣いを得ていました。もちろんこれは生活費の足しになって消えていきましたけど。
ある時期からそのビジネスの仕組みを大きく変えたことで本業の収入を越えていきました。副業の収入が本業の倍になった時、会社員を辞めようと考えました。
でもこれが結構な恐怖で実行をためらったんです。副業は自営業です。もし売れなくなったら?って考えてしまいました。
夫はいましたけど、所得は高くない。私も家庭を支えなければならない責任がありましたしね。
副業がちょっとバレ始めていて、就業規則に違反していると指摘されることも増えました。このままでは解雇になるのは間違いありませんでした。
結局は当時知り合っていた友達の女性社長(24歳)に背中押してもらって仕事を辞めました。
結果として、会社員していたら得られない収入も人間関係もできたので良かったのですが。
前職は決して円満とは言えない辞め方だったと思います。評判は良くなかったかもしれません。
もう一つは、ある男性と深く関係を持っていく過程で。
魅力的な男性でしたが、普通の男性とどこか違い、のめり込んでいく自分に恐怖を感じました。今なら引き返せる、今ならなかったことにできる・・・と思いながらセックスしていました。
だから私のプライバシーのところを全部は開示しなかったり。独身の頃でしたけど出身の高校とか、家族構成とか、元の彼氏のこととか、そんなことを質問されると私の答えは・・・
「ご想像におまかせします(笑)」
言葉尻に半笑いをつけて言うような子供でした。
「ああそうか」って男性は合わせてくれていましたけど、今の私が男で、こんな小娘がいたらその場で縁を切ります。そんな人間と関わって想像しているような無駄な時間はないのです。
結局その男性とはいつの頃からか音信不通になりました。私が当時のガラケーのメールの返信をわざと遅らせていたら、向こうもメールしてこなくなり、そのままフェードアウトでした。
私はそれでも、それでホッとするような腐った女でしたね。
やっぱり関係が終わった、と言って安堵しているような。
これ、同じことをアキラ師という男性にやったことがあります。
アキラ師と知り合ったばかりの20代の始め。
当時は私の姉の彼氏で、誰も口を聞きたくないようなガラの悪いアキラ師でした。なんか嫌だったので親しくならないように壁を作って接していました。
アキラ師にある日なにか質問されたんです。それで私はいつものように逃げの決め文句。
「ご想像にお任せします(笑)」
アキラ師の顔が突然怖くなりました。
この男がそんな私に「ああそうか」なんて言うはずもなく。
「おまえは卑怯な女だな」とはっきり言ったんです。何を守ってんだと。
ハッとしました。
「カッコつけて怯えから逃げるなよ」
そう言うアキラ師に最初は腹も立ちましたが、今でも絡んでいます。
怯える自分を放置していた若い頃の私は、みじめで、貧しく、僻みっぽい女だったのです。傷つかないようにいつも誤魔化す、卑怯な女でしたね。
卑怯な私に、ああそうか、なんて言ってくれていた男達は、きっと私の人生にはなんの影響もなかった人達だったのだろうと思います。
本当に自分の人生を強引に変えてくるような出来事は、自分の心地良さをはるかに裏切ったやり方でやってきます。
ものすごいストレスと共にです。
快適な生活は思い切りかき乱され、一時も安心はできなくなり、事あるごとに大小様々な決断を迫られて。
それは仕事でも恋愛でも。そこから逃げるのは簡単なようで、実は退化する選択をするということ。
いい男から逃げるのは簡単ですが、その後二度と自分の心地良さを裏切るすごい男との出会いはなくなります。
転職のタイミングじゃないとか頭良さげなことを言っていると、一生そのタイミングなんか来ない。
前に進むしか、人生を変えるチャンスをものにできません。
人生が変わるとき、幸せ感はそこにはゼロです。
運命の出会い!わたし幸せ~とか思っているとしたら、それは運命でも幸せでもありません。いずれ飽きて捨てるブームみたいな気の迷いです。
優等生ぶって、「お父さんに理解される」選択ばかりしていると、あなたの人生は想定内で終わります。
女性であれば、見た目が老けた分、ババアになるだけということです。想定内でババアになって終わる。
人生が変わる時は、白髪が生えるほどのストレスです。そのストレスは絶対に楽しません。人生の変化を楽しみます、なんてウソですよ。
でも、受け入れるのは覚悟だけが必要。
人生を変えたいと思ったら、今アナタの目の前にある、不自然で怖いもの・人から逃げちゃ駄目なんです。