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準備の2024、抱擁の2025 #交換留学日記20
2024年12月30日 2度目の訪問、2人目の友達
お世話になった友人の家を出発。駅まで送ってくれた。
ラトビアもそうだったが、ドイツの電車は改札がない。
チケットを車内で確認されるが、無賃乗車もできなくはない。
車掌さんがチケットを確認した時に無賃乗車だとわかれば、もちろん罰金が課されるけれど。
友人の暮らす街から、ハンノーバーという、ちょうど去年の今頃おとずれた街へ。
別の友人に会うために一泊することに。
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ヨーロッパにいるあいだに、ヨーロッパに暮らすともだちに、なるべく会い尽くしたい。
ちなみに、せっかく奮発してシングルルームをとったのに、夜、シャワーのお湯が出なくて、かなりショック。
体も冷えるし生理だし、友人と楽しい時間を過ごしたのに、なんだかスッキリしない夜だった。
2024年12月31日 弱きを抱き、強きを耕す
ドイツからオランダへ帰ります。
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大晦日は、友人ふたりと一緒に過ごすことになっていた。
わたしが二週間の旅を荷解きしている間に、彼女たちが買い出しをしてくれ、友人宅で闇鍋。
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「2024年の反省と2025年の抱負をシェアしよう」とのことで、ひととおり鍋を楽しんだら、それぞれ去年の振り返りと来年の抱負を話した。
闇鍋を食べている数十分で、何があったかおぼろげな記憶を探りつつ振り返った内容だから、後から「そういえば」と付け加えられることもあるかもしれないけれど、気づけば2024年は、ただひたすらに周りから受け取り、準備に終始した。
ラトビアで春学期を乗り越え、夏は日本に一時帰国し、オランダで新しい生活を始めた。
居住する国を、3つ渡り歩く、稀有な一年だった。
再会した方々に愛をもらい、新しい友だちができた。
新たな環境に自らをさらすことで、意図せず背負った自らの’特権’──日本生まれ・育ちであること、日本語話者であること、健康であること、仕事があり、旅ができ、大学院に通って勉強ができることなど──を直視し、呆然としたことも多々あった。
わたしがわたしであることで、無意識に誰かを傷つけ、誰かに傷つけられることもあるのだと知った。
「周りの恩に報いたいが、誰に何をかえしたいの?」
「優先順位は?」
「順位を決める権利なんて、そもそもわたしにあるのか」
「優先順位を決めたたところで、恩を返せるだけの身の丈があるのか」
──と、コントロールできない特権性に煽られた風圧で、しどろもどろ、受け取ることに精一杯だった。
無自覚な特権が、理不尽な暴力に加担する構造に、生まれた時から組み込まれている無力感。
その構造を俯瞰しようとすれば、自分の生活圏からはみ出た出口のない泥沼にはまり、意図的に理不尽に対峙しようとすると、会ったこともない人たちの、手に追えない欲望の濁流に飲み込まれて、気力も知力も追いつかない。
この徒労感に、今までいったい何人の人が打ちのめされ、沈黙に追い込まれたのだろうか。
誰にも知られなかったこと、語られなかった時間の重なりの上に、自分は立っているのだ。
2024年は、自分の無力と弱さを、反芻しているうちに終わった。
反芻したところで、結論は出ていない。一朝一夕で克服できる弱さでもない。
だから、2025年は弱きを抱く。
打ちひしがれているだけでは終われない。
けれど、使える特権は使わせていただく。
誰かを虐げるためではなく、自分や誰かの強さを耕すために。
去年の今ごろ、オランダで暮らすことは決まっていなかった。
今までの北海道、鹿児島、ラトビアへの留学も含め、想像しなかったことが、毎年起きる。
想像しなかった場所で、年越しをしている。
だからきっと、来年も、いま想定していないことが起きるだろう。
待っていろ、2025。
2025年1月1日 Gelukkig nieuwjaar
23時少し前になって、プロジェクションマッピングが行われると聞き、友人たちと市街地へ。
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ユトレヒトでは、手持ち花火をあげるのは禁止。
けれど、12月30日ごろから、近所の住宅地でも花火というより爆竹のような音が、あちこちから鳴り響いていた。
市街地へ自転車で向かっている最中も、あちこちで連続する発砲音のような大きな音と共に小さな花火が数メートル上がって弾けている。
わたしはどうしても、この花火の音が苦手で、あまりおめでたい気持ちにはなれなかった。
とはいえ、一人で年越しせず、友人たちとカウントダウンできたのは、きっと忘れない。
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この日の夜から、自転車でも煽られるほどの強風が。
パーティー好きのオランダ人も、寒さと風の強さのあまり、早めに退散していた。
友人の家で一晩明かし、翌日は昼頃に起き、闇鍋の残りを食べながらダラダラしゃべっていた。
強風に、昨日の夜の花火のごみが舞い飛んで、情緒もへったくれもない。
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日本の大晦日からお正月にかけて感じる、トンネルを抜けた直後の直射日光のような、立ち向かう準備ができていないまぶしさのようなものが、ほとんどない年末年始だった。
良いのか悪いのか分からないが、明日からオランダはバスやお店など、ほぼ通常営業に戻るらしい。
新年のまぶしさを引きずらない淡白さは、名残惜しさもほどほどに、新しい行動へ切り替えるにはちょうどいいかもしれない。
2025年1月2日 二週間ぶりの快晴
昨日の暴風雨の影響か、今日は朝から青い空。
パリにいたとき、数時間だけ見た青空以降、ベルギーでもドイツでも、ほとんどずっと曇りだったから、思わず空に向かって手を合わせた。
隣町のカフェへ行き、日本にいる友人と電話。
筋が通っているのかいないのかよく分からない、取り留めもない話を聞いてもらい、青空も手伝って、すっきりした。
途中、もちろん小雨は降るが、ずっと太陽が見えていて、去年の1月2日を思い出した。
一年前、石川県で地震が起き、翌日は羽田空港で事故があった。
当時は日本人の友人たちと一緒にいて、事故や地震の話題に触れつつも、少しでも気分を立て直そうと、年始から営業していたカフェへ行って、その時もわずかな晴れ間がのぞいて、どん底まで塞ぎ込まずに済んだ。
平穏に終始するどころか、ますますきな臭くなるニュースばかりだけれど、その深淵に足を絡められるものか。
2025年1月3日 勉強再開
三が日という概念がないため、大学の図書館へ。
ユトレヒト市街地の大学図書館は大晦日や元旦も開館していたらしく、大学生の忙しさを物語っている。
わたしも来週、プレゼンテーションが控えている。
クリスマス休暇から、脳が完全に目覚めていないのか、一本のテキストを読むのに通常の1.5倍くらい時間がかかった。
大学の今季の授業は、あと3回しかない。
これが終われば、次はいよいよ修士論文に全力投球。
他にもあれこれと計画していることはあるけれど、もう少し、実現可能性が明確な行動に、一つひとつ具体化したい。
今まで、何をするにも行き当たりばったりだったけれど、今年は作戦を変えてみる。
行き当たりばったりでも、悪いようにはならないだろうが、背伸びをした目標に対して、体当たりで砕けるほど、時間もお金も若さもない。
とはいえ、したたかにもなりきれず、泥臭さは変わらないのだけれど。
2025年1月4日 アムステルダムで遊ぶ
年末年始を共に過ごした友人たちとアムステルダムへ。
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友人たちはゴッホ美術館、わたしはその向かいに位置する、コンテンポラリーアートの美術館へ。
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閉館間際、売店でポストカードを選んでいたら「それぞれが好きそうなカードを買ってメッセージを書いて贈り合おう」と話している男女がいて、かわいかった。
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そのあと、Red Districtという公認された買春が行われているエリアへ。
写真撮影は禁止されている。
ストリップショーやセックストイのお店が並び、公道沿いに赤い枠とライトの窓がいくつも並んでいて、街路を歩く人たちに向かってサービスをする女性たちが見えるようになっている。
窓越しにアイコンタクトをしている女性もいれば、タバコを吸いながらスマホをいじって休憩中の女性もいた。
当たり前だけれど、どの人もきれいな曲線美で、性的に興奮することはないが、ジッと見入ってしまった。
時折、観光客なのか地元の人なのか分からないが、扉を開けて値段交渉をする様子が見られた。
ちなみに。
偶然立ち寄ったベーカリーが地元の人たちの行列ができていて、美味しかった。中心地から少し遠いせいか、値段もリーズナブルだった。
2025年1月5日 雪だ!
朝、起きたら、わずかに雪が積もっていた。
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確かに昨日の夜、自転車で走ると耳が切れそうなほど寒かった。
買い物をしに、近くのスーパーへ行くと、誰一人歩いていなかった。
雪が雨に変わり、ほとんどすべて溶けてしまった。
明日から最寄りの大学の図書館も再開する。
今夜、冷えると道路が凍結するだろう。
せめてあと二週間くらいは、自転車通学させてほしい。
今週の余談:性的な話をどこまでするか
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