落ち込むこともあるけれど私は元気です #ラトビア日記 32週目
2024年4月1日 ポカポカ
今日から年度はじめらしいが、こちらにいると年度という概念がないため、あまり切り替わった感じはしない。
秋学期で修士2年になるわけだが、日本の感覚でいると、切り替わりのタイミングで変に煽られなくて、気持ち的には穏やかでいられる。
春は毎年メンタルがゆらぎやすいので、乱されないのは助かる。
今日はじめて、ダウンを着ずに出かけた。
陽射しもあって、きもちがいい。
この陽気がずっと続けばいいのにと思うが、今週また気温が下がるみたい。
からだ、がんばれ〜負けるな〜〜。
2024年4月2日 春霞
黄砂ならぬ、サハラ砂漠からの風で空が霞んでいる。
曇りかなと思ったら、砂漠の砂の影響らしい。
こころなしか、喉がカサカサするなと思ったのは、そのせいだったみたい。
世界のどこにいても、どこかの大陸や国の影響を受けるのだな。
砂漠が広がれば、もっと被害が大きくなるかもしれない。
ラトビアのメディアが「外に出ないように」と注意喚起しているのを見て、これからは専用マスクなども出てくるのだろうかと想像し、ディストピアは遠くない未来に思えて、なんだか落ち込んでしまった。
夕方ごろには、少し霞もマシになっていたから、ちょっとだけ散歩した。
2024年4月3日 いつも自然は
授業がある建物へは、よほどの悪天候でない限りは歩いて行く。
道中の植木が、あちこちつぼみを膨らませている。
あたたかくなったり、と思えばみぞれのような雪が降ったり。
4月になっても、なかなか安定しない気候だけれど、植物が時間の進みを教えてくれると、なんとなく安心する。
授業後も、暗かったけれど、頭をリフレッシュしたかったから、歩いて帰った。
帰って窓際に置いた鉢を見たら、冬の寒さで葉っぱを落としてしまったゴムの木から、新芽が出ていた。
植物は、強いなあ。
2024年4月4日 あとちょっと
授業が、いつもより一コマ少なかったため、早めに帰宅。
ラトビアの今の日の入り時刻は20時台。
だから夜でも薄ら明るい。
これから歩いて帰れるようになるなあ、と思いながら大学のスケジュールを見ると、もう授業はあと1ヶ月くらいで終了だった。
え?
春学期が過ぎ去るの、めちゃくちゃ早いんだが。
あと約2ヶ月後には、日本に一時帰国する。
なにこれ。はやない?
修士2年なんて、このスピード感でいくなら、あっという間だな。
2024年4月5日 27時間睡眠
ぐったりしすぎて、記憶なし。
27時間くらい寝ていたのでは? 眠りすぎて、タイムスリップしたかと思った。
社会人のとき(特に東京暮らしのとき)土日のどちらかは、泥のように眠って一日過ごしていたことを思い出した。
ちなみにこれを書いているのは、4月6日の、朝6時。
2024年4月6日 幸せのハードルが下がると幸福度が上がる
昨日、泥のように眠ったのは、おそらく心理的ストレスも原因だ。
ちょっとかなしいことがあって(後述)、そのダメージから回復するために身体が冬眠モードに入ったのだと思う。たいていのストレスは、それで乗り越えてきた。
落ち込むことがあれば、元気が出ることもある。
ラトビアに来て初めてできたラトビア人のともだちが、リサーチに協力してくれるという。
しかも、家にお邪魔して、ごみ箱を見せてもらうという、日本人相手でもまあまあハードルの高いリサーチ取材を、快諾してくれた。
うれしくて、連絡をもらったとき、ちょっと泣いた。
彼女は「あなたと話していると元気が出る」と言ってくれたことがあった。
彼女だけでなく、一緒にリサーチをすることになったクラスメイトにも「あなたは前向きだし、一生懸命だ」と言われた。
わたし自身、オープンマインドで誰とでもすぐ仲良くなれたりおしゃべりしたりするタイプではない。だから、そう言ってもらえたことが驚きだったし、わたし自身がとても励まされた。
一人で見知らぬ土地に来て、一人暮らしをして、勉強もして……という日々の中で、落ち込むことや負のスパイラルに落ちることもある。
ネガティブがバネになることもあるが、ほどほどにしないと、わたしの場合はしんどすぎてサバイブできない。
いかに小さな楽しみを見つけ、それで心を満たすかというスキルが上がる気がする。
だから晴れただけでスキップするほどうれしくなったり、授業でクラスメイトとおしゃべりできただけで穏やかな気持ちになったり、茶色い枝木にぷっくりしたつぼみを見つけたり。
「健康に生き延びる」を最大の目標と最優先事項に据えると、こじつけることなく、幸せのハードルが下がる。
このハードルのまま、日本でも生きていけたらいいな。
2024年4月7日 ラトビアに来て、一番うれしかったこと
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