見出し画像

未来の話ができるのは特別なことかも|#ラトビア日記 17


2023年12月19日 早起きday

 日本の仕事のため、早起き。

 旬の柿に、クリームチーズとはちみつをかけて食べたら、おいしすぎて朝からごきげん。

 そのあと、早起きしたこともあってか日中眠すぎて、お昼寝。

 冬至に向かって、日照時間がどんどん短くなっているように感じる。それに比例して、眠気も強まっているような。

 明日も早起きだ。

 明日は、居住許可取得後にやるべき、IDの取得の手続き。

 役場みたいなところに行って、顔写真撮影と指紋登録をしなければならない。

 リガ市内の受付は、いくつかあるが、どこもとても混むため、朝から並んでいた方がいいというアドバイスをもらっていた。

 当日、何を持っていくべきかの情報も、聞いた話と大学からもらった案内とで違うところがあり、まあまあ迷走中。

 とりあえず、大事そうな書類は全部持っていってみよう。

2023年12月19日 少しずつ前進

 朝6時ごろ起床。熱いほうじ茶を水筒に入れ、いざ、移民局へ。

 8時開館だが、遅くとも30分前には着いておいた方がいいと言われていたため、7時前には出発。

朝7時。夜7時と変わらない暗さ

 到着したときには、すでに10人弱の人たちが入り口の前で待っていた。

 みんな黒いダウンを着て、寒いからフードをかぶって下を向いてスマホをいじっている。

 並んでいる人たち、ぱっと見は全員男性だった。どこから来た人たちか分からないが、列に近づくと、早朝のにおいがした。

 海外の長距離バス停の駅とかも、似たようなにおいがするんだよな。スパイスというか、ちょっと炒飯みたいなにおいというか……。

 朝から行列に並ぶなんて、トランジット先から飛行機に乗るときか、東京に住んでいたときくらいだろうか。

 移民だあ、とまた実感する。

 決められたルールに則り滞在しているが、身元は保証されていない(これからその手続きを踏むから)あいまいな立場。

 8:00に正面玄関が開き、2階に上がって番号札を受け取る。

 自分の番が来たら別室に行き、顔写真撮影と指紋登録。2日後に、IDができるとのこと。

 この流れの詳細は、後日、べつのnoteに書きます。

 移民局を後にし、近くのカフェで課題。

 日記に書いたか忘れたけれど、ラトビアの生ごみ分別についてテーマ設定をし、任意のリガ市民2名に、インタビューをした。

 その文字起こしのコーディングという作業の練習が、今回の課題。

 頻出する単語やキーワードを抽出し、それらの背景にある文脈を具体的な見出し(単語)にカテゴライズしていく。

 記事を書くときと似ている。

 コーヒー一杯とクロワッサンで、結局5時間くらい居座ってしまった。

 夜は、ラトビアラジオ合唱団のコンサートへ。

 団員の皆さまは黒い立襟のお召しもの。以前のコンサートでは女性はスパンコールが散りばめられたキラキラドレスだったから、今回は一転、厳粛な雰囲気。

 クリスマスツリーを背に、教会で1時間半のプログラム。

 以前も思ったけれど、合唱団の人たちの声が、いったいどこから出ているのか分からない。喉から出ているとは、とても思えない。

 人の声というより、音に近い。光に音があったら、こんな感じかな、と思う。

 今回は、チェロとバイオリンの演奏も。それぞれのソロの演目が、いくつかの合唱曲にサンドイッチされていた。

 最後の作品は、ラトビアの曲だったらしく、今回の演目の中で一番好きだった。

 行儀のいい和音より、不協和音というか、不意を突かれるような音のほうが惹かれるみたい。

 初めてラトビアの合唱を聴いたときは、圧倒されて涙が止まらなかった。

 今回も、窓がないはずなのに風が正面から吹いているような気がして、目を離さないでいるのに必死だった。1時間半、あっという間だったな。


2023年12月20日 秋学期最終日

 朝、日本との打ち合わせ時間を勘違いし、寝坊しかける。

 いまは冬時間だから、7時間時差なのだけど、うっかりしていた……。

 今週は、毎日早起きしているな。

 毎週金曜日のラトビア語初級講座は、先生の風邪が治らないらしく、結局今週の授業はなくなったと連絡あり。

 年明けのテストもオンライン。

 ゆるすぎるな。助かるけど。

 ということは、今日が2023年秋セメスターの授業最終日。

 なぜか11月、12月に入って提出した、いろんな授業のエッセイの評価が全体的に高くて、うれしい。

 奨学金を取りに行きたいから、成績がいいのはありがたい。

 今日は3コマ受けて、無事終了。

 ファイナルエッセイの説明を受け、それぞれ大変そうだけど、ぜんぶテーマを自由に設定できるのが助かる。

 ここでも、枠にはめられたくない病の自我の強さが出ている……。

 いくつかあるエッセイのうち、一つは、もう少しテーマを練らなければならないが、ラトビアの生ごみ処理について調査する予定。

 明日は、いよいよIDをもらう日!

 また早起きしなければいけないので、さっさと寝よう。

2023年12月21日 ついにIDゲット!!!

 朝、6時起床。深夜かと思うほど暗い。

 明日が冬至。明日を越えたら、少しは日が長くなるかな。

 移民局へ行き、無事IDをゲットしました。

オレンジの建物が移民局

 わたしが対応してもらった移民局の受付の女性は、1回目も2回目も、物腰やわらかく親切な人たちでした。

 IDを受け取ったらそのまま近くのカフェに寄り、ささやかなお祝いブラウニーを食す。

お疲れ自分

 カフェで原稿を書き、歩いて帰宅。

クリスマス直前でどことなく街がにぎやか

 たかがID、されどID。

 公式に、合法的に、ラトビアにいられるということの安心感たるや。

 今までも違法滞在していたわけではないけど、なんとなく浮いているというか、RPG感が払拭できなかった。

 もちろん、完全なラトビア人にはなれないし、居住許可も更新しなければいけない。

 どこまでいっても“よそ者”だけれど、“よそ者”の中でも、いろいろなカテゴリがあるなと感じる。

 わたしが海外で暮らすことに興味を抱いた一つの理由に「消費者ではなく、現地の社会に還元・提供する経験をしてみたい」という好奇心がある。

 居住許可が得られれば仕事もできるし、税金を払わなければならないし、もうお客様では、ない。

 それがつまり社会に還元できる立場になったということなのかは、まだ分からないけれど。

リガ芸術学校

 夜は、クラスメイトに誘ってもらい、ギャラリーをいくつかはしご。

 リガの芸術学校は、学生たちが作品作りをしたり授業を受けたりしていて、すごく活気があった。学生の作品を購入できる。

 わたしたちが通っているラトビア大学のキャンパスは殺風景で、節電の影響で暗いし、寒いし「大学ってこれくらいの活気が欲しいよね」という話をした。異分野の学生とも気軽に会える距離感のキャンパスの方が、楽しいよな。

 最後に寄った油絵をベースにした展示は、くだものや花がモチーフの作品がたくさんあったのだけど、ものすごく瑞々しくて、元気をもらえた。

 誰かの表現に触れるの、水やりみたいだ。あげ過ぎも良くないけど、ないと枯れてしまう。誘ってくれたクラスメイトに感謝。

2023年12月22月 冬至

 今日は冬至。日の出は9時。

 ひさびさに目覚ましをかけずに寝た。起きたのは9:30ごろ。お日様と共に起床。

 冬至だからなのか、連日の早起きの影響か、とにかくめちゃくちゃ眠い。

 体調が悪いのではなく、ひたすらまぶたが重い。こんなこと、人生で初めてだ。

 結局、お昼寝のつもりで午後ベッドに横になったらそのまま夜の9時くらいまで起きなかった。

 夜は、大学でセメスターの終了を祝うパーティがあって、出席しようと思っていたのだけれど、起きたらもうパーティ終わってた。

 大学生がたくさん来るみたいだったし、賑やかな大人数のグループは苦手だし、まあいっか、と思い、再び寝た。どんだけ寝るんだ。

2023年12月23日 これがラトビアの大晦日

 今朝もやっぱり9時過ぎにならないと起きれなかった。

 朝ゆっくりできるの、いいな。

 午後から、少し中心部から離れたクリスマスマーケットへ。

 旧市街地の華やかなマーケットと違い、ローカル感があってよい。

 そのあと仕事をして、買い出しして帰宅。

 明日はクリスマス! 街中はいつもより人通りが多くて、クリスマスツリーを持って歩いている人もちらほら。大きな箱や袋をかかえている人も。クリスマスプレゼントかな?

 日本の大晦日みたいだなと思った。

 クリスマス当日は、閉まるお店も多い。どんな雰囲気になるのか、楽しみ。

2023年12月24日 クリスマスイブ

 今日は、クリスマスイブ! 何曜日なのかよく分からなくなるが、今日は日曜日だ。

 だからか、朝から窓の外の人通りが少ない。もちろん、クリスマス休暇で家で過ごしている人も多いのだろう。

 夜にパーティーをするため、持っていくおかずを作る。手巻き寿司パーティ。とはいえ、魚をさばく技術はないので、北欧あるあるのサーモンを。あとエビツナマヨ。カリフォルニアロールもバカにできない。

 それから、レンジでできるポテチを作ってみる。インスタで見つけた、揚げないポテチ。ものすごい縮んでバナナチップスみたいになったけど、まあまあな仕上がり。

 そろそろセメスター終了までの課題の予定と、来年から始める仕事を探し出さないと。あと、奨学金申請のための書類。やることいっぱいだ。

 とりあえず、今日はクリスマスパーティを楽しみたい! 行ってきまーす。

今週の雑記:未来のことを考えられるのは一部の人だけなのかもしれない

ここから先は

758字

¥ 100

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

読んでいただき、本当にありがとうございます。サポートいただいた分は創作活動に大切に使わせていただきます。