ドラマティック・レス(仮)
「やっぱさ、家から10分以内にWi-Fiがあるカフェがないと、何したらいいか分からないじゃん」
サエは、そう言いながら、わたしが淹れたレモングラスのハーブティーをすすった。
レモングラスは、サエが来ると聞いてから、いそいで刈りとって、初めてパラパラになるまで乾燥させたハーブだった。それまで、何度かハーブをドライにするべく、軒下に干したり、土間の天井に吊るしたりしたけれど、空気のめぐりのせいか、この土地が溜め込む湿気のせいか、欲しいタイミングで、うまく乾燥しなかった。
「休みの日とか、何してんの?」
ここから先は
2,048字
アトリエ「ウラリンナンカ」
¥296 / 月
初月無料
小説やエッセイを書いたり、創作意欲を刺激される漫画、映画、本、舞台などのカルチャー作品を紹介したり、ときには洋服や小物をつくったり。 創作…
読んでいただき、本当にありがとうございます。サポートいただいた分は創作活動に大切に使わせていただきます。