見出し画像

早く行くのも遠くへ行くのも、ときどき一人、ときどきみんなで

 おまじないのように、時には自分をなだめるために、声には出さず繰り返していた「早く行くなら(以下略)」の、ことわざ。

 たしかに、早く目的地へ辿り着きたいなら、一人で出発すればいい。

 日程を合わせたり、好みを妥協したり、あっちを立てたりこっちを立てたり。

 誰かと何かを成し遂げるには、多かれ少なかれ、調整に時間を費やす。

 多少、目的を妥協してでも、早く到達することを優先させるなら、さっさと一人で向かえばいい。

 いっぽう、遠い時間軸を歩むなら、「今ここ」との距離をあやつる必要が出てくる。

 より広く、鳥の視野で、半径数メートル以内にいる自分以外の誰かの歩幅に合わせてみる。

 そうすれば「気づいたらこんな遠くまで来ていた」なんてこともある。

 他人の歩みは、自分の歩みと違うリズム。

 翻弄もされるが、自己満な想像力の外へ連れて行ってくれる。

 手っ取り早い達成感よりも、一人ではどうにもできないことを時間を惜しまず成し遂げたくて「遠く」へ行ってみようと思い立ったのが、2年前のコロナ禍。

 そして実際に「遠く」へ行ってみたくて、環境を変えたのが一年半前だ。

 「遠く」へ、来れた?

 どうだろう。

ここから先は

1,343字

¥ 300

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

読んでいただき、本当にありがとうございます。サポートいただいた分は創作活動に大切に使わせていただきます。