特別でなくても特別な日(7日目)
今日、チェコは「チェコ国家の日」という、祝日。
朝はグレーな空に、冷たい雨。
滞在2日目にして、チェコの秋に翻弄される。
結局、このあとスッキリ晴れて、こぼれるような日差しをいっぱいに浴びることができたのだけれど、それは午後になってから。
朝、小雨が降る中、友人の事務所に遊びに行く。
地元の人の生活空間を覗き見るのが好き。
彼は建築を学んでおり、今もそれを生業にしているが、建築と一言に言っても、いろいろなセクターや専門性があるらしい。
彼はその中でも、建築物の完成予想図をグラフィックに起こすことに特化したユニットを友人と組み、さまざまなプロジェクトを引き受けながら、仕事をしている。
フラットの1階を5人でシェアしており、一人はセラミックの作家、二人は建築のユニット、そしてもう二人が、わたしの友人が組んでいるユニット。
オフィスを訪れると、友人がシェアしている別のユニットの一人がお味噌汁を作っていた。わたしが来ると知っていたみたいだけれど、彼にとってはいつもの食事らしかった。
乾燥椎茸と大きめにカットされた昆布、細切りのにんじんが入ったお味噌汁を分けてくれた。
思わぬ朝食をいただいた後、コーヒーを飲みに別のカフェへ。
プラハには、たくさんの素敵なカフェがある。
ヨーロッパの建築あるあるかもしれないけれど、通りに面している小さな扉をくぐると、ロの字型にフラットが立っていて、1階にはカフェやレストランなどのお店がテナント(?)として入っており、ロの字の中央の中庭には、アウトドアのテーブルと椅子が適当に並んでいることがしばしば。
初めて行くとき、しかも一人だと、表は小さな扉や入り口で暗いから、少し勇気がいるのだけれど、思い切って入ると名店があったりする。
とはいえ、わたしが今朝友人と行ったのは、ふつうに街角にある、かわいいカフェだったのだけれど。
その後、ナショナルミュージアムで企画展を見て、街中を歩き回った。
石畳の上を歩き続けるのは、思いのほか足が疲れることを、夕方になって思い出した。それくらい、かかとが重い。ふくらはぎが張っている。
プラハはどこも節電・節ガスのため、暖房も最小限にしているようだ。
ヨーロッパの断熱は日本の比じゃないくらいガチガチなのだけれど、どこへ行ってもうすら寒かった。
石畳の上の長距離散歩と、薄寒さとが祟ってか、今日は格別に疲れた。
シャワーを浴びるために脱衣所の鏡を見たら、ほっぺが真っ赤で疲労が顔にべったり張り付いている感じだった(ほっぺの赤みは寒暖差によるもの)。
本当は明日、市街地を離れて少し森や山に近いところに遠出しようかと思っていたけれど、あまり無理しないほうがいいかもしれない。
クタクタになって、友人の事務所に戻る。すると、朝は会えなかった、友人のパートナーと会い、あいさつ。
こうやってカジュアルに、職場に友人を招いたり、引き合わせたりできるの、人生における仕事と暮らしのグラデーションを明確に線引きしていない感じがしてよい。やっぱり、カッツリ分けるのは、なかなかわたしにはむずかしい。
同僚を紹介してもらえてうれしかったけれど、とはいえやっぱりクタクタで、これから寝支度。
毎年、自分の誕生日には、自分の好きな場所(主に海外)にいるという、自分への約束を、今年は果たせて、本当によかった。
めも
今日たまたま行った広場で出くわした、「祝日だから盛り上がっているな」と思って見ていた人だかりは、実は反政府デモだったと、帰宅後に知った。
Thousands rally to demand Czech government's resignation|The Washington Post
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