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余白を楽しみ、過程を味わうこと

私の人生に「速い」や「効率」は必要ないなあ、と感じたのは新幹線に乗って次々と移り変わる景色を眺めていたときのこと。速い、速すぎる、と感じながら東京から福岡の道のりを新幹線で移動していたとき。

今日は速すぎるスピードで日本を駆け抜ける新幹線に乗りながら考えていた、人生を豊かにしてくれるもの、価値観について。

私の人生を豊かにするもの

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「人生を豊かにしてくれるもの」って、人によって全然違ったりする。

ブランドものが好きな人にとっては、「いいものを買って自分に自信を持つこと」
スピード感が好きな人にとっては、「とにかく効率的に物事を進めていくこと」
人と会って話すのが好きな人にとっては、「たくさんの人との出会いを楽しむこと」

たぶん、きっと一人ひとりが少しずつ自分なりの「これを大切にしたいな」というものをもっているんじゃないかな。その好きなことに価値を感じて、お金を払って、それを享受する。

そして、それは私にとって「余白を楽しみ、過程を味わうこと」なんだと思う。結果とかスピード感とかよりも、その寄り道の途中で感じたことやわずかな日々の間で出会うものを味わっていたい。

もちろん仕事をするにあたっては別軸として、スピード感や効率は大切だと思うけれど。今回は「人生を豊かにする」という点だけにおいて気持ちを整理してみると、やっぱり私には速さや効率よりも「余白を味わう」ことに、徹底的に価値を感じている。

私にとって新幹線は速くて便利、ではなくて

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ここで、冒頭の新幹線の話に戻ろうと思う。新幹線での移動のときのこと。今回の新幹線移動は東京から福岡。時間にして5時間ほど。このあいだに、ひたすら新幹線は街から街を通過していく。

次々に移り変わる景色を見ながら思ったのは、「速くてあっという間に目的地に着けて便利だな」ではなく「降りたい街がたくさんあるのにもったいないな」ということだった。

東京から福岡を走る新幹線、それはもうたくさんの街を通過していく。東京を出れば海が一望できる小田原や熱海、それを過ぎると富士山が見えてきて、生まれ育った岐阜や名古屋の見たことある景色を眺めて、琵琶湖を遠目で見ていたらすぐに東寺の五重塔が見える。また少し違う雰囲気の関西を越えて、岡山に入るころには山が多くなりトンネルを走っていく。大好きな尾道の街がちらっと見えたと思ったら、山口の太陽に輝く海が見える。いつ本州から九州へ渡ったのかも分からないほどあっというまに福岡へ。

こんなにたくさんの思い入れのある大好きな街たちを、たった5時間で通過してしまった、となんとも物足りないような、寂しいような気持ちになったのだ。

「あぁ、私は新幹線の速さや効率のよさに魅力や価値を感じないんだな」ということを悟り始めたきっかけ。

もちろん、新幹線の速さはとっても便利だ。忙しいときでも座っていれば目的地にたどり着く。シートはリクライニングできて快適だし、コンセントも付いているので仕事もできる(私は速さに酔ってできなかったけれど)。本当に便利だと、思う。けれど、私はその便利さや速さに対して私の価値観の物差しで100%「いい」とは思えなかったのだ。

これはもう、人それぞれの価値があるので、しょうがないと思う。速さや便利さを享受して効率的に動くことに価値を感じる方には、新幹線はとっておきの魔法みたいな乗り物だ。その価値をしっかりと感じるからこそ、気持ちよく対価としてお金が払える。

一方、私みたいに「ゆっくり」「余白」「過程」「寄り道」などに価値を感じている場合、速さに価値を感じていないにもかかわらずそれだけのお金を払わないといけないのか、ともやもやしてしまうのだ。(新幹線が速くて便利なのは、しっかりと頭で分かった上で)

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思えば、この半年ものあいだ、日本全国で旅するように暮らす多拠点生活をしてきて。移動はすべて在来線や長距離バス、フェリーだった。単に「お金を節約する」というわけではなくて、「のんびり、道中の景色も楽しみながら、たまに途中下車しながら楽しみたい」と無意識に思っていたのかもしれない。

のんびりと何をするわけでもなくぼーっと車窓からの景色を眺めたり。「わ、この街よさそうだな~」と思った街をGoogleマップで調べてみたり。外の景色に飽きたら本を広げてみたり。そんなことをしているとあっというまに目的地に到着する。そう、この無駄なような時間こそ、私が感じる価値そのものなんだと思う。

余白を楽しみ、過程を味わうこと

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ここまで話してきたとおり、私にとっては「余白を楽しみ、過程を味わい、寄り道をすること」がなによりも大切にしたいこと。

たとえば、派手にバズったりフォローワーさんが増えたりはしないけれど、コツコツとInstagramを育てているのも、その”コツコツの過程”を楽しめているから。

散歩したりカフェでぼーっとコーヒーを飲んだりするのが好きなのも、その”なにもない余白の時間で生まれる思考や感情”を大切にしたいから。

移住先をパッと決めればいいけれどふらふらと風のように旅暮らしをしているのも、”いろいろな場所に行って寄り道をしたい”から。

効率化やスピード感とはかけ離れた、「過程や余白、寄り道」をすることによって私の日々は積み重なっているのだと思う。その、今の時代では「無駄な時間」「非効率」と言われる部分にこそ、私自身の感情や日々の暮らしが存在する。

だからこそ、新幹線の速すぎるスピードは、”私の人生を豊かにする”という点においては必要ないのだ。

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これからも、途中下車したり、途中にある街に立ち寄ったり、過程や寄り道を存分に味わうことを大切にできる自分でいたい。そんな過程や余白を大切にして、そこから生まれる感情をめいっぱい愛したい。

たどりつくゴールを味わうのも大切だけれど、それまでの過程も楽しみたい、な。


と、新幹線のなかでこんなにも思考を巡らせているのは私くらいだろうな~。とはいえ、3年前に当時の恋人と名古屋と東京で遠距離恋愛をしていたときの私にとっては、「仕事の定時後、一刻も早い新幹線に乗り込む」ことがすべてだったなぁ、ということを思い出した。


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