京都暮らしの備忘録Vol.4「祇園祭に毎日通う」
7月の京都、街全体がお祭り気分で浮き立っていて、その空気の中で街を歩いていると、とってもワクワクした気分になる。そして、京都で仮暮らしをしている私は、祇園祭の魅力にどっぷりと浸かってしまい、毎日のように祇園祭に通っている。
祇園祭について全然知らなかったけれど、知れば知るほど面白くなってきたので、ちゃんと祇園祭を知って楽しむことにした。毎日四条や烏丸に通って、祭りの雰囲気を存分に楽しむ、その途中経過について。
7/13
地域ごとに山鉾を組み立てている最中の時期。ひとつずつデザインや組み立て方、形が違っていて、見れば見るほど面白い。7月13日の朝、烏丸あたりを散歩していたら、ちょうどまさに組み立て真っ最中の山鉾に出会った。
祇園祭の巡行に欠かせない山鉾、釘を一本も使わずにバラバラの木材を組み合わせて作っていくのだそう。縄で木材をしばって固定していくらしい。すごい。すごすぎる。
高さ20メートル、重さ11トン（！）にもなる山鉾、こうやって一つひとつ丁寧に組み立てられている、というまさにちょうどの現場に居合わせることができて、「なんかよく分からない祇園祭」がぐっと「なんだかよく分からないけど、いろいろ知ったら絶対おもしろいぞ…！」な気持ちに変わっていった。
上の写真が朝の7時ごろで、昼の13時ごろにもう一度同じ場所を通ったら、なんとここまで完成されていた…！
すごい。手作業で、わずか数時間でここまでできてしまうのか…！とにかく感動してしまって、男のひとたちが協力して木材を順に運んだり声を掛け合って微調整したりしている様子を眺めているだけで、どんどん引き込まれていった。3年ぶりの祇園祭、きっと地域のひとたちみんなが心待ちにしていたのだろうなあ、っていう気持ちが伝わってきて、本当にずっと眺めていることができた。
ちなみに、私が組み立て途中を目撃した山鉾は、新町通を入ったところの「放下鉾」だった。偶然の出会いだったこともあり、私の推し鉾に決定した。
街に溶け込む、山鉾。ふだんと変わらない日常なのに、どこかみんなうれしそうに山鉾の写真を撮っていたりして。これから祇園祭が始まるんだなあ、というワクワク感やソワソワ感を京都の街全体が持っていて浮き立っているような雰囲気。日常と祭りの交わらなさそうで溶け合っている街の様子を眺めているのが面白かった。
7/14
この日は仕事を終えて、夜の山鉾を見にいった。あいにくの雨だったけれど、それぞれの山鉾からはお囃子が聞こえてきて、お祭り気分が昨日よりも格段に高まった。7/14～7/16は宵山という期間で、山鉾に明かりが灯り、7/17の巡行に向けてお囃子を奏でたり、ちまきを販売したりという期間。
昼間とはまた違う雰囲気で、しっとりとした、少しけだるい空気感が街を包む。チンチロリンという音が心地よくて、ちょうちんに灯る明かりが幻想的で。ずっと眺めていられるなあ、とうっとりとしてしまう。
途中で土砂降りの雨が降ってきたけれど、濡れたアスファルトにちょうちんの灯りが反射していて、またどこか心地いい雰囲気。水たまりに山鉾が反射したりもして。雨の日もいいね、と思わせてくれる時間だった。
7/15
7月15日、16日は夜になると四条通が歩行者天国になって、各所に露天が出ていて。まさにお祭り。コロナ禍で失っていたあの喧噪、歩きすぎた足のけだるさ、人混みのワクワクと憂鬱が入れ混じった感覚、久しぶりでとてもうれしかった。
祭りはいいな。人混みは疲れるけど、1年に1回くらい、まあいいかなあなんて思ったりもする。何年先まで覚えているような祭りの帰り道。そんな思い出を増やせるから好き。
7/16
今日は夕方に山鉾を見に行った。土曜日ということもあって、人がとにかく多くて。ちょっと疲れてしまったけれど、推し鉾をもう一度見ようと、放下鉾だけ見に行った。毎日山鉾を見ていると、愛着がわいてきて、もっともっと歴史とかその地域についてとか、柄や形まで全然知りたくなってしまう。地域と歴史、伝統、すべてが掛け合わさって、いま私が見ている景色がある、ってすごく興味深いな。
お囃子を聞きながらビールを飲んだりもした。祇園祭、存分に楽しんでいる。
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明日7/17は、前祭の巡行。祇園祭のメインイベント。朝から昼まで、この愛すべき山鉾たちが、京都の街を巡行していく。どんな雰囲気なんだろうか。とってもワクワクする。とりいそぎ祇園祭の途中経過でした。
プチ定住と称する京都暮らしのなかで、夢中になれるものに出会えて良かった。たぶんきっとこの祇園祭の雰囲気や感動を忘れられないと思う。京都に住みたいと思う理由が、またひとつ増えた。
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