夢のような時間が詰まっていた。森、道、市場2024
もう2週間前だなんて信じられない。爽やかな風が吹き抜ける5月の空気感を思い出しながら、森、道、市場で過ごした夢のような2日間の振り返りをしたいと思います。
(去年のnoteはこちら)
ほかの場所では感じられない、あの空気感へ
森、道、市場の魅力は、なんといっても「あの」空気感だろう。あえて「あの」と記したのは、言葉ではなかなか表現し尽くせない、森道独特の空気感だからだ。
のんびりとしていると思えば、DJブースからは陽な音楽が流れている。おしゃれなコーヒーや焼き菓子が売られていると思えば、クラフトビールや日本酒のお店もある。正統派の邦ロックバンドがステージに立っていたかと思えば、エレクトロ系の踊れるユニットがステージを沸かしている。
雑多な集まりなのにもかかわらず、「森道といえばこの空気感だよね」が形成されているの、シンプルにどうなっているかが分からない。1つの軸となるコンセプトをそれぞれのお店やアーティストが認識しつつも、それぞれの強みや個性が放たれているからなのかな。絡み合った末での統一感、みたいなものを感じて。だから、歩くたびに、音楽を聴くたびに新しい発見と出会いがある。ああ、もう既に「あの」空気感に戻りたい。
食べて、飲んで、また食べてを繰り返す
今年の森道では、とにかく食べて、飲んで、また食べていた。去年は見たいアーティストが多すぎて、タイムテーブルに追われててあまりゆっくり食を楽しむ余裕がなかったけれど、今年はゆったりと出店を巡ることができた。
2日間、天気がほんとうに心地よくて、木漏れ日にそよがれながら木陰でごはんを食べたり、アーティストの演奏の待ち時間にビール飲みながら時間を過ごしたり、座って聴けるステージでビール片手にお昼寝したり。ふわふわと漂うかのような幸せをこれでもかと感じられる。全国各地のこだわり溢れたおいしいものを食べられるのも森道の魅力だ。
知らない音楽にふと立ち止まってみること
音楽フェスのいいところって、好きなアーティストを見られることももちろんだけど、新しい音楽との出会いがあることだと思う。今まで名前も聞いたことなかったアーティストのステージに、ただ時間が空いているからという理由だけでふらっと立ち寄る。
そうすると、これまで聴かなかったことが嘘みたいに好きになったり馴染んだりしてくる。時間が少しでも違ってたら一生聴く機会がなかったかもしれない音楽との出会いを楽しみたくて、私はフェスに何度でも足を運ぶのだと思う。
特に私が好きなステージは、VENTURE ONWARD STAGE。
サーカスのようなテントのようなステージ越しに、海がうっすらと漂うように見えるのが、まるで夢の中にいるかのような不思議な気分にさせてくれる。このステージでは海外のアーティスト、Fabiano do Nascimentoを見た。ギター1本で感情を表現するかのような音楽が心地よくて心地よくて。目を閉じて聴いてみたり、ステージの向こうの海に視点を合わせて漂ってみたり。お昼寝中の夢の中で繰り広げられる限りなく心地がいい情景がいつまでも忘れられない。
音楽とは耳で聴くものだけど、森道のステージでは、なぜだかその時の空気感や風の心地よさ、ステージの向こうに見える景色など、情景そのものが思い出される。その情景を何度も何度も味わいたくて、私は部屋で音楽を聴くだけではなく、わざわざ足を運んで音楽を感じに行くのだろうな。
さて、今からすでに来年の森、道、市場が楽しみで仕方がない。来年はどんな空気に触れられるか、どのような音楽に心が揺さぶられるのか。新しい「好き」に出会うことは、新しい「自分」に出会うこととほとんど同義だ。そんな出会いを楽しめる夢のような時間を、また過ごしたい、とすでに恋焦がれている。