占星術の問題点: 古代(占星術)と現代(実際)の星空の違い
この記事では、星空の違いに関連した、占星術の問題点について記載します。
先に概要です。
占星術の星空と実際の星空は、一星座分ずれている
占星術の十二星座を現代的に解釈すると、十三星座になる
現代においても、占星術では古代の星空を使って解釈している点が問題
占星術を使って感じた疑問点や問題点を、この記事を含め、これから記載していきます。
天文学の理学博士として、いい加減なことは書きませんのでご安心を。
星空の違い1: 一星座分ずれている
占星術(古代)の星空と実際(現代)の星空は、だいたい一星座分ずれています。
一星座分ずれている理由は、地球の自転軸の向きがゆっくりと変化しているからです。
この運動は専門用語で歳差運動(さいさうんどう)と呼ばれています。
歳差運動は2万5千年で元の位置に戻るような、とてもゆっくりとした運動で、普段は実感することはありません。
しかし、占星術が生まれた2000年ほど前と現代とを比べると無視できなくなります。
それが占星術の星空と現代の星空との違いに表れています。
具体的には、占いで「おひつじ座」の人は、現代の星空で見ると「うお座」になります。
占いで見たときの一つ前の星座が、現代の星空での星座になっている感じです。
星空の違い2: 太陽はへびつかい座も通る
現代の太陽は「へびつかい座」も通るようになりました。
これは、太陽の通り道が変った訳ではなく、星座の取り決めが変わったからです。
現代的な星座の取り決めがなされたのは1922年に開かれた国際天文学連合です。
この現代的な星座の取り決めでは、太陽はへびつかい座に18日間ほど(12/1-18)滞在することになります。
古代の人々は、太陽の通り道にある十二星座を使って占星術を生み出しました。
そのため、現代の人々が同じような考え方をするなら、へびつかい座を加えた十三星座で占いをしても、不自然ではないと思います。
占星術の問題点
古代の星空を使ったままになっている点が占星術の問題だと考えています。
占星術では、(誕生)星座のイメージが、その人の性質や性格に紐付けられています。
例えば、とある占星術の本には、「しし座の人は、百獣の王にふさわしく….」と記載されています。
でも、占星術でいう「しし座」の人は、現代の星空では「かに座」なんですね。
古代においては、「しし座」の人が生まれたときの太陽は「しし座」にあったので、誕生星座のイメージとその人の性質・性格を紐付けるのは分からなくもありません。
一方、現代においても同じ考え方をするなら、「しし座」の人が生まれたときの太陽は現代では「かに座」にあるので、「かに座の人は、かにの甲羅のように…」みたいな解釈をすべきではないかと思います。
しかし、そうはなっておらず、古代の星空を使ったままになっている、それが問題だと考えています。
おわりに
今回は第一回目ということで、最も重要といっても過言では無い点を記載しました。
ちょっと分かりにくかったとしたら、すみません。
占星術については思うところが沢山あるので、しばらくは、占星術の問題点・疑問点を記載していくつもりです。