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銀蘭ミシェル
2024年3月12日 22:49
川上弘美さんの、物事を遠くに見ている感じが好きだ。表題「溺レる」より、わたしの好きな「百年」。不倫→心中の果てに生き残った男・サカキさん、死んでしまった女。百年が過ぎたが、何も変わらない女の記憶で物語は進む。サカキさんは死を、家族やもろもろを捨ててしまうことを、おそれていたのでしょう。対する女は、「死なないで生きていくことにも、さほど執着はなかった。」「サカキさんが戻ってしまっても、
2024年3月13日 08:30
好きな作家は誰?と聞かれば、まず浮かぶのが川上弘美さん。本日は「おめでとう」より、心動かされた「冬一日」。共に家庭を持つ身の男女が、ままならない恋の道行きをたどっていく姿を女性の目線で描いている。カワカミさんの描く男女には気負いが無い。どこか浮世ばなれしている。だからするする読めるのだろう。寒冷紗と書くみたい。美しい名前です。互いの抱えているしがらみがなくなったとき、そばにいた