見出し画像

うつのみや花火舞台裏~その7:整地活動~

「このままだと指紋がなくなるな・・・」


朝早く起きた私はいつしか指の心配をしていた。


花火の会場は鬼怒川の周辺の河川敷だ。かつては荒れ地だったのが花火あげるために整地をした経緯がある。そして今年は席を増やし、会場を少し広げてダイナミックな花火があがるようにさらに整地を広げる必要があった。
つまりその河川敷を花火の機材や車が乗り入れたり、花火の筒を設置するところを平らにしなければならなかった。そこで花火のボランティアメンバーは毎日日曜日8時からその場所の整地をおこなっている。
日曜日はいつもアメフトの練習があるのだけど、練習がない日や練習の前に私も参加することにした。


しかしいざ会場を目の前にしてみると、本当に広大な面積で、もちろん河川敷なので大きな石がごろごろ転がっている。


ここを本当に人の手で整地するのか・・・


茫然しながらも、毎週ちょっとずつやればできるはずというメンバーの言葉を信じて始めることにした。


いざやってみると単純作業ではあるが、やればやるほどきれいになるので少し楽しくなってくるのだけど、私は重大なことを忘れていた。軍手だ。軍手をもってくるように言われていたのだけどすっかり忘れていた。

最初はよかったのだけど石を握る手の握力が落ちて来る。いつしか私の指は疲れ石を持てなくなってきて、指紋が削り取られてしまった気分がしたのだ。通常は2時間で終わるのだけど、その時は4時間ぐらいやっていてクタクタになりながら終了した。
しかしはじめは4人しかいなかったボランティアメンバーも徐々に増えて最終的には10人くらいでやっていたので、辺り一帯はかなりきれいに整地することができた。


とても地味で大変な作業だが、最後にボランティアメンバーが作ってくれた焼きそばを食べるとその労がねぎらわれた気がした。


おそらくこれをみる観客は半年前からこんな努力をしているなんて絶対知らないだろうし、知る必要もないかもしれない。


ただここでこうやって頑張った成果は絶対に花火にあらわれるはずだと私は信じることにした。


つづく・・・


#おうちで花火うつのみや

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?