うつのみや花火舞台裏~その15:ステージ上~
「これくらいの雨では私はやめません!」
急に降り出した雨に打たれながら、昨年のイメージソングの歌手が中止を促すスタッフを振り切り必死で歌っていた。そうなのだ。これくらいでやめたくない。こんなに準備したイベントをたかが雨ぐらいで中止にしたくない。それはきっとみんなの思いを代弁していたんだと思う。
しかし思いむなしく勢いを増す雨によってその1曲を歌いきった直後にステージは撤収をせざるをえなかった。
ただ本番までにはまだ時間があった。夕立ならすぐ止むはずだ。幸い空もまだ明るい。きっとすぐ晴れるはずだ。
私は花火になる絵を描いた子供たち家族を招待席に案内しながら、もし屋根つきの観客席をつくるとしたらどれくらいになるのだろうかと闇雲に見積もりをはじめていた。
つづく・・・
その16:葛藤へ
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