うつのみや花火舞台裏~その12:花火の絵展覧会~
「ぼくは剣がほしい!」
雨だというのに展覧会は盛況だった。
もちろん自分の絵が展示されていたり他の友達の絵を見るのも子供たちにとっては新鮮だったのだろうけど、一番人気があったのがバルーンアートだった。広場の一角に作っていたそのブースには長蛇の列が並んでいた。
ボランティアメンバーが練習して作れるようになったそのバルーンはもちろん無料で、子供たちはたくさんある種類の中から自分のほしいバルーン選ぶことができる。
剣の他にもウサギやハート、キリン、花などたくさんの種類のバルーンがあり、子供たちはもらったバルーンで楽しそうにはしゃいでいた。
あぁ自分も作れたらよかったのに・・・列は徐々に長くなり明らかに作り手が不足した状態になっているのをみて私は少し後悔していた。
実はボランティアメンバーによるバルーン教室があって、そこで練習していたら自分も作れるようになっていたのかもしれない。しかしふくらました風船を扱うのはなんとなく苦手だったので、あまり積極的に参加していなかったのだ。
こんなに子供たちに喜んでもらえるならやっておくべきだったな、そう思っていると近くで歓声が聞こえた。ついにステージイベントが始まったのだ。
ステージ上ではマギーさんによるマジック、ダイス、ボール、傘を使ったジャグリング、とんねるさんによるイメージソングが繰り広げられている。やっている人も見ている人も楽しそうだった。
ジャグリングチームは初めて人前で披露するとは思えないくらいの質で観客を沸かせていた。音楽や構成はばっちり用意されていたので成功した時には大きな拍手をもらっていた。マジックも驚きの連続でそこにいた人たちはとても楽しそうだったし、出演者側もパフォーマンスをしながら笑っているようにみえた。
プロのすごい芸もみたいけど、地元の人が子供たちのためにボランティアでやってくれてるというこの場の方があたたかみのある雰囲気を生み出せる気がする。去年とはまた違うステージになったはずだ。
本当にいろいろ動いてよかったなと私は自己満足に浸っていた。
それに基本的には絵を描いた子供たちの家族が来場していたけど、それ以外の人でも十分楽しめると思う。来年はもっといろんな子供たちに来てほしいなと思うくらいのイベントだった。
こりゃ初回からはじめて13回も続くわけだ。
最後に絵の片づけをして会場に一礼したあと私たちはその展示場をあとにした。大変だったけどやってよかったな、そしてこれからもやるべきイベントなんだと改めて思っていた。
つづく…
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