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見上げればいつも四角い青空#28 演歌出身のソウルシンガーに期待している^^
右手で、左手の二の腕をさすっていた、知らず知らずのうちに。
「鳥肌が立った」
そういう状態だったのだろう。
「心が震えている。」
そういうことなのだと思い直した。
「簡単には感動しないぞ。」
若いころから、なにごとに対しても斜に構え、偉そうに気負って生きてきた。感動するものに出会ってもこうつぶやくのだ。
「それがいいのは知っている。」
でもきちんと音楽を聴こうとしていた訳ではない環境で、その途中を聞いただけなのに、その歌声を聞いたとき、鳥肌が立っていた。
それまでは、なんでも歌える、歌がうまい演歌歌手というだけの印象だった。それ以上でもそれ以下でもなかった。「なんでもできる」は、ときに「なにもできない」と同義だからだ。
密着ドキュメントで観たカノジョは、アメリカのソウルシンガーのカバーを仕上げていく。演歌とまったく異なる、アメリカのソウルシンガーが奏でていたリズムに適応していく。
カノジョは、英語は読めない。「音感とカタカナで問題ない!」
カノジョは、楽譜が読めない。「しっかりと曲が聴こえていれば問題ない!」
そう主張するかのように、カノジョは、英語すら音として認知し、見事な発音で歌い上げる。
きっと、そんなことすら考えてもいないであろうカノジョが歌うソウルミュージックは、スマホで観ているテレビ番組で、ボクに直接に響いた。
伸びていくハイトーン、持ち上がっていく低音。
番組が終わるころには、もっと聴いていたいと願っていた。
そして同時に思い知らされていた。
感動していないと強がって生きていくことが、どんなにばかばかしく、愚かなことか。ただ楽しめばいい。人生において、感動できる上限が決まっているわけではない。
「上から目線だけど、逸材だよね。ここで発見してみたいなこと言っちゃうけど。」
関係者が漏らした感想はボクの中にもある。
世界に配信されるそうだ。世界はどんな反応するのだろう。
何者かであるカノジョに期待している。
最後まで読んでいただきありがとうございます。同じようでいて同じではない日々の生活の中で、感じたことや考えたことをスケッチしています。よかったらまた立ち寄ってください。