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人生がロングショットでみたら喜劇だとおもえたらいい
Webで公開されている宮本亜門さんの講演を聞きました。
宮本亜門さん曰く、自分の人生は挫折だらけで、高みまで上っている覚えがなく、その「Climbers」と題された講演会に、なぜ自分が参加しているのか全然わからない、ということでしたが、講演の中で御自分の人生の転機について話してくださいました。
演出家になりたい、という希望が叶わず、逃げるようにイギリスに行ったときのことだそうです。友人に "What do you want to do ?" と聞かれました。宮本亜門さんはもちろん「演出家になるんだ」と答えます。でも "What do you want to be ?" ではない、" to do ?" だ、ということに気がつき、なぜ自分が演出家になろうとしているのか、改めて自分を深掘りして、その後の行動につなげていった、というお話でした。
私事ですが、3年くらい前、フラメンコの伴奏ができるギタリストになりたいと思い立ち、詰め込んだ練習を続けていました。昼間は仕事で、夕方以降は子供の世話と家事と家事をやるから、練習できるのは夜9時以降と土日。それでも1週間で20時間くらい練習できます。幸い共働きでお金の心配はしておらず、やってみたいクルシージョ(←不定期におこなわれるワークショップ的なモノ)は参加して、レッスンも毎週通っていました。
大学でマンドリンサークルに入るまで音楽の経験はなく、スタートがかなり遅いのは自覚しています。どうしたら伴奏を依頼されるようなギタリストになれるかどうか、検討がつきません。まず、目の前のできていないことから課題を作って、それに集中して取り組み、一つクリアしたらまた次、を繰り返してきました。
そして半年前にふと、気がつきました。自分の演奏は、ギター教室の生徒さんの中では上手い方だよね、のレベルで停滞しています。しかも、ここからどうやって上げていってよいか、まだ分かっていません。教えてもらうことは上手かもしれませんが、先を見越して自分でやるべきことを決められていないのです。お金と時間をつぎ込んだだけでは、ここまでしか行けないのか。私は続けてきたレッスンやクルシージョを全て辞めてみることにしました。
ギターの練習は、緩くなったものの毎日続けています。でも、どうやったらギタリストになれるのでしょうか。
そんなことをつらつら考えていたので、宮本亜門さんのお話の "What do you want to do ?" は、めちゃめちゃ刺さりました。おこがましくて恥ずかしいですが。
宮本亜門さんは、チャップリンの名言で講演を締めくくっていました。
人生はクローズアップでみれば悲劇だが、ロングショットでみれば喜劇だ
他人からみたら全く訳がわからないかもしれませんが、ここ半年の私の状況は、それなりに悲劇でした。ここで試行錯誤していることが、後から振り返って面白い経験だった、となっていると良いのですが。
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