エスプレッソの週末
誕生日プレゼントにデミタスカップをもらったので、
さっそくカフェ・マキアートを作ってみた。
「マキアート」とは「染み」という意味だ。
琥珀色のエスプレッソにフォームドミルクを注ぐと、白いシミのような模様ができることから、カフェ・マキアートと呼ばれている。
いかにも”シミ”らしい模様ができたので、「ふふ…これこそマキアートだ」と自画自賛。ちょっと良い気分で週末を過ごすことが出来た。
自宅でエスプレッソドリンクを作るようになったのは、一年くらい前からだ。今では週末にコーヒーを淹れることは、息抜きであり、創作であり、修練であり、楽しみになっている。大袈裟かもしれないが、その時わたしは「生きててよかったな」と感じている。そう思えるのは、きっと「自分がやりたいことをやっているから」だ。
作ったコーヒーがマズいこともある。
仕事や生活で、辛いことや嫌なこともある。何なら毎日だ。
それでも、「やりたいことをやっている」という事実があるだけで、自分の人生を自分で作り、納得できるものにしているように感じられる。たとえそれがコーヒーを淹れるようなささやかなことでも、自由を感じられることがあると無いとでは、大違いだ。
と、いうことは・・・
もし生活のほとんどを「やりたいこと」で埋め尽くしたら、何があっても納得できるし、ほとんどのことが楽しいのではないだろうか。
では、あと何をどうしたら、その状態まで持っていけるか・・・。
そんなことを考えているうちに「やらなければいけないこと」が襲い掛かってくるのが、悩ましいところだ。
(終)