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詩 『オクターブと半音』

助け合うようです
嫌いなようです
少しよりかかると彼は耳たぶを触る
どうしたってね

いじめ合うようです
嫌い合うようです
わざといらない言葉を吐き続けて
仲良く怒鳴りあうようです
そうして
少し布団をかぶるのです

不協和音の中で
二人は生き続けるのです
転調された時に
ため息を吹きかけられて
乱暴に

どうやら彼は理不尽に怒られているようです
どうやら私はそんな世界に怒っているようです
もっともっと目をやれば
不協和音だらけの世の中です

矛盾なんて言葉がなければ
きっときれいなメロディーが
私の前を流れていくでしょう

風紀が乱れることも
ルールは守れていても
マナーは守れないことも
スカートのホックがどうして取れたのか
聞かれることも
リボンにゴムを通す少女に向かって
頭に血を上らせることも

メロディーを止めたくないのなら
最初からその一瞬を
自由な空間にすればいい
ただそれだけ

そっと通り過ぎる
そっとね
知らないフリが増えて
私は手話しか使えない
彼は点字しか使えない
もう目の前にある音を正確につかむことも
今奏でられる音に耳を傾けることも

私の嫌いな時間

CとE

面白い

ただバカみたいに


すぐに終わらせる話と
1度しか言わない話と
そんな話を信頼関係を築きながら

30分後に目を開けても
すぐはこなかった
1度しか言わない話を
3回も聞いた
信頼関係は
一方通行では築けないことを知らないだろう
新しいシステムに頭を抱えている暇があるなら
何もかも全てもとに戻せばいい
冷静さを失うと
人はおかしなことを言うみたいだ

脳に全て指示して
脳を使うなと

落ち着いて考える
ただそれができないようだ

悲しいのは彼と私
呆れて言葉も出ない

都合が悪くなれば私は囲まれる
いくつもの不協和音に
止めようとすれば
楽譜に音符をかかされる

高圧的な激しい音に
きっと
1音じゃ彼に敵わないから
一対一できれいな音を奏でよう
和音なんて今はいらないから
それができない世界で
私は指揮者を見ることなど絶対にない。




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