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アウトドアライター タカマツミキさんに聞く、専門分野で活躍するために”今日からできること”

好きなことを追究し、「自分だからこそ書ける記事」を執筆して、クライアントや読者に喜んでもらいたい。
唯一無二のライターになることで、収入も増やしたい。

しかし、実際のところ、好きなジャンルで活躍するのは簡単ではなく、正直このまま、多くの競合ライターの中に埋もれて消えていってしまうのでは……と不安に襲われることもしばしばです。

フリーライターとして専門分野で活躍するには、どうしたらいいのでしょうか。ヒントを探るべく、アウトドアライターとして活動されているタカマツミキさんにお話を伺いました。



タカマツミキさん
フリーライター歴5年。アウトドアライターとして、北海道小樽市で活動。Webメディアや地方新聞でアウトドアに関するコラムを執筆するほか、小樽の観光や飲食店紹介の記事も執筆。

10年来の趣味を活かしてアウトドアライターへ


ーーはじめに、アウトドア専門のライターとして活動されるようになったきっかけを教えてください。

きっかけは、アウトドアに関する記事が一番執筆しやすいと気づいたことです。
はじめから「アウトドアライターになろう」と思っていたわけではないんですよ。ライターになっていろんなジャンルの記事を執筆するうちに、長年趣味としてきたアウトドアの記事なら、楽しく執筆できることに気づいて。

例えば、気になるキャンプ場やアウトドアブランドを取材して、今まで知らなかったことを聞けると嬉しくなるんですね。愛用しているアウトドアアイテムについて執筆したときも、読者から「これ買ったよ」「めっちゃこれいいね〜」といった反応をいただくと、「でしょ〜!」とテンションが上がります。

ーー長年趣味としてきたアウトドアについて、楽しく取材・執筆......憧れます。アウトドアはいつ頃からの趣味なんですか?

もともとはスノーボードなどのウィンタースポーツが好きで。19歳の頃、「タダで滑れる」という理由で、スキー場でアルバイトをしていました。
それで約10年くらい前かな、今のパートナーに出会ったことをきっかけに、キャンプをはじめバックカントリーやクライミング、オフロードバイクなど、さまざまなアウトドアにハマったんです。彼が大のアウトドア好きだったものですから、一緒にさまざまなアウトドアに挑戦するうちに「アウトドアって楽しい!」と感じるようになって。

先日、納期が重なって朝から晩まで仕事をするのが辛くなったときも、隣町のキャンプ場でソロキャンプをしながら仕事をしてみたら最高で。大自然の中で仕事をすると、とっても気持ちがいいんですよ。気分がガラッと変わります。そんなふうに、仕事で煮詰まったときにもアウトドアって良くって。キャンプ場テレワーク、ぜひみなさんにも試してみてほしいです。

好きな「スタイル」を極めることが差別化に


ーータカマツさん以外にも、アウトドアライターとして活動している方は少なくありませんが、他のライターと差別化するために工夫されていることはありますか?

特に差別化は意識していません。あえて言うなら、自分が好きなアウトドアスタイルを極めることが大切なのかなと思います。
アウトドアって、人それぞれ楽しむスタイルが違うんですよ。例えば同じキャンプでも、インスタ映えする「おしゃれキャンプ」が好きな人もいれば、私のように、機能性重視のシンプルなキャンプスタイルを好むタイプもいます。

そんなふうに、好むスタイルによって取り扱うアウトドアブランドやアイテムも大きく変わるので。私の場合は、多少値が張っても、耐久性や機能性に優れていて、長く使えるアイテムを買うことが多いですし、そんなにネタが被ることはないかなという感じです。

ーー好きなスタイルを貫くことが、他のライターとの差別化になってこられたと。ちなみに書きたいメディアに営業する時点から、ご自身のスタイルをアピールされているのでしょうか?

そうですね。今まで、「あたって砕けろ」精神で多くのメディアに営業してきましたが、その度に自分のスタイルをアピールしてきました。

キャンプやオフロードバイク、SUPなど、取り組んできたアウトドアジャンルはもちろんのこと、愛用しているアウドドアアイテムなども極力具体的に伝えるなど、自分のスタイルを編集部の人に伝える工夫をしてきました。特にアピールしているのが、「昭和53年車の三菱JEEP」に乗っていることですね。女性で、昭和53年車 三菱JEEPに乗ってキャンプに行く人を自分以外にほとんど見たことがないので、そこは印象づけられるかなと思っています。

好きを極めるからこその悩みも…


ーーアウトドアライターとして活動されるなかで、悩んだことはありますか?

執筆した記事を批判されたことです。
高額なアウトドアアイテムを紹介したときに、「こんな高いもの、初心者が買えるわけない」と批判されてしまって。「確かにそうだよな」と思いましたが、「高額でも、長く愛用できるアイテムを紹介する」のが私のスタイルなので、そこは悩みました。書き方ひとつで読者の受け止め方が変わるのだと知り、反省もしましたね。

ただ、考え方や受け止め方は人それぞれですから、ある程度の批判が出るのは仕方がないと思うんです。ですから今は、批判は受けても、読者を不快にさせることだけはないように気をつけつつ、自分のスタイルを貫いていこうと思っています。

ーー批判は受け止めつつも、自分のスタイルは大切にする......と。

あと悩みというと……、ネタ切れしてしまうことですね(笑)。複数のメディアでアウトドア記事の連載を持っていると、いくらアウトドアが好きでもネタ切れします……。

ーー特に専門領域を執筆しているわけじゃないわたしでもネタ切れするので……。なるほど、たしかに専門で書かれているとその悩みはより深刻そうです(笑)。

これからもずっと大好きな地元で、大好きなアウトドアを


ーー専門ライターとして活躍されている今ですが、今後、キャリアチェンジや新たなジャンルへ挑戦するご予定などもありますか?

アウトドアライターとして今のスタイルを貫きながら、生まれ育った小樽の観光やグルメに関する記事なども執筆していく予定です。そもそも、「なんで小樽が好きなのか」とか考えたこともないくらい、小樽の町に愛着があるんです(笑)。アウトドアとは10年以上の付き合いですが、小樽には生まれたころから30年以上お世話になっていますから。

そうだ、ライターとしての活動をメインにしながら、Webサイト制作も受注できるようになりたいと考えています。実は私、WordPressをカスタマイズしてWebサイトを作るのも好きなんですよ。以前、知り合いのストレッチ専門店のWebサイト制作を受注して、撮影から制作まで全て担当したんですが、一からサイトを作り上げていくのって楽しいな~!と思って。
少しずつ口コミを広げていって、小樽の企業から「うちのサイトも作って」と直接依頼されるようになったらいいな、と考えています。

▲タカマツさんいわく、小樽の魅力は「海も山もあって、食べ物がおいしい」こと!


ーーありがとうございました。お話を通して、タカマツさんのアウトドア愛、小樽愛を感じました。これからも、タカマツさんは、記事執筆をはじめとするお仕事を通して好きを極めていかれるのだろうなぁと思います。
わたしも自分の「好き」を突き詰めることで、いつか道が拓けるかもしれない.....と、元気をいただけました!

それはよかった! すぐに仕事にできなくても、ただ日々「好き」を突き詰めることが今後の仕事につながることもあると思います。わたしにとってのアウトドアのように。

今度ぜひオンラインで飲みましょう(笑)!そして、新型コロナの感染拡大が落ち着いたら、ぜひ小樽にも遊びにきてくださいね。

取材・執筆:三間有紗
編集:浅田よわ美

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