心の奥に忘れ去られていた情熱に刺さって抜けなくなった曲~『こっから』
SixTONES『こっから』が、自分でも不思議なくらい好きになってしまって、言語化したいと思ったので試しに。
考察とか講評ではなく、あくまで私の感想です。
もうタイトルがイイ。
歌詞の内容が人生とか夢とか壮大なのに、『ここから』ではなく『こっから』とちょっと軽い感じになっているのが好き。
気持ちは熱いけど、飄々としているイメージ。
厳しく高い山を一生懸命登っているに、見えない場所で汗を拭って軽く「ハハッ」と笑っているような。
今まで舐めてきた辛苦や葛藤なんか全部吹っ飛ばしていくパワーも感じる。
ラップから始まる歌、超好き。しかも踏んでる韻が気持ちいい。
ここは今までの人生を振り返ってる感じ。
産まれて、自分のやりたいこと何となく見つけて、頑張ってみたけど、全てが上手くいくわけではなくて。
自分の才能の限界を見てしまったような気もして、でも「如何にして地下深く眠る」自分の本質を見つけ出すのか。
周りにどれだけ批判をされても、自分の道は自分で決めるしかないから「確かな価値観など無価値」で。
上手くいかない自分に怒りが湧き上がるけど、それすらも「Cutできん」くらい、己の中にある衝動のひとつ。
ここは葛藤。
自分には何も出来ない、知ってる。
でも「間違ってる未来」だとしても「俺には光ってる」から、諦められないし、諦められない。
周りからの声に負けそうになってる自分を、最後は鼓舞しているイメージ。
自分の限界って、ついつい決めつけてしまう。
「これは私には向かないから」
「絶対に出来ないから」
「苦手だから」
自分のことは自分が一番分かってる。
だからやらない。出来ない。挑戦もしない。
だけどそれでは、夢は叶わない。踏み出さないと何も掴めない。
英語、全然分かんないんだけど、ここが「fire」なの、本当に好き。
日本語でも「戦いの火蓋は落とされた!」っていうし、闘志メラメラな感じが好き。
まだ世間を知らない、無敵感のある子ども時代に抱いた夢と「相思相愛」になる。
この「相思相愛」って言葉が素敵。
自分の思いや行動・努力が抱いている夢とちょうど釣り合ったタイミングでしか前進できないから。一方通行じゃダメだから。
でもそこまできても「こっから」始まる。まだ始まりに過ぎないという残酷さ。
ここは未来なのかなと思う。
過去を振り返ったとき、大変だったけど幸せだったなという感じに似てる。
順当にはいかない人生だったけど、幸せになるって予定はそのまま果たせてるよ。
選択肢はいっぱいあるけど、幸せな人生には間違いないから大丈夫。
山あり谷ありの人生だけど、転がっていけば、何かが始まるから、だから大丈夫。
大人になって結果を出した自分が、過去を思い出している、ちょっと安心感のある歌詞。
大人な自分の声が聞こえたのか、ここの不貞腐れ感がすごい。
上手くいってる未来の自分にすらキレてしまうようなフツフツとした感情。
きっと頑張り始めて3年とか5年とか経って、最初のような情熱は少し冷めていて、でもここで諦められるほど冷め切ってもいなくて。
周りは少しずつ、結果を残している人もいて、なんで自分だけと腐り始めてしまう頃。
本当は一息ついて冷静に考える時間が必要なのも分かっているけど、向き合うのは怖くて、喧騒の中に身を置いていたい。
誰かに聞いてもらいたい。でも全てを言語化できない。というか、そもそも本当に聞いてもらいたいのかすら分からない、そんなジレンマ。
ここは感情が交互にきてる。一喜一憂、感情の起伏激しく、切磋琢磨している最中。
不安、楽観、躍進、不信感、不屈、受容、不退転。そして情熱。
ここはメンバーカラー入ってて楽しいところ。
余談だけど、この曲でSixTONESを認知した私は、この歌詞のおかげでメンバーカラーを覚えることが出来ました(笑)
この「どうしようもないままが自分なんだ」ってところ、これって究極の悟りだと思って。
情熱的な激情で生きていける時期って本当に短くて、そのままでは燃え尽きるのも早いから、どこかで諦めというか受け入れというか、少し熱を冷まして、現実を見なきゃいけない時期がくる。
だから、熱意の果てには悟りがあるんじゃないかと思っていて、本質ついてるなーと思う。
だけど、だからこそ、ここでくる「こっから始まんだ」が、もう叫びたくなるくらいに良い!
で、畳みかける言葉は「いつかの童心もって努力し 夢と相思相愛になれるはずなんだ」ですって!
全然、熱冷めてないじゃん! 燃えてる!
冷笑しているように見えて、心の中は燃えてる。見えないところで努力していて、周りから見ると「なんか勝手に結果出てるじゃん」と言われるような、そんなイメージ。
前段の情熱的なパッションを感じるところから一気に落ちる鬱々としたシーン。
ここ上から繋げて読んでしまうと「え?」ってなっちゃうんだけど、曲的には間奏長めで場面転換している感じなんだよね。
だから、私はこれは今までとは別の人の感情なのかなと思った。
今まで悩んだり弾けたりしていた人は一区切り。ここからは今までとは別の人。同じクラスの人かもしれないし、会社の後輩かもしれないし、アパートの下の階の人かもしれない。
さっきまでの人とちょっとだけ関わりのある他人。
この人も人生に悩んでる。自分のせいじゃない、自分には何もできない、でも諦めたくない、バカでもアホでも構わない。
結局、悩んでるのは自分だけじゃない。みんな悩んでる。成功しているように見える人も、結局自分と同じようなことで悩んでる。
つらいのも、きついのも、自分だけじゃない。泣けてくるわ……。
ここは誰視点なんだろうってずっと考えてたんだけど、これはもう神の目線なんじゃないかな。神というか、俯瞰している自分自身かも。
曲を聞くと文節ごとに歌うメンバーが次々に変わっていくんだけど、ここの声がころころ変わっていく感じが、周りにたくさんの自分がいて、その自分たちが口々に囃し立てているような気持ちになる。
その囃し立ての最終が「本当の自分なんて居やしねぇ」なんですよね。最高。
よく「自分探し」とか「本質を探る」とかいうけど、そんなものないんですよ。
そのときに「見つけた!」と思っても、それは時間や環境でどんどん変化していくものだから、「本当の自分」なんて見つかるものじゃないんだと思うんですよ。
「好きこそ物の上手なれ で次こそ終える根比べ」っていう韻の踏み方も好き。
他の何者にもなれない自分。だから、自分を抑えつけるものは壊したい。解放したい。
これも誰かの感情。別に1人目でも2人目でも構わないけど、私はまた別の誰かがいいな。
みんな同じように悩んでるんだよっていう、そんなイメージ。
これは内なる自分の声かな。
この曲の中で一番好きな歌詞。
迷ったら困難な道を進め、ってやつだよね。
個人的には好きな言葉ではないんだけど、本当に目指すものがあって、情熱を燃やしている時は最良の選択肢だと思う。
そして「劣等も嫉妬も叱咤なる燃料」ね。
マイナスな感情も全部薪にくべて燃やし尽くしていくんですよ。熱い!
そして「fire!」
ネガティブな気持ちも全部コンロに突っ込んで、着火!
ここの流れ、熱がすごい! 熱い!
ここはもう叫びだよね。
全然何も生み出せてない人も、泣きそうなくらいに落ち込んでいる人も、腐って落ちそうな人も、あの頃に描いた「童心」を叶えるべく、努力of努力。
結局頑張った人だけが、夢を勝ち取れる。夢に愛される。
だから、「こっから始ま」るって言い聞かせながら、歯を食いしばって、頑張るのみ。
選択肢は山ほどある。自分に向いてること、向いてないこと、好きなこと、嫌いなこと。それとは別の、自分の「やりたいこと」。
何を選ぶのも自分次第。どんな道を進むかは全部自分次第。
結局最後に「予定通り」だったと言える幸せな楽しい人生であれば順番通りにいかなくたって大正解。
全部ここから始まる。
あくまで私の主観的なイメージだけど、すごく情熱的な歌詞だよね。
私の年代だと、少し恥ずかしさも感じてしまう歌詞だと思うんだけど、曲調もあいまって、すんなり心に入ってきちゃった。
で、私の未消化な部分を刺激してきたから、こんなにも気に入っちゃったのかなと思った。
今回は歌詞に特化して考えたけど、歌い方もいいんだよね。
たぶん彼らがまだ伸びしろのある成長期だからっていうのもあるんだろうけど、背伸びしたり変に見下した感じもなくて、すごく自分事な感じで歌っているのが好感触だった。
ついでに、この歌からSixTONESを気になってしまい、Youtubeやらラジオやらを見聞きし始め、すっかりハマってしまったのはまた別の話。
それはそれでまた語りたいと思った時に書きたいなと思います。