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映画「四月の永い夢」 感想
先週末に見た映画、忘れないように、感想を書いておきます。
朝倉あきの、力強くも透明感を感じる声から始まるこの物語は、過去の喪失感から、人生を立ち止まっていた主人公の初海が、周りの人々との関わりの中で、前に向かって踏み出していく心境の移り変わりを、詩情ある映像で描いた作品。 (Amazon Primeで観れます。)
国立市を舞台にした昭和の街の雰囲気、初海の部屋のレトロな家電や間取り、富山にある亡くなった恋人の実家の感じ、匂いが感じられるほどとても懐かしく感じた。 昭和への郷愁というか。 ほとんど昭和最後の生まれだけど、その時代イメージになぜか郷愁と憧れを感じてしまう。 子供の頃の記憶が蘇るからかな。
この映画は、登場人物の「声」が際立っていて、初海演じる朝倉あきの一声一声、丁寧に、噛みしめるように発せられるセリフやナレーション、また、他の登場人物たち、それぞれの声が映像と見事に融合されていた。
亡くなった恋人の母親が初海に言うセリフ:「人生って失っていくことなんじゃないかなって思うようになった。失い続ける中で、その度に本当の自分自身を発見していくしかないんじゃないかなって…」 という一文が心に残った。 わたしも人生を、まだ何か新たに獲得していくことだと考えているけど、これからの時間で大切な人を失ったり、二度と戻れない別れに遭遇するだろう、、この言葉が映画で一番心に残っています。
映画手法について私は全然詳しくないのだけど、カメラの撮り方に独特な手法(「めまいショット」と言うらしい)が採用されているシーンがあって小さく驚いたり、映像の質感、間の取り方、とても好みでした。 その中でも特に好きなシーンは、染物工業で手拭いが天井から吊り下げられ、ゆらゆらと揺れているのを、初海と志熊が床に寝そべって見上げているところ。 幻想的でロマンチックで素敵な場面でした。 あと、電車で富山に向かうシーンも、電車がレトロで、田舎での電車旅がしたくなりました。。 (マスクなしで旅に出たい。。 ) その他、手紙、ラジオ、手拭い、などわたしが日常で好きなモチーフがたくさん出てきて、親近感を感じてしまいました。 そうそう、手拭いの染める場面は興味深かったです。
立ち止まっていた時間が、出会う人との関わり合いの中で、再び動き出して、前に進み始めていくストーリーに私も勇気をもらえた。 わたしも、少し勇気を出して、人生を前に一歩を踏み出してみよう、そんな気持ちでいる今日このごろなので。
行間のある、とても詩的な映画だ、と思ったら、監督の方は元は詩人だったんですね。 中川監督のこのインタビューを読んで、この方にとても興味を持ちました。 他の映画も全部観たくなりました。
初めての映画のレビュー日記。。。
映画は大好きなのだけど、その感想を言うのが苦手だったので、これは私の課題だ。 とりあえず、自分の記録用として残します。