こんな人達が日本の今を造ってきたと思うと、呆れて開いた口が塞がらなかったお話
先に言うと、これはかなり長いお話である。
感情的になっている時に何かを発信するのは良くないけれど、この気持ちは胸糞な映画や小説を読んだ時とはまた違う感情だ。。。(もしかしたら私が今日🚺の日なのでイライラしてしまっているのかもしれない。もしこんなのは普通で、日常で、私の心が狭いだけであれば謝罪します。でもこんなこと、日常にあってほしくないな。)
私のアルバイトは、仲の良い友人の母の友人(以下、女将さん)が切り盛りしている完全個人の立ち飲み屋。女将さんやバイトと、お客様との距離が近いのが特徴。ゆえに、一見さんよりも顔馴染みの人が売上の多くに貢献してくれている。
しかしお客様との距離が近い、という良いはずの特徴はお店にとっては痛いこともしばしば。例えば、お客さんがお店にとってのマナー違反をしていてもあまり強く注意することが出来ない。彼らがお店を支えてくださっているので、女将さんやバイト達はそんな様子を見過ごしたりあまりにひどい時は女将さんが遠回しに軽く注意する、くらいにしかできないのである。
店は2020年の6月という、コロナ禍真っ只中にオープンしただけに、そのように毎日のように足を運んでくださってお店を支えてくださる事は、とってもありがたいことなのである。だからこそ、険悪なムードになって常連さんを手放すことはあまりにも痛すぎることなのだ。
そんな今日のノートの内容は、今日起こった出来事である。
今日は、いつもはバタバタする水曜に比べて空いていて、お客様も人数的にそんなに来店していなかった。私が18時から出勤した時に8人。その時はみんな常連さんだった。そのうちの4人(全員男性)が仲良さそうに並んで飲んでいた。イメージしやすいようにイラストにします↓
あまりにもざっくりした図で申し訳ないが、赤のラインにお客様は立ってお酒を楽しむことができる。
今日は入り口付近の向かって左の場所にその4人が立っていた。全員が60代〜70歳手前だろうか。白髪混じりの方もいらっしゃった。
私が出勤したあたりから、彼らは他所で話すにしてはあまりにも下品な話をしていた。
確かに、お酒が進むとシラフでは話せないような内容の話をしたくなるのは、年代が違いすぎる私でも十分に理解できる。しかし、彼らの話す内容はあまりにも下品であり、お客様の少なかった今日の店に響き渡るような声量でその内容を話していた。度数がきつそうな焼酎のロックを何杯も飲んでいらっしゃったので、かなり酔っていたのだろう。
私は彼らから1杯ドリンクをご馳走になった。そして彼らのうちの最年長であろう方が私に、「お姉ちゃん、マスク外してみてや😁」と言った。(そもそもこの手の発言をする人にロクな人はいないと、ここで働いた経験上言わせていただく。。)私は今日出かける前は気分が良く、珍しくハイライトまでのメイクをバッチリ決めていたが、見せびらかすほどの顔でもないので一度は軽く断った。しかし彼があまりにもしつこいので、私はマスクを外し、いただいたドリンクを飲んだ。彼は、私の顔を可愛いと褒めてくれたものの(そもそも酔っている人の発言なんて何一つ信用していないのでそんなに嬉しくもなく、それなら好きな人がいたらその人に褒めて欲しいものだ。。と思いつつ)そのあと、「でも俺な〜20代の子はな対象外やねん(ニュアンス)」と放った。(もう一度説明すると大の大人どころか70歳近いであろう男性の発言です。)女将さんがとても優しいので、「ちょっともう〜!」とすかさず下品なお客様から私を守ってくれようとした。私は、苦笑いをその場に残し立ち去って仕事に戻った。正直これに関しては全く何も思わず、ただ(ああ、こういう類の発言をする人達だ)としか思っていなかった。その後も度々発言するたびに、彼らはこういう世界に生きている人達だ、別世界の人だ、くらいに考えていた。
その後彼らは、(あまりにも下品なのであまり文字にはしたくはないが)性/行/為についての話を大声で話し出した。(あえて文字にはしないが、カタカナ4文字のそれを大声でお話ししていた。)
久しぶりにいらっしゃる常連のお客さまや、毎日のように足を運んでくださるお客様も来ていたため、私は彼らに非常に申し訳ないと思うしかなかった。
というのも、私が働いているお店は日本酒や焼酎が多く揃っており、手料理も居酒屋にしては珍しく多くが手作りな為、それを目的に1人でゆっくりお酒を嗜みに来てくださる方が多い。仕事帰りに直接来店し、お仕事の疲れを美味しいお酒や美味しい料理で癒されに来ている方が多い中、まるで下品な大学生のような内容の話を大声でする彼らに、つくづく呆れてしまった。(彼らの全員かはわからないが、既婚者の方もいらっしゃった。)
彼らは何度も何度もそれを大声で聞こえるように話した。さらに、「相撲選手の(それ)の仕方知ってるか?😁あれは普通のままだとお腹が邪魔だからな……」と仲間内で話したり、これから飲み終わったら風俗に行こうなど、(もちろん行くのは自由)本当に聞いているこちらが恥ずかしくなるような話の連発であった。(もちろんそれを家の中で話したりするのは自由である)
その後彼らは、これから行くであろう店舗の可愛い風俗嬢の写真をスマホで見せ合ったり、自らの借金があるかないかや、奥さんに内緒で1000万円の貯金をしている等、身内のくだらない話を始めた為、やっと普通の話に戻った、と思い仕事をしていると、油断した私たちに地獄の時間はまたやってくるのであった。
彼らは、下品のオンパレードの話に女将さんをも巻き込んでいくという、一体どこでどのように育てられたらそのような度胸を身につけられるのだろうかというような度胸で下品な話をし始めた。
まず彼らのうちの1人が女将さんに、自らのW不倫の経験を意気揚々と語った。女将さんは水商売の歴も長い為、そのようなどうしようもない話もうまく流すことができる。女将さんは優しく丁寧に、「うんうん、でもそれはW不倫だからうまくいったんじゃない?」など、丁寧にお客様に接していった。
更に彼らは、おかみさんのシャツから若干見える胸元を見てあーだこーだ言い始めた。「バイトには黒いシャツを着させて、自分だけ白いシャツ着て誘惑しようとしてるんだろ」や、「俺はそういう(女将さんがつけていた)太いネックレスは嫌いや。細いチェーンが好みや」など、あろうことか目の前の女将さんをジャッジし始めた。また、「いや俺はお前(女将さん)には色気を感じひんわ一切」などと、聞いてもいないような話をベラベラと話し始め、盛り上がった。このようなお客様は時々現れるが故に女将さんもそんなに気にしていない模様。しかし、話の内容が内容なだけに、女将さんがその下品な話を誤魔化すようにお客様からご馳走になっているお酒をたくさん飲み始めた。お酒のスピードも進み、すっかり女将さんも出来上がって目が座り始めていた頃、やっと彼らは帰る支度をし始めた。私は1人安心して皿洗いを続けていた。常連のお客様も少なくともこれらの話を耳にしているはずだ。早く帰ってほしいと願いつつ、やっと帰ってくれるという安堵感を交えながらお皿を洗っていると、彼らはまた新たに大声で話をし始めた。
彼らは、女性のVIO脱毛について話し始めた。そしてまたあろうことか、女将さんに直接、彼女のVIO脱毛事情を堂々と聞き始めたのである。私は思わず目を大きく見開いて彼らのことを見てしまっていた。女将さんはその場は何となくかわしたものの、また彼らは、「VIO脱毛してる人はな、そういうことする時気持ちええらしいで😁」と女将さんや周りの仲間にも語り始め、場は下品な空気を纏いまるでカオスであった。問題は彼らがそれを悪びれもなく普通に話していたことだ。
もちろんVIO脱毛自体下品なことではない。女性は、女性が自分自身のために脱毛をしているのである。彼らはまるで、女性がそれのためにVIO脱毛をしているかの如く、またそれについて知識が豊富であるかのように意気揚々と語った。(余談だが、こういう人がピルについて誤解したり生理についての理解もしないのだろうと私は悟った)
こうして彼らは風俗に行こうと重い腰を上げ、店から出て行ったのである。(二度と来んな)
女将さんは、この道のプロである。それに酔っ払っていたため、明日になれば話の内容なんて忘れているだろう。しかし私は彼らから、いつも優しくしてくださる女将さんを守れなかった自分の不甲斐なさに、帰り道どっと疲れ涙が出そうになった。下品な話を誤魔化すためにたくさん飲んだお酒ですっかり酔っ払った女将さんは、彼らが帰ったあと「色気を感じない」と言われたことに相当傷ついたのか、その後別のお客さんに「私年相応の色気はあると思うんだけど………」と語っており、もちろん関わるべきではなかったのだろうが、本当に自分が不甲斐なかった。
締め作業を終え、女将さんはいつも以上に疲れていた。水をたくさん飲んでいたが、それでもかなり疲れた様子であった。私はいつも以上に「大丈夫ですか?」や「お疲れ様です」と労いの言葉をかけた。私にはそのくらいしかすることができなかったのだ。シャッターを閉め、私はまた、「大丈夫ですか?」と声をかけた。女将さんは笑って頷いた。女将さんは強い。強いふりをしているだけかもしれない。私はキッチンのお姉さんと同じ方向に帰り、女将さんは逆の方向に帰って行った。逆の方向に歩いていくその背中を見て、こんなに優しくて強くて綺麗で素敵な女性が、あんな人達に乱雑に扱われていいものか、と悲しくなってしまった。
余談だが彼らの愉快なところは、女将さんがお花を摘みに行く(お手洗いに行く)と嘘のように静かになるところだ。つまり彼らに面白い話をするような大した話術はないのだ。そうやって人様から注目されたりすることが目的なのか、はたまた本当に普段からそのような話をよそでしているのか。。。成長期の大切な時期に彼らになんらかの事故があったからそのような話しかできないのか、私には彼らの過去も知らなければ知る必要もなければ、知りたくもない。しかし、このような上司がいる職場がまだこの国に存在するかもしれない、と想像しただけで具合が悪くなってしまった。
日本社会を、このような下品な人達がつくってきた、と思うと、大好きな自国のことすら少し嫌いになりそうになって、今もこれを打ち込みながら、いつもお世話になっている女将さんが心配でたまらない、そんな1日でした。。。