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小学生がポケカの定石を忘れてしまう理由と、親子でできる対策あれこれ
こんにちは、みるとこTVのみるとです。 ポケモンカードの世界大会に2度出場した経験を活かし、ジュニアリーグに参加されるお子様を持つ保護者に向けて情報をお届けしています。
ポケカを楽しんでいると「これ、前はできてたはずなのにまた忘れてる……」「小学生の子どもがしばらく休んでいたら定石を覚えてない!」なんて経験、ありませんか?
実はこれ、子どもだけでなく大人にも起こりうる“当たり前の現象”なんです。脳の仕組み上、使わない知識は忘れていくようにできています。特に小学3年生くらいの子どもは長期記憶に定着させる「勉強の仕方」自体がまだ未熟だからこそ、少しプレイしない期間が空いたり、他のデッキを触っていただけでポケカの基本的な定石(エネルギー管理やサイド落ち確認など)をあっという間に手放してしまうわけですね。
しかし、ここで「ウチの子はダメだな……」と考える必要はありません。忘れるのは自然なこと。むしろ、忘れる→思い出す→身につくというサイクルを上手に作ってあげることで、定石はどんどん定着していきます。わが家でも試行錯誤してきましたが、その中で効果のあった方法をまとめてみました。
■なぜ小学生は定石をすぐ忘れるのか
子どもがポケカの基本的な戦略を覚えても、しばらく遊ばなかったり他のことに夢中になったりすると、頭からスルッと抜け落ちるのは当然のことです。脳には「最近使わない情報はどんどん整理して消していく」という優先度づけの仕組みがあり、心理学者エビングハウスの忘却曲線では「学んだ情報の約70%は24時間で忘れる」とも言われています。大人ですらこれですから、子どもならなおさら。
さらに子どもは「なぜそれが必要なのか」を深く理解しないまま、いわば暗記ゲームのように定石を覚えているケースも多いです。たとえば「サイドレースは大事らしい」と漠然と聞いていても、その具体的な理由や効果までしっかり納得していない。すると時間が空けばすぐに忘れてしまうわけですね。
■忘れにくくするための脳科学的アプローチ
1)間隔をあけた復習(スペースド・レピティション)
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一度学習したことでも、1日後、数日後、1週間後といったサイクルで思い出すと定着率が格段に上がります。もし対戦をする機会が減っても、親がクイズ形式で「先攻1ターン目には何をすべきだった?」と質問したり、一緒にデッキを眺めながら「このカードがサイドに行くと困るよね?」などの会話をするだけでも十分です。
2)アウトプットで記憶を呼び出す訓練
単に頭に入れるだけではなく、自分の言葉で説明したり人に教えたりすることで、記憶は強固になります。たとえば「お母さんにサイドレースを教えてくれる?」と促し、子どもが説明する場を作る。これが“想起練習”とも呼ばれ、覚える以上に「思い出す」行為が重要だとされています。
3)視覚化とストーリー化
子どもは物語やイメージで理解するのが得意です。「エネルギーはポケモンのごはん」「サイド落ちは冒険バッグの中身を落とさないようにチェックするイメージ」など、身近なストーリーや絵にしてあげると頭に残りやすいです。部屋の壁に戦略ポイントをカラフルにまとめたポスターを貼るのも効果があります。
4)声に出す、体を使う
プレイしながら「エネルギーつけた! 次にサイド落ちあるか見ておこう」なんて声に出す習慣をつけるのもおすすめです。人間は目で見るだけでなく、言葉に出して耳で聞くなど複数の感覚を使うことで、記憶の定着力が上がると言われています。
■記憶以外で習慣や環境を整える
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いくらしっかり覚えても、ある日を境に一切触れなくなれば何だって忘れてしまいます。そこで重要なのが「習慣づくり」と「環境の工夫」です。
たとえばチェックリストを作って対戦前に見返すメモの記載されたノートやメモをデッキケースに貼っておくと、対戦前にふと目に入って思い出せます。中には「先攻1ターン目リマインド」「エネルギー添付忘れない」「サイドチェック」といった項目をイラスト入りで書きだしておくご家庭も。子どもが自主的に目をやるようになれば、大きな進歩ですよね。
もう一つはゲーム感覚で「戦略をうまくできたらシールを貼る」などの仕掛けを作ること。10枚たまったら好きなパックを開封できる、というルールにすると、子どものやる気が高まります。また、毎週末に短時間でも親子対戦する“ルーティン”をつくっておけば、期間が空きすぎるのを防げます。どんなに忙しくても「週に一度の親子対戦タイム」は死守! そうすると「久しぶりにやってみたら何も覚えてない……」という事態をかなり回避できます。
■実戦と振り返りでさらに定石を鍛える
どんなに勉強しても、やはり実際の対戦で試してみないと本当の意味で身につきません。対戦後に「今日はエネルギー管理がバッチリできてたね」「ここでサイドをチェックしていれば大事なカードが落ちていることに気づけたかもね」と振り返る時間をとると、“なるほど”が増えていきます。
YouTubeなどに上がっている大会の決勝戦や有名プレイヤーの対戦動画を子どもと一緒に観るのも刺激的です。「トッププレイヤーもきちんとサイドチェックしてるね。しかも毎ターンやってるかも……」なんて気づきがあると、子どもも「自分も真似してみよう!」と目を輝かせたりします。
■コスト度外視なら最強の方法も
もし費用をまったく気にしなくていいなら、オンラインのコーチングや専門家の個別指導を受けるのも手です。ポケモンカードのトッププレイヤーが教えてくれるサービスがあるので、それを利用すれば効率的に基礎から応用まで身につきます。
ただし、そこまで大きく投資しなくても十分強くなれます。家庭でできる工夫(定期的な対戦、スペースド・レピティションを活かした軽い復習、視覚ツールやシール遊びなど)だけでも、子どもはどんどん伸びていくものです。他にもみるとこTVのメンバーシップに登録することで親子ならではの悩みを相談することも可能です。笑
■親ができるサポート:一緒に楽しんで、一緒に成長!
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最後に、親御さんが実践しやすいサポート法をお伝えします。まずは「お母さん(お父さん)が対戦相手になってあげる」こと。子どもが聞いてきた質問に答えつつ、わざとミスっぽい動きをして間違えた後に「どうしたら良かったと思う?」と聞けば、子どもが喜んで解説してくれるかもしれません。教えることで知識が強固になる「学習の仕上げ」にもなります。
そして「今日はサイドチェック忘れちゃったね」とミスをしても、叱るのではなく「次はここを意識すればもっと強くなるよ!」と励ますのが大切。定石を一度覚えたからといって、すんなり出来るわけではありません。忘れて思い出す、その反復こそ成長のプロセスだからです。
日常でも「これってポケモンカードでいうとエネルギーを温存する感じかな?」なんて親から話を振ってみると、子どもの脳にポケカの記憶が呼び起こされ、自然に復習になります。あまりゴリゴリ押しつけると嫌がられるので、あくまで楽しい雰囲気で繰り返していきましょう。笑
■まとめ:忘れても当たり前。思い出しながら身につける
小学3年生くらいのお子さんが定石を忘れるのは、むしろ普通のことです。そこに焦りを感じるより、「忘れる→思い出す→できるようになる」を何度も繰り返して、自然と習慣にしていくほうが建設的。アドバイスや環境づくりで子どもをサポートしながら、親子で一緒に楽しんでみてください。
「やった! 今日はちゃんとサイド落ちをチェックできたね」「エネルギー管理が上手になってるよ」と小さな成功を積み重ねるたび、ポケカはどんどん面白くなるはずです。
わが家でも試行錯誤しながら、忘れたり思い出したりを続けてきましたが、そのおかげで子どももいまでは試合中に自然と声に出しながらプレイできるようになりました。
ぜひ、みなさんも気負いすぎず、定石を「忘れては取り戻す」サイクルを楽しんでくださいね。ポケカがさらに面白くなるきっかけになれば嬉しいです。
■ みるとこTVメンバーシップで、 さらに実践的に学ぼう!
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◾️筆者について
みると| ポケモンカード歴約12年のプレイヤー。初代ポケモンの時代からアニメ・ゲーム・カードに親しんできた。BWシリーズの「メガロキャノン」から競技シーンに参加し、ポケモンカードゲーム世界大会(WCS)に2019年と2022年の2度、日本代表として出場経験を持つ。
現在は2児(息子と娘)の父として、家族との時間も大切にしながらポケモンカードを楽しみ続けている。YouTubeではポケモンカードのジュニア環境について情報を発信中。チャンネル登録者数は約3000人以上を擁し、次世代のポケモンカードプレイヤーの育成に力を注いでいる。